第二十七章
このデカい屋敷の外観もスゲーって思ったけど、中身の豪華さに比べたら全然話にならない。マジで金持ちなんだろうな、この家の人。トビーが更に奥へと案内してくれるんだけど、すごい数の人がいて、みんなオシャレな服着て、オシャレな飲み物飲んで、多分オシャレな話とかしてるんだろうな。どこ見ても人だらけで、まるで俺がマジで避けたい、あの同盟のランチルームみたい。すぐに巨大なボールルームに着いたんだけど、壁は金ピカで、上にはバルコニーもあった。さっき通ってきた廊下よりも更にうるさいし、マジで楽しくなりそう、はあ、めんどくせ。
「マジかよ、トビー?」
部屋の向こうから男の人が驚いた顔で言ってる。トビーは足をとめて、その男の人の方を見てニヤって笑った。「まさか、ここで会うとは」って言って、俺たちのところまで歩いてきて、多分、その人のメイトと一緒に並んだ。
黒いスーツを着てて、髪はオールバックで、マジでキッチリって感じ、ちょっとワックスつけすぎじゃね?って思ったけど。隣には、俺くらいの年の女の人がいて、紫のニーハイブーツに、金髪で、目がめっちゃ青い。ここにいるの、すごい緊張してるみたいだけど、そりゃそうだよな、だってココ、マジで圧迫感ハンパないし。
「サプライズ好きなんだよ、ジェイソン。こいつは俺のメイトのテイラー」
トビーが、あの変な男同士の握手みたいなのして、俺を紹介してくれた。ジェイソンはちょっと頭を下げて俺に笑いかけた。
「テイラー、会えて嬉しいよ。こっちは俺のメイトのジャスミン」
ジェイソンは心配そうな顔してるメイトの方を見て、俺はジャスミンに安心させるような笑顔を送った。ジェイソンがまた話しかけてきた。「やっと見つけたんだな。学校ではいつも、メイト見つけたい見つけたいって話してたもんな」って言われて、俺はトビーの方を向いて笑った。トビーの頬がちょっと赤くなってる。ジェイソンは続ける。
「16になった日に、お前を見つけられなくて、マジでパニックになってたんだぞ。俺に、メイトいないんじゃないかって聞いてきたりしてさ」
って言ってて、俺は「あー」って声が出てしまった。マジでキュンだよ、それ。
「あんまり気にすんなよ」
トビーが俺にマインドリンクしてきた。ジェイソンが話し続けてるけど、トビーってば、恥ずかしいのか?
「遅いよ、もう新聞全部読んじゃったもん」
って返事したら、ニヤって笑っちゃった。トビーは俺のこと見てたけど、またジェイソンの方に戻ってった。
もう俺らは、ここにいる他の人たちと同じように振る舞ってるけど、そろそろ本気出す時が来たかな。周りの状況を観察し始めたんだけど、さっきも言ったけど、このボールルームはマジでデカいから、探してる人たちが紛れ込むにはもってこいなんだよね。ボールルーム自体も人が多すぎて、誰が誰だか全然分からんから、上にあるバルコニーの方を見てみたら、男たちのグループがいた。みんなこっち見てて、何人かは誰かを指さしたりしてる。俺の目はジェイソンに戻ったんだけど、俺らのことを見てるのにも気づいて、もう見られてないって分かったから、もう一回見てみたら、一人が別の部屋に入ってって、残りの人たちは移動して、廊下を歩いて行った。そろそろ、俺も調べに行こうかなって思った。
「ちょっと行ってくるね」
俺はトビーの方を見て笑った。トビーは心配そうな顔で俺のこと見てたから、俺が何しようとしてるか分かってるんだ。「すぐ戻るから」って言ったけど、トビーは俺の手を離してくれなかった。
トビーはちょっと頷いて、俺は手を離してもらった。みんなにちょっと笑いかけて、俺は横に歩き出した。あのバルコニーに行く方法を探さなきゃいけない。ゲストは入れないってことは、何か隠してるに違いないんだから。端っこを歩いて、入り口を探してたら、5メートルくらい先に、さっきの上の人たちがドアから出てきた。ドアの外でちょっとの間立ってたけど、二人ずつ散らばってった。チャンスだと思って、ドアに駆け寄ったら、バカどもが鍵かけ忘れてるし。マジで、スパイとしては使えない連中だな。ドアの中に入って、後ろで閉めたんだけど、ドアのすぐ先に、巨大な階段があった。上にあるバルコニーに繋がってるはず。ドレスの裾をちょっと持ち上げて、急いで階段を登り始めたんだけど、ヒールが結構うるさいんだよな。
20段くらい登ったら、バルコニーに着いた。下のみんなが見える。すぐにトビーを見つけた。心配そうな顔して、下のフロアをキョロキョロしてる。ドアが開いたから、俺は前に出ないで、隅っこに隠れたら、あの人が出てきて、俺の前を通り過ぎて行った。すぐに、さっき登った階段を下りて行って、下のドアが閉まる音が聞こえたから、隠れてたとこから出てきた。急いで、さっきの人が入って行ったドアまで行って、開けてみたら、なんと、ここも鍵がかかってなかった。部屋に入って、ドアを閉めたら、そこはオフィスみたいな場所だった。部屋の真ん中に古い感じの机があって、両側にファイルキャビネットが二つ。パソコンとかは一切ないし、ブランドン、絶対この部屋嫌いだろうな。
部屋の奥に進んで、机のところに行って、引き出しをいくつか開けてみたら、全部空っぽ。一つの引き出しには、この部屋の家賃みたいなのが入ってた。やっぱり、こいつら金持ってるわ。それから、ファイルキャビネットの方に行ってみたけど、開けようとしたら、鍵がかかってるし。初めて鍵がかかってるもの見つけたんだけど、きっと、俺に見られたくないものがあるんだよな。髪飾りからヘアピンを取り出して、鍵を開けようとしたんだけど、思ってたより難しい。
「早くしてくれよ、こんなとこに一人でいるのは嫌だ」
トビーの声が頭の中に聞こえてきた。俺はニヤリとして、ファイルキャビネットを完全に開けた。
「大丈夫だって。こんなこと、俺たちが会う前からやってたし、俺はチームのシニアフィールドエージェントなんだから」
って返事した。あの肩書きもらったの、マジで嬉しいんだよね?ちょっとくらい自慢してもいいでしょ?
ヘアピンを髪に戻してから、キャビネットを開けてみたら、書類がいっぱい入ってた。ラベルをざっと見てたら、M.S.P.って書いてあるのを見つけた。これには、俺たちが必要な情報が全部入ってるだろうな。すぐに取り出して、目の前の机に置いた。M.S.P.の下には、Money, Security and Protectionって書いてあって、どういう意味なのか分かった。読み進めていくと、この場所が何をしてるのか、大体分かってきたんだけど、これは、違法な方法で、みんなに全部パッケージで提供してるってこと。
スマホをブラジャーから取り出して、目の前にある書類を全部写真に撮り始めた。ブランドンに全部送らなきゃ。でっかい書類の写真撮り終わったら、ブランドンに送って、ファイルは元に戻した。ファイルを戻してたら、別のファイルが目に留まった。取り出してみたら、一番上にリチャードの名前が書いてある。開いてみると、色んな名前が書いてある。いくつか、赤ペンで線が引かれてて、一番下の名前には引かれてない。名前を読んでたら、何人か見覚えのある名前があった。線が引かれてる名前は、リチャードが殺した人たちで、これは、リチャードのヒットリストだ。スマホを取り出して、リストを写真に撮って、歩く音が聞こえたから、書類をキャビネットに戻して閉じて、机の下に隠れた。隠れたら、ドアが開いて、誰かが入ってきた。
入ってきた人が、俺が座ってる机に座って、何かを探し始めた。
やべえ。