二つ頭の狼犬
あたし、マジでさ… パヴェルからめっちゃ怖いもん感じたんだよね。 抱きしめられたとき、胸ん中から恐怖が伝わってきてさ。さっきのハグ、頭から離れないし、前にもあったことみたいに感じてて。同じこと、経験済みみたいな感覚だったんだよね。
でも、なんでパヴェルと初めて会ったとき、こんな風に感じんだろ? あたしが消えちゃうんじゃないかってくらい、ぎゅーって抱きしめられたのも、あれが初めてだったのに。
目の前にある教会を出る準備してて、正直、こんなとこ、もう長くいたくないんだよね。あたしたちの敵であるエンジェルたち見ると、マジで気分悪くなるし。
シンラドが突然あたしの腕掴んできたから、見てみたら、真剣な顔してた。眉毛上げて、なんか話すの待ってたら、なんか怒りたそうな感じだったり、言いたいことあるみたいだったのに、急に感情変わって、ゆっくり腕離してきたんだよね。
「忘れちった。」って言って、あたしに背中向けて、ベールのとこ行って話してるし。パヴェルがあたしに近づいてくるから、あたしはそっぽ向いた。
「行こう。」って言われて、頷いて歩き出そうとしたら、また引っ張られて、視界にまた映像が流れ込んできた。
「次どこ行くか、分かってないんだろ。」って言われて、彼のこと見たら、あたしを離して、カバンから地図出してた。
「後で地図見ようよ。」って言ったら、マジで驚いた顔してるし。「歩きながら地図見た方がいいじゃん。」って言ったんだ。正直、もうマジでうんざりなんだよね。敵の顔なんか見たくないし。
パヴェルは頷いて地図畳んで、話してる2人の方見てた。
「行こう。」ってパヴェルが言うから、2人ともお互い見てた。パヴェルなんて、神父のフリしてるエンジェルにバイバイって言うために見てたし、あたしにまでニヤけてきやがったから、もうマジで無理ってなって、顔背けちゃった。あいつらの笑顔、マジで吐き気する。
歩き始めて、パヴェルは地図見てるし。ベールはくだらないこと喋ってるし、シンラドはあたしみたいに静かに歩いてるし。
「他の人の問題、お前のミッションより優先するんだな。」
昨日、アラダに罰せられた時のこと思い出した。ほんと、その通りなんだよね。あたしのミッションよりも、他人を優先しちゃってる。疲れてるから、早くミッション終わらせたいんだよ。
ある計画が頭に浮かんだから、あたしはニヤけて、次どこ行くか話してる3人の方見た。
「次の目的地、洞窟だってよ。」ってパヴェルが地図見ながら言ってる。
3人が忙しくしてる間に、あたしは計画を実行するために、力使い始めた。
「そこで一晩過ごして、洞窟の反対側から出て、次の目的地に向かわなきゃいけないんだ。」ってパヴェルが言って、また地図畳んでカバンにしまった。
「クサァラ、休憩したいなら、止まろうか?」ってパヴェルに聞かれたから、あたしは彼を見てニヤけて、首を横に振った。
「お前、話す習慣ないんだよな。唾液がサラサラにならないでよかったな。」ってベールが言ってきた。あたしは返事しなかったけど、お前ら3人がどんだけ勇敢か、見ものだよね。
「なあ、俺ら3人で、お前をまず守るよ。お前を見捨てたりしない。」ってベールが言った。「さっきみたいなこと、繰り返すなよ。」って言われて、あたしの口元の笑顔消えて、完全に黙っちゃった。
3人が洞窟で何するのか話してる中、あたしは静かに歩いてたんだけど、シンラドが突然歩くの止まって、あたしたちに静かにするよう合図してきたんだ。
「あれ、聞こえたか?」って歩くの止まって、周り見渡しながら言った。
「どれ?」ってベールが聞いてきた。あたしの力で作り出した化け物がまた唸り声あげて、あたしはニヤけたけど、3人には見せないようにした。3人があたしを取り囲んで、あたしを守ってるみたいだった。
「何があっても、音出すなよ。」ってパヴェルが言って、突然あたしの手掴んできたから、見てみたら、彼が触るたびに視界に現れる映像が、また現れ始めた。
「アビア!」
「耐えて… 離すなよ。」
あたしはパヴェルの手、急に振り払っちゃった。彼はあたしのこと見てたけど、あたしの顔には衝撃が残ったままだった。
彼が触るたびに、見える映像はどんどん悪化してるし、頭ん中にも声が聞こえてきて、まるで本当にあったことみたいなんだよね。
「クサァラ、やめろって…」パヴェルが言おうとしたこと、言い終わらないうちに、あたしの後ろ見て、あたしを抱きしめて床に寝かせた。あたしは彼の行動にまだ固まってて、ものすごい風を感じて、目を開けたら、まずパヴェルが走ってきて、あたしを守ってるところだった。
「大丈夫か?」って目が合ったとき聞かれたけど、あたしは返事しなかったし、彼は返事を待たずに、後ろ見た。
「なんだあれは!?」ベールが怖がって聞いてきたから、あたしはパヴェルの後ろ見て、眉間に皺寄せた。2つの頭持った、巨大な黒いオオカミ犬がいて、ちょっとでも変なことしたら、彼を捕まえうとしてるんだもん。
「どこから来たんだ、あいつは?」シンラドが立って、あたしがやったんじゃないって確信してるみたいな顔して、化け物の方見てた。あたしが作った化け物、黒い目の頭1つしかないオオカミ犬なのに、どこから来たんだ、あたしが作った化け物はどこ行ったんだよ?
目の前にいる化け物がどこから来たのか考えるの止めて、あたしみたいな闇の奴隷が、あたしよりも大きな化け物作れるんだって気づいた時だった。アラダだ。
あたしは化け物見た。あたしの目の前にいる化け物は、アラダが作ったものだって確信した。
それからあたしを追ってきて、見張ってるんだ。
「伏せ!」って叫んだら、化け物がベールに襲いかかろうとしてたから、シンラドとベールはすぐにしゃがみこんだ。同時に、化け物がベールの行動に襲いかかって、ベールの頬に傷ができた。あたしはすぐに座って、あたしが作った化け物を召喚することに集中した。
「あいつらを守るんだ、クサァラ」アラダの声が耳元で囁くの聞こえて、目を開けた。周り見渡したけど、アラダの姿はなかったから、あたしをからかってるんだと思う。
もう一回目閉じて、あたしが作った化け物を呼ぼうとしたら、シンラドがあたしを押してきて、あたしは目を開けた。
「何してんだよ?」シンラドがイライラして言った。
あたしは返事しなかったから、口笛吹いたら、強風が吹いて、あたしが作った化け物が後ろから出てきて、アラダが作った化け物と対峙したんだ。
「どこから来たんだよ、あれは!?」ベールが衝撃で叫んで、大きな岩に隠れた。3人の恐怖を感じて、それがアラダの作った化け物をさらに強くしてる。
「怖がるな。」って言ったら、3人はあたしのこと見てきた。「新しく来た化け物を怖がれ。」って付け加えたら、3人の額に皺が寄った。あたしが作った化け物を怖がったら、アラダの作った化け物より強くなるかもしれないし。
「あいつ、4人同時に食っちゃう可能性あるぞ。」あたしの脅しで、彼らの目は見開いて、あたしは彼らの恐怖から来る力を感じた。
アラダの化け物が、あたしが作った化け物に突進していくの見て、あたしはすぐに操作して、アラダの化け物と戦わせた。それはアラダの化け物の首に噛みつき、投げ飛ばしたんだ。
「行こう。」って言って、そいつらから離したけど、怖がりながらも、それでもあたしについてきた。
あたしとアラダが作った化け物が戦ってた場所から離れたところで、深呼吸した。アラダはきっとあたしを捕まえて、またあたしがやったことについて罰するだろう。
3人の方を見た。
「大丈夫か?」ってパヴェルが聞いて、あたしの方見た。
「鼻血出てるぞ。」って言ってきた。鼻に触って、あたしの手見てたから。血が出てるの見て、あたしはごくりと唾を飲んだ。
「大丈夫?」ってパヴェルがすぐに近づいてきた。あたしは彼を見て、恐怖が彼の目に明らかだった。さっき見た化け物のせいじゃなくて、あたしの鼻から血が出てるから。
「どこか痛むのか?」って聞かれたけど、返事しなかった。こいつはさ…
「あの人、お前のこと好きだよ。」
「さっき、お前の人間が起きたとき、お前を抱きしめた人、お前のこと思ってる気持ち、感じられるんだ。」
あの男の子とエンジェルが、あたしに言ったこと思い出した。
…どんなに思われても、あたしはその気持ちに応えることなんて、絶対にできないんだよ。