地下室
3人が話しているのを見て、あたしは黙ってた。パヴェルは宮殿を出るのが楽しみみたいで、シンラドとベールはまだキョトンとしてる。あたしは深呼吸して、違う方向を見た。どうすれば、あいつに悪いことを教えられるんだろ?あいつの友達2人も一緒だから、難しい。あたしがパヴェルに言うことに反対するに決まってるし。
こいつら2人相手は、ちょっと大変そうだ。
「クサァラ、何を持ってく?」あたしの名前が出たから、パヴェルを睨んだら、ニヤッとして頭をかいた。
「ごめん、つい、お前の名前を呼んだだけだよ」って言うから、あたしはイライラしたんだよ。
「あたしは何も持っていかない」って言うと、パヴェルの目が大きくなった。
「でも、服とか?食べ物とか?宮殿の外で生きていくための金とか?必要だろ?あたし達は…」
「あたしが、2人のテストみたいなの受けるみたいに見える?」って聞いたら、パヴェルは黙ってぷいってした。
「お前の舌はいつも鋭いな」ベールが腕を組んで言ったから、あたしは無視した。
「必要なものを用意して、持って行きなさい。それから寝なさい。明日は早く出発するから」あたしがそう言うと、シンラドがこっちを見た。
「偉そうに、まるでリーダーみたいだな」って言われたから、あたしは彼を見て微笑んだ。
「何?邪魔だった?」って聞くと、シンラドはあたしを見てきたから、笑っちゃった。
「あたしはヒーローだ。お前になにができる?」ってからかったら、パヴェルがシンラドとあたしを見てた。
「あたしは出るから、2人でゆっくりしてな」ってパヴェルに言って、振り返った。
「女でよかったな。じゃなかったら、ぶん殴ってただろうよ」シンラドがイライラした声で言ったから、あたしはニヤニヤ笑ってから、ニヤリとした。
「あーね、サンキュー」って言ったら、シンラドはもっとイライラしてた。3人に背を向けて、また真面目な顔になって、パヴェルの部屋を出た。あたりを見回して、何か楽しめるものはないかなって探した。
人間ってさ、寝て、食べて、知り合いと話すこと以外、つまんないことしかしてないじゃん。いつも同じことの繰り返しで、マジつまんないんだよね。
煙がモクモク出てるのを見て、立ち止まった。あたしは眉をひそめて、ゆっくりと煙を追った。その黒い煙は、まるで生きているみたいに漂ってる。
あれは魂でもないし、悪魔でもない。何なのか、全然分からないから、あたしは追いかけた。階段を下りていくから、あたしも階段を下りた。鋭い爪を出した。この煙、なんか変な感じがするんだよね。
あるドアの前で黒い煙が消えたから、立ち止まった。ドアを見て、鋭い爪をゆっくりと引っ込めた。
見覚えのあるドア。でも、どこで見たのか思い出せない。
ドアノブを回したけど、鍵がかかってた。だから、あたしの力を使ってドアを突き破って入ることにした。中に入ると、真っ暗だったから、眉をひそめた。あたしは宮殿の地下室にいたみたい。
角を灯して、電灯のスイッチを探して、つけた。光が眩しくて、目を閉じた。ゆっくりと目を開けると、やっぱり。あたしは宮殿の地下室にいた。もう使わないものが置いてある場所。
目の前に黒い煙がまた漂っているのを見て、眉をひそめた。また爪を研いで、煙を捕まえようとしたとき、煙が突然漂い始めたから、また追いかけた。
煙を追いかけながら、あたりを見回して警戒した。敵はすぐそこにいるかもしれないからね。
この煙は、あたしを地下室の一番奥へと連れて行くみたい。煙がゆっくりと白く変わっていくのを見て、ちょっと立ち止まって煙を見た。白い?
煙がまた消えたから、びっくりした。あたりを見回して、ゆっくりと煙が消えた場所に行った。そこに立ってあたりを見回して、目を見開いて、あたしの前に大きな絵があるのを見た。
その絵を見て、あたしの爪はゆっくりと丸くなった。それを見て、あたしは眉をひそめ。絵に近づいていった。
ゴクリと唾を飲み込んで、信じられなかった。古い写真。一部はぼやけてるけど、女性が描かれている部分はまだはっきりしてた。
「あたしはなんでここにいるんだ?」あたしは、目の前の絵を見ながらそう呟いた。
あたしは、絵の中の女性とそっくり。違うのは、あたしには角があって、彼女にはないってことだけ。あたしはゆっくりと絵に近づいて、絵の中の女性の隣にいる男を見た。
その男の顔は消されていて、誰だか分からなかった。あたしはゆっくりと手を伸ばして、この絵を持とうとした。あたしの手が額縁に触れたとき、突然手を引っ込めて頭を抱えた。とてつもない痛みが、突然襲ってきたんだ。
「カーマ、早く写真撮ろうぜ!」
「ちょっと待って、ベールがまだ来てない!」
「マジでみんなあたしのこと好きだなー、シンラドのこと、もうちょっと待ってよう」
「カーマ、先にいこーぜ」
「今行くー!」
「オッケー、カメラ見てー、1、2、3」
「こっち見てー」
「ここ超可愛い」
「カーマ、ほんとキレイだよね」
「ずるいー!」
「おっせーよ」
そんなイメージが浮かんできて、あたしは頭痛で座り込んだ。
「ア゛ア゛ア゛ア゛!」叫んで、近くにあったものを全部どかして、石を投げつけた。もう、あたしにはどうしようもなかった。爪が急に伸びて、絵の下の方を引っ掻いた。あたしはすぐに膝をついて、痛みで倒れた。感情が、ただただ溢れてくる。あたしは何を見てるんだ?
なんで、こんな痛みを感じるんだ?あたしは悪魔なのに、感じるはずがないのに。数分経って、体も心も落ち着いてきた。あたしは、女性と男性の間に大きな傷がある絵を見て座っていた。
誰なんだ…カーマって呼ばれてる女の子は?絵の中のあたしに似てる女の子は?
「任務が終わったら、あたしの秘密を教えてあげる」
絵の中のあたしに似てる女の子の顔を、もう一度見た。
アラダ、あたしに関係する秘密を隠してるって言ったよね?これは、お前の秘密の一つなの?