グランパ・ガブリエル
聖女と俺は、シンプルなちっちゃな家の前に着いた。家のドアの前に十字架が飾られてて、隅っこには悪霊よけみたいなのがいっぱいぶら下がってるのを見て、俺は一瞬で眉毛がピクッてなった。
「俺みたいなのに対して、良い感情持ってなさそうなやつらの家じゃん」って言ったら、聖女は頭に手を置いて怪しげに笑った。
「だから、明日にしようって言ったのに。十字架とかあるし」って言うから、俺は聖女のこと見たけど、そっぽ向いちゃった。
「呼べ」って命令したら、聖女は唇を開いて、ためらいながら俺に従った。
「あ、でも…」
「呼べ」ってまた言ったら、聖女はため息ついて、家のドアまで行ってノックしたんだ。
「グランパ・ガブリエル」って呼ぶから、俺は目を瞑った。それもまた聖なる名前だし。あの、聖書とか好きなやつらのファンだよね。
「グランパ? グランパ・ガブリエル、グランパ・ガブリエル…」
「なんだってー、父と子と聖霊の…」
「ダメだよ、じいちゃん、やめてってば」
俺はすぐに座り込んで、あのクソじじいが投げつけた水が当たって、苦しんで転げ回った。マジで、自分の体から追い出されそうになった。
「お前は悪魔を守ってるんだ。今すぐ出て行け。お前の友達の体は取り返す」って、あいつは言う。俺は心の中で笑った。人間ってやつは、俺らに何を期待してるんだ? 俺らのこと、そうやって言うんだよな。
「グランパ、彼女は友達なの。落ち着いて」
「この悪魔がお前の友達だって?」って、あいつは聞いてきたから、今度はあいつのこと見た。顔には全然ビビってる様子がないから、俺は笑った。
いいじゃん、俺のこと怖がらないやつは嫌いじゃないんだよね。ニヤッとして、攻撃しようとしたら、あの聖女で冷静な女が俺を止めてきたんだ。
「お願い、やめて。私たちは、街を覆ってる呪いが何なのか調べに来たの」って言うから、俺は聖女のこと見て、突き飛ばして、ピンって立ち上がった。そして、またあの十字架持ってるじじいのほうを見た。
「グランパ・ガブリエル、まず話を聞いて」って言って、聖女はあのじじいのとこまで行ったんだ。
「悪魔と友達になるのは良くない。お前は何をしたんだ? もっと良いやつに出来るのに、それを拒否したみたいなもんじゃないか」って、あのじじいは聖女に言うから、俺は笑っちゃった。
「グランパ、私には彼女が必要なの」って言うから、俺は二人を見た。
「俺らみたいなやつとマジで友達になるやつなんていないんだよ。ただ、何か欲しいから、俺らに近づいてくるだけ。しかも、暴力的に」
俺は、アラダが言ってたことを思い出して笑った。あいつの言う通りだ。こいつは、俺から何か欲しいから、俺と友達になったんだ。でも、何もいらなくなったら、絶対俺のこと嫌いになるんだろうな。
「私は記憶を失わずに街に戻るために、彼女が唯一の鍵なの」って言うから、じじいは俺を見た。俺は二人に対して冷たい視線を向けたままだった。
「私たちは怖がらせたり、問題を起こしに来たんじゃないの。彼女はただ、街を覆ってる呪いを知りたいだけなの」って言ったら、じじいは笑い出した。
「呪いを知りたい? なんで? 彼女は自分の姉が作った呪いを知らないのか?」って、俺はあのじじいの言葉にびっくりした。姉が作った?
「どっちのこと?」って聞いたら、じじいは聖女を見て、まるで目で会話してるみたいだった。
「ここで外で話すのは危険すぎる」って言うから、俺は眉毛を上げた。
「入れてくれる?」って俺が聞いたら
「私に悪意がなければ、中に入るのを怖がったりしないだろう」って言うから、俺はあいつのこと見た。
「バカなの? お前の家の隅っこに避妊薬みたいなのが飾ってあるせいで、俺は入れないんだよ」って言ったら、あいつは笑って、中に入っていった。俺は聖女を見たけど、聖女はただ手を振っただけだった。
「入ってみる? 行こうよ」って言うから、俺はさらに睨みつけた。
「十字架がある場所に入るのが、どれだけ大変か分かんないの?」って言ったら
「なら、試してみれば? 悪いこと考えてないなら、なんで入りたくないの?」って。窓を見た。俺の視線は、あのじじいに向けられたまま。それから、飲み込まれた聖女の方にまた目をやった。古い、あの天使狂いのじじいの家の床に足を踏み入れた瞬間、変な感じが体を包み込んだ。俺みたいなやつに対するあのじじいの嫌悪感と、周りに散らばる守り神たち。
「押して」って、俺は聖女に言ったら、聖女はびっくりしたけど、すぐに従った。聖女が思いっきり押してくれたおかげで、俺はあのじじいの家に入ることができた。体の熱さは感じたけど、無視した。俺が集中したのは、壁に掛かってる古い制服だった。
「座れ」って、じじいは言ったから、俺はそっちに意識を向けて
聖女はもう入ってて、先にソファーに座ってるのが見えたから、俺も行ってソファーに座った。
じじいは、俺が傷つかずに、怪我もせずに、自分の家に入れたことに驚いたみたいに見えた。アホか、傷ついたんだよ、ただ怪我しただけじゃなくて。
「お前の姉が何をしたって言うんだ? どっちのこと?」って聞いたら、じじいは深呼吸をして、まるで祈るように目を閉じたんだ。俺は変な感じが二人を包み込んだのを感じた。このじじい、何したんだ?
「お前みたいなやつのために、加護を祈らなきゃならないんだ」って言って、目を開けたから、俺は笑った。
「ここで無駄な時間を過ごすだけだろ。さっさと質問の答えを教えてから、この使えない家を出るよ」って俺が言ったら、じじいは俺のことを見て、一瞬、俺の行動に驚いたみたいだった。
一体、どんなやつに出会うことになるんだ?
「呪いについて何も知らないってマジで言ってるのか?」って質問に、俺はイライラした。
「俺が知らないふりするために、この醜い家に入るように見えるのかよ?」って怒って言った。
「お前ら悪魔は嘘つきだ」
「お前らバカ人間も嘘つきだろ」って言ったら、じじいはニヤリとした。
「アラダ」俺は、あいつが俺の姉の名前をポロッと言ったから、じっと見つめた。
「街を呪ったのは、悪魔のアラダだ」って言って、俺に対して苦笑いしたんだ。
「この家に入るために、どれだけひどい呪いなんだ?」って俺はイライラしながら言った。
「く、クサァラ、まず、彼の言うことを聞いたほうが良いと思う」って、アビアが俺の名前を呼んで邪魔してきたから、俺はアビアのこと睨んだ。