チャプター32
デカい屋敷に着いたら、ジュリアンとブランドンが先に降りて、俺はちょっと車に残ってた。あの建物、マジで建物じゃなくなってて、玄関だけが残ってる感じ。よくあんなとこから生きて帰ってこれたよな、親戚みたいな人のちょっとした助けがあったおかげで。ブランドンが心配そうな顔して車の中見てくるから、俺は降りる合図だって思ってドア開けて外に出た。深呼吸して周りを見渡してから、一瞬地面に目を落とす。「しっかりしろよ、テイラー。仕事の時間だぞ」
仕事モードに切り替えて、みんなのとこに行こう。ジュリアンは物が入ったバッグ持ってて、ブランドンはファイル持ってた。同盟がテープでぐるぐる巻きにしてて、残ってる壁の外には「危険!立ち入り禁止」みたいな看板がいっぱい。
「よし、さっさと終わらせよっか」って笑ったら、ブランドンがファイルくれた。日が暮れる前に全部終わらせないと、夜に入るとマジでヤバいから。
「モーガンに、テイラーのそばにベッタリくっついてろって言われたから、どこ行くにも一緒だよ」ってブランドンが笑いながら言ってくるから、「マジで?」って感じで上目遣いで見たら、ニヤって頷いてた。
「俺はどんな仕事でもやるよ!初めての現場だし、ワクワクしてるし!」ってジュリアンがちょっと飛び跳ねながら言うから、ブランドンが初めての時とは全然違う反応だった。ブランドンは怖くて車から降りるのも嫌がってたのに!
「俺とブランドンは中を見てくるから、ジュリアンはゴミ漁って、何か重要なもん捨ててないか探して」ってファイル閉じながら言ったら、ブランドンが頷いて、俺らは建物に向かって歩き出した。でも、ジュリアンが止めてきたんだ。
「なんで俺がゴミ漁んないといけないんだよ!テイラーとかブランドンがやればいいじゃん!」って文句言ってくるから、ブランドンと顔見合わせて笑って、振り返った。
「あたしは現場の先輩だし、モーガンもいないから、この捜索はあたしが指揮するの。モーガンがゴミ箱に釣りしに行く姿、見たことある?」ってブランドンの肩に手を置いて言ったら、ジュリアンはちょっとキョトンとしてブランドンの方見てた。
「で、お前も聞いたように、モーガンにテイラーにベタってくっついてろって言われてるから、もしテイラーがゴミ箱漁んないんなら、俺もやらないよ」って笑うから、ジュリアンは俺ら交互に見てめっちゃビックリしてる。「お前は初めての現場なんだから、色んな経験しとかないと。ゴミ箱釣りは、リストから消していいよ」ってブランドンが笑ってて、俺も笑っちゃいそうになった。ジュリアンはため息ついて、手袋取り出してゴミ箱の方に向かって行った。
「新米エージェントと組むの、久しぶりに楽しいな」って笑って、ドアの方見た。火事でちょっと開いてて、焦げ付いた黒がドアの金色の部分を消してる感じ。
「面白かったね、俺とライリーが昔、お前にやってたの、わかるわ」って笑って、ブランドンがドアを全部開けるのを手伝ってくれた。めっちゃ力いったけど、やっと開いた。「どうぞ」ってちょっとお辞儀しながら入るから、笑っちゃって、建物の中に入った。足元で床がギシギシ音立てる。
ロビーはそんなに酷くはなってなかった。壁はスモークで黒くなってたけど、それくらい。問題はロビーを出て、ダンスホールに入った時。というか、ダンスホールだった場所。屋根がなくて、全部壊れてて、天井が落ちてきてた。瓦礫の山がドーンってあって。バルコニーの片側だけ残ってて、他は全部落ちてた。目の前にある、こんなに変わっちまった建物を見つめてた。
「誰も死んだり、重傷者が出なかったのは、マジで奇跡だな」ってブランドンが後ろから言うから、瓦礫の山を登って、全体を見渡せるようにした。
「グループの理念に反するもんな。人を傷つけないように、ってとこから始まったんだし」ってバルコニー見上げながら言ったら、目に入ったのは、あの夜、俺が入ったオフィス。「焦げ跡とか、残ってるもんで、火元があのオフィスだってわかる」って、オフィスを指さして言った。俺が見つける前に証拠を燃やしちまった。
顔を背けた瞬間、何か見えて、瓦礫の山から落ちないように気をつけながら、そっちに行った。瓦礫のとこに行って、何か写真みたいなもんが突き出てるのを見つけた。
「手袋、誰か持ってきて!」って大声で言ったら、すぐにエージェントが手袋をくれた。
お礼を言って、手袋をはめて、写真の前に膝をついて、重い石をどけて、破れないようにした。写真を取り上げて、それが何なのか見たら、涙が込み上げてきた。お母さん、お父さん、俺の3人が笑ってる写真。端っこがちょっと焦げてたけど、写真は無事だった。
「え、これ、お前じゃん」ってブランドンが後ろから言うから、俺は頷いた。「ってことは、やっぱお前のパパと関係あるんだな」って証拠品の袋を開けてくれるから、また頷いて、写真を入れて、立ち上がって、両手を空に投げ出した。
「なんで、なんでこんなことするの!」って大声で叫んだ。めっちゃイライラしてて、家族はこんなんじゃなかったのに、俺に何かあったからこうなったんだ。「あの写真に写ってる人たちは、こんなことするような人たちじゃないのに、全部リチャードのせいだ。絶対見つけ出して、ただじゃおかない」って言葉の全部に本気だった。前にも、捕まえたいって気持ちはあったけど、これはマジで燃え上がった。
「必ず見つけ出すから、テイラー。あいつの人生も終わりだ」ってブランドンが言うから、振り返って見たら、ちょっと笑って「ありがとう」って伝えた。「ジュリアン何か見つけたかな?ゴミ箱にハマってたりして」って言うから、ちょっと笑っちゃった。助けてくれるみたいに手を差し伸べてくれた。
すぐ、建物の外に出て、瓦礫から解放されて現実に戻ってきた。ブランドンについて行って、ゴミ箱のとこに行ったら、ジュリアンが真ん中にいて、2つのデカい金属製のゴミ箱が立ってた。ジュリアンは、俺らが近づく前に、何かを横にポイポイしてた。めっちゃ不機嫌そうな顔で。
「何もねえよ!カビだらけの食べ物だけだ!」って叫んで、ゴミ箱から出ようとしたけど、転んで床に落ちて、さらにイライラしてる。「なんで俺がゴミ漁んないといけないんだよ、そんなもん、残してあるわけねえだろ!」って俺に文句言うから、俺は笑って、ブランドンが助けて起こそうとしたけど、また転んじゃう。
「だからこそ、ゴミ箱をチェックするんだよ。あいつらは、俺らがゴミにそんなもん捨ててるとは思わないだろう、って考えて、ゴミ箱に証拠隠滅するかもしれない」って説明して、ジュリアンがまた転ぶのを見て、笑いが止まらない。「研修だと思って」って笑ったら、また気に入らないみたいで、立って、歩き出したと思ったら、走り始めた。
赤ん坊の鹿が歩く練習してるみたい。リチャードも、すぐこうなるだろうな。