第10章
エルバの視点
「ただいまー…小説オタク二人!」
って声がして、顔を上げた。
フルールだ。
「おかえり、フルール」
って言った。
「サンキュー、エルバ」
って笑顔で返事した。
「やあ、フルール」
ってミゲルが言った。
「やあ、兄さん」
ってフルールが、僕らの向かい側のソファーに座った。
「それで…緊急事態はどうだったの?」
って聞いた。
「マジで酷かったわよ。私が間に合わなかったら、命がいくつも失われてたところだった」
って、疲れ切った顔で言った。
「うわー、うまくいってよかったね」
って言った。
「そうなんだけど、お腹ペコペコ」
って、手のひらでお腹をさすった。
「チキンキャセロール、置いてあるぞ。キッチンにあるよ」
ってミゲルが言うと、彼女の顔がパッと明るくなった。
彼女はキッチンに駆け込み、僕は笑った。
僕は小説に戻って…「ミゲル」
って呼んだ。
「ん?」
って答えた。
「エララがどんどん強くなってるね」
って、小説について言った。
「そうだろ。両親を殺された娘が、好きな男の親に殺されるんだから、当然だろ」
ってミゲルが言った。
「すごいよね」
って言った。
「マジで面白い。破れたやつをまだ捨ててなかったらいいんだけど。ガムでくっつけて、私も自分の分を持ちたいんだけど」
って言った。
「捨ててないよ。図書館の棚にあるから、好きに使っていいよ」
って言った。
「ありがとう…もうすぐ読み終わるみたいだね」
って、彼の手にある小説を見て言った。
「ああ、もうすぐ終わるよ。これも面白いよ」
ってミゲルが言って、読み続けた。
この小説は急いで読みたくないんだよね。全部味わいたいんだ。私は早読みだけど、1時間で小説を読み終えちゃうけど、この小説は違うんだよね…特別な感じがする。
あれ?私、早読みって言った?
どうして知ってるんだろう?…だって、この小説が初めてみたいな気がするんだよね…それとも、
この前に小説を読んだことあったっけ?
私、小説好きだったっけ?
って自問自答して一生懸命思い出そうとしたら、頭に激しい痛みが走って…私はうめき声をあげた。
「エルバ、どうしたんだ?」
ってミゲルが心配そうに聞いた。
「う…う…頭に激しい痛みがあっただけ」
って言った。
「大丈夫か?もう?」
って聞いた。
「うん…ありがとう」
「お腹いっぱい」
ってフルールが言って、ソファーに飛び乗る前に聞こえた。
「あなたたち、小説オタクね」
ってフルールが、大きな「ゲップ」をした。
「あら、失礼」
って言ったけど、ミゲルは彼女を睨みつけた。
「ごめんなさい」
って彼女がまた言ったけど、ミゲルが不機嫌そうなのを見ていた。
「ごめんなさいって言ってるのに…何なのよ、その睨みつけ方は」
ってフルールがミゲルをあざ笑った。
「お前だって、あの態度は嫌だって知ってるだろ。せめて口を隠すべきだったよ…少しはマナーを身につけろ!」
ってミゲルが言い返した。
「でも、謝ったんだから許してくれてもいいでしょ?別に意図したわけじゃないんだから、急に出ちゃっただけだし」
ってフルールは不満そうに言った。
「だって、おま…」
ってミゲルが言おうとした。
「ごめんなさいって言ったでしょ、ミゲル…何なのよ、一体」
ってフルールはムカついてきた。
「ただ、その…」
ってミゲルが言おうとした。
「もういいわ」
ってフルールは怒って、自分の部屋に足を踏み鳴らして入って行った。
「あれは言い過ぎだったと思うよ。別に悪いことしたわけじゃないのに、謝ったんだし」
ってミゲルに言ったら、フルールのドアがバタン!って閉まる音が聞こえた。
「でも、それだけであんなに怒るわけないだろ」
ってミゲルは真剣な顔で言った。
「謝ってあげたら?」
って言うと、彼は立ち上がって彼女の部屋に向かった。
彼は申し訳ないって思ってるんだよね…二人のちょっとした喧嘩を見るのは、実は楽しい。
私も兄弟とちょっとした喧嘩とかするのかな?
私、兄弟いたっけ?
また頭が痛くなる前に、その考えはすぐにやめた。
「うわー」
って私がつぶやいた時、笑い声が聞こえてきた。まるで遊んでるみたい。
さっきまで喧嘩してたのに?
私は笑って、小説を読み続けた。
…
二人がリビングに戻ってきて、笑い声で気が散った。
二人はソファーに座った。
「ゲームしよ!」
ってフルールが言った。
**
テーブルを囲んでボードゲームをして、フルールがルールを教えてくれて、驚いたことに私が勝ったんだ。
簡単なカードゲームに切り替えたら、フルールが勝った…彼女は興奮して飛び跳ねて、私は笑うしかなかった。
「うわー、もうこんな時間!」
ってミゲルが叫んだ。
「7時だよ」
ってフルールが付け加えた。
「晩ご飯作ろっか」
って言った。
フルールが作ったご飯をみんなで食べてから、「おやすみ」を言った。
フルールも料理上手だけど、ミゲルの方がもっと上手。
お風呂に入って、素敵なパジャマに着替えて、布団にもぐりこんで、小説を手に取った。
今夜のうちに読み終えようと思って。日中はいつも気が散るから、この静かな時間を楽しむのが一番なんだ。
中断したところから読み始めた。
「うわー」
って、読み終わって涙を拭いた。
感動したし、ああいう終わり方でよかった…ベッドサイドの時計を見て、息をのんだ。
2時だ…あと数時間しか寝れない。
まあ…寝る時間を削って小説を読んだことは後悔してないけどね。
それだけの価値はあるよ…
まだ眠くなかったので、好きな部分を開いて、また読み始めた。
気づかないうちに、口を大きく開けたままウトウトしてたみたい。