宮殿の外
アタシは、アタシを追いかけてきて、さっきから騒いでる3人組の背中を見て、まじでめんどくせーって思った。マジで、わかってねー連中。
「もしかして、もうユニコと、そういうの乗ったことあるの?」パヴェルに「カート」のこと聞くシンラド。アタシは、宮殿の門出てすぐ外で騒いでる3人の後ろで、ただ黙ってた。
パヴェルだけが、そういうのに疎いのかと思ってたけど、この2人も同じレベルじゃん。
ベールは、服をタオルで拭いてたんだけど、誰かにぶつかられたのか、よけてた。この男、汚れにはマジで敏感だな。
「うん、めっちゃイケてるよ。乗ってみる?」パヴェルが聞いてきた。
「なんかバイ菌とか、ないの?」ベールが言うから、みんなベールを見た。パヴェルは笑って、シンラドは顔をしかめた。
「消毒液、もうどれくらいあんの?」シンラドが聞いて、ベールは自分が持ってる消毒液見てから、シンラド見た。
「たぶん3つ?つーか、俺、用心してるだけだし。」ベールが言って、シンラドは首を横に振った。パヴェルがアタシを見てきたから、アタシは目をそらした。
「クサァラ、なんで後ろにいるんだ?」アタシの名前呼ばれて、マジで鳥肌たった。シンラドとベールがアタシのこと見てる。
アタシはパヴェルを見た。
「お前らと、一緒に行動したくない。」アタシはそう言って、3人の前を歩き出した。
「ほら、探してるもん探し始めよ。」そう言った時、急にパヴェルに腕を掴まれた。また、あの時みたいに、パヴェルの肌がアタシに触れた時に見えるイメージが頭に浮かんだ。
アタシは、すぐパヴェルの手を振り払って、睨みつけた。パヴェルは、びっくりした顔してる。シンラドが、すぐにアタシとパヴェルの間に割って入って、パヴェルがアタシに何かしたのかって詰めてた。
「変な顔すんなよ。」シンラドが言って、パヴェルの手はシンラドの首の後ろにあった。「痛っ!」シンラドは唸って、パヴェルのこと見てた。
「彼女を突き飛ばすなよ。」パヴェルがアタシを見て「大丈夫か?」って聞いてきた。
「触らないで。」アタシは言って、腕を組んだ。
「マジ、だりー。つーか、お前しかいないからさー」
「お前はさ、バイ菌アレルギーのお相手じゃないんだから。」アタシは言って、言いかけのベールを見てやった。
「俺は、用心してるって言っただけだろ。「清潔」って言葉、お前に教えてないのか?」ベールは苛立ってる。アタシはただ、ベールをじっと見て、3人のこと見てた。
腕を組んで、アタシはマスクを外した。だって、向こうもマスクしてるし、人にはバレないだろ。それに、パヴェルとその友達が、外に出てるってこと、知られちゃマズイらしいし。
「3人とも、よく聞きなさい。」アタシがそう言うと、みんなアタシのこと見た。シンラドの眉毛は上がってて、ベールはまた顔をしかめてる。マジで、嫌だ。
「4人で一緒にいる時は、従うルールを作ろう。」アタシがそう言った。
「で、お前の役割は?」ベールが聞いてきた。
「だから、聞けって言ったんだよ。もしかして、ゲイ?」アタシは、マジでベールにイライラしてた。
「クサァラに、先に話させてあげて。」パヴェルが言って、アタシに微笑んだ。アタシは、内心マジで苦痛だった。
「一緒にいるようになってから2ヶ月以内に、お前らが守るルールを作らなきゃいけない。」アタシが言うと、シンラドは笑った。
「おい、まさか、アタシらと一緒じゃないってこと?」シンラドが聞いてきた。
「アタシは、お前ら3人より、ずっと大人なんだから。」アタシが言うと、パヴェルは笑い、2人はイライラしてる。
「パヴェル、お前は王子なんだから、何をするか決めるのは、お前だろ。こんな、彼女みたいな、下っ端の言うことなんか聞く必要ないんだ。」ベールは苛立って言った。
「お前は宮殿の外にいるんだから、ここはアタシらのテリトリー。お前らのテリトリーである宮殿の中にいるわけじゃない。もし、お前のプライドを貫き通すなら、お前の友達は王様になれないかもよ。」アタシはニヤリと笑って言った。
「もしかしたら、計画を捨てようとしてるんじゃない?だって、言ったでしょ、2人のうち1人が選ばれるって。もし、パヴェルが任務を達成できなかったら。」アタシはそう言って笑うと、シンラドの視線がすぐにアタシに釘付けになった。
「俺は、王様になりたくないんだ。」シンラドが言うから、アタシは笑った。だから、嫉妬がシンラドの中で渦巻いてるんだよ。
「もう、揉めるのはやめよう。クサァラの言う通りだ。」パヴェルが言うから、友達はパヴェルのこと見た。
「俺が王子だってフリをするのは、もうやめよう。どうせ、意味ないし。クサァラ、4人でいる時は、アタシらのガイドになってくれ。」パヴェルが言って、2人は驚いた。
「え?マジで?彼女にガイドしてもらいたいのかよ。彼女は、ただの下っ端じゃねーか、パヴェル。」ベールが苛立って言った。
「クサァラは、ここら辺のこと詳しいんだろ?だって、ここからスタートしたんだから。お前らは?周りのこと、知ってんのか?」パヴェルが聞いて、2人は何も言えなくなった。
笑っちゃった
パヴェルは、両手でベールとシンラドを近くに引き寄せて、腕を組んだ。
「もう一つ、格言を信じてくれ。「女はすべてを知っている」ってな。」パヴェルは2人にそう言って、アタシのこと見た。
アタシは微笑んだ。けど、すぐに消えた。なんで、アタシは笑ってるんだ?
「クサァラ、アタシらのこと、頼むぞ。」パヴェルが言った。
けど、2日後には、4人でいる時は、アタシが仕切ることになった。
「まず、アタシについてきて。邪魔だから。」アタシがそう言って、3人に背を向けた。
ベールが、何かボソボソ言ってるのが聞こえたし、シンラドはアタシに従わざるを得なかった。
アタシは、町にあるビールハウスに3人を連れて行った。そこなら、問題が起きるってわかってたから。
アタシは悪魔で、アタシの仕事は、次の王様を悪にすること。だから、カオスを生み出すのも、アタシの仕事の一つ。だから、アタシが計画してることをやる場所として、ここを選んだんだ。
ビールハウスに入ると、そこにいた全員がアタシらの方を見た。そりゃそうだよな。目だけ出して、全部覆われてるんだから。多分、外国の人だと思ったんだろ。
アタシらは、ドアの近くの空いてるテーブルに座った。パヴェルがアタシのところにやってきて、囁いた。
「なんで、こんなとこに?」パヴェルは、アタシのこと見ながら、周りにいる人たちのこと見てた。
「4人で、これからどうするか話すには、いい場所だと思ったから。」アタシが言うから、みんなは顔をしかめた。
「マジで?ここはビールハウスだぞ。会議室じゃねーんだぞ。」ベールが言うから、アタシは笑った。
「宮殿の外に、会議室とかあるように見える?」アタシが言うと、みんな黙ってしまった。アタシは顔をしかめて、腕を組んで、椅子に深く座った。
「最初は、視線だけ。そのうち、みんな飽きるから。」アタシが言って、ウェイトレスを探して周りを見渡した。ここで働くウェイトレスだよ。もう、ここにいるんだから、みんなにアルコールの飲み方、教えないとな。
「いらっしゃいませ。メニューです。」ウェイトレスが笑顔でメニューを置いて、アタシらの注文を待ってる。
「これは、何ですかね?」シンラドがメニューを見て言った。
マジで疲れる。
「ビールを1ケースと、鶏肉の唐揚げと、シシグを1つ。」アタシが言うから、3人はアタシのこと見た。その女は、アタシの言ったことメモして、アタシを見て微笑んだ。
「他に何か?」って聞いてきた。アタシは首を横に振ると、彼女はメニューを持っていった。
「ちょっとお待ちください。」そう言って、アタシらに背を向けた。アタシは、3人がアタシのこと見つめてるのを見て、眉毛を上げた。
「何?」アタシが聞いてみた。
「お前、酒とか飲むの?」ベールが聞いてきた。
アタシは首を振って、笑った。
「たまに、従妹から聞くくらい。」嘘。
「クサァラ、なんでビールなんか注文したの?」パヴェルが聞いてきた。
「なんで?水じゃないの?」アタシが言うから、みんなは頭を叩いた。アタシはニヤリとした。
数分後、注文したものが来た。3人は、アタシの注文を運んできた男を見て、黙ってた。
「さあ、話しましょうか。」アタシが言うと、みんなアタシのこと見た。
「もっとマトモなもん注文しろよ。」ベールは嫌な顔をしてきたけど、無視して、ビールを取って、栓抜きをみんなの前に置いた。
「ほんのちょっとだけなんだから、気取らないで。」アタシが言って、みんなのこと見てやった。
「さっきも言ったけど、まず、宮から来たってこと、忘れよう。」アタシは言って、持ってたビールを掲げながら、みんなのこと見た。
「乾杯?」アタシがそう言って、手を上げた。パヴェルは笑顔でグラスを持って、アタシとカチッとやった。
シンラドは、明らかに渋々って感じで、アタシと乾杯しなきゃいけなくなって、ベールも同じだった。アタシは、みんなが同時に酒を飲んでるのを見て、笑った。
さあ、3人にどんな問題を与えようか、計画しなきゃな。