ウィンソウル町の呪い
家全体がシーンとしてて、聞こえるのは風の音だけ。あたしは目を閉じて、ザ・オールド・マンがまた話し始めるのを待ってた。だって、アビアがあたしを揺さぶって、聞いた方がいいって言ったんだもん。ザ・オールド・マンはもう一回も話してないし、一体どんな人間なんだろう、このおじいさんは。
「あのさー」ってあたしが言いかけたところで、あたしたち3人の上の、死んだみたいに暗いライトを見て言葉を止めた。あたしは眉をひそめて、ただただ冷静な2人の仲間を見た。周りを見回して、あのライトを消したやつを探したけど、誰もいない。
「ここに悪霊なんていないみたいだけど」ってあたしが言って、ザ・オールド・マンを見た。
「だって、あれはやったのが悪霊じゃないんだ。呪い自体がやったことなんだよ」ザ・オールド・マンは落ち着いた声で言って、深呼吸をした。
「呪いを誰かに話した後、1000人以上の人が命を落とした。みんな同じように死んだんだ。みんな言葉を発することなく、目を見開いたまま見つかった」これにはあたしも顔をしかめた。
「あたしの妹が作った呪いのせいで?」ってあたしが聞くと、彼はうなずいた。
「どんな呪いを作ったんだ? 言おうとすると、すごく強い影響が出てるみたいだけど」あたしは聞いた。
「276年以上も前から、街は暗い魔法に覆われていたんだ。その街は、アスラド王のリーダーシップの下にあるエルソ家によって支配されていた。今はね」ザ・オールド・マンがそう言ったから、あたしは止まって考えた。
エルソ、アスラド。シンラドの苗字はエアンサルで、パヴェルの苗字はエルソ、パヴェルの父親の名前はアスラドじゃない? エアンサル家は、昔この街を支配してたんだ。だから、パヴェルが古い大臣を見つけられなかった時のために、ザ・キングはシンラドの名前をメンバーに入れたんだな。
「エアンサル家こそ、ウィンスールって呼ばれてる街、そしてウィンスール王国を本当に支配してたんだ。でも、ウィンスールの15人の王、カーヴェンは、エアンサル家に対して嫉妬心を抱いていた」ザ・オールド・マンが言ったから、アビアとあたしは黙ったまま、ザ・オールド・マンはずっと話してる。
「ウィンスール王国の15人の王ってことになってる人たちは、モルワグ家出身で、エルソ家じゃないんだ。だって、当時の14人の王は、その時のエルソ家を信用できなかったから。でも、ある日、全てがひっくり返って、エルソ家は14人の王にすごく信用されるようになって、モルワグ家はそうじゃなくなった。だから、第15代王カーヴェン・エルソが統治して玉座に座った。それからずーっと。ウィンスール王国でも、ウィンスールの街でも、エルソ家のリーダーシップが続いたんだ」ザ・オールド・マンの話に笑いが起きた。
「でも、なんであの日、あんなに急にひっくり返ったのか、知ってる?」って彼はあたしたちに聞いてきたから、アビアはすぐに首を横に振った。あたしはがっかりしたよ。
「カーヴェン王は、自分の娘を悪魔に売ったからだよ」あたしは彼が言ったことに黙ったまま、アビアはザ・オールド・マンの言葉に驚いた。
「売った? そんなことってありえるの?」アビアが聞いた。
「ああ、彼は悪魔と取引したんだ。お前みたいに」彼はアビアにそう言ったから、アビアはわけも分からずゴクンと唾を飲み込んだ。
「でも、クサァラはあたしから何も奪わないから、あたしたちはまだ同じじゃないよ」と聖女が言ったから、あたしは目を丸くした。
「確信はないけどね」ってあたしが言うと、彼女の目がさらに見開かれた。あたしはザ・オールド・マンの方を向いた。「話を続けて」ってあたしは言った。
彼は話し始めようとしたところで、彼の後ろの水槽が突然割れて、聖女は立ち上がってビビってた。
「落ち着いて。あたしたちには、あたしたちの中で一番強い創造主の加護があるんだから」ザ・オールド・マンがそう言ったから、あたしは吐きそうになった。マジでキモい。
聖女はまた座って落ち着いて、あたしは疲れた。「さっさと行って」ってザ・オールド・マンに言うと、彼はあたしを見て、話し始めようとしたけど、キッチンの皿がまた割れた。
「クソ」ってあたしが言って、手を振ると、少しずつ黒い煙があたしたち3人を覆って、3人だけがお互いの目を見れるようになった。
こんな音がずっと続くなら、ザ・オールド・マンの首をちょんぱしちゃうかもしれない。話が遅いから、あたしは誰もあたしたち3人を邪魔できないように、黒い箱を作ったんだ。
「さあ、続けなさい」ってあたしは強調してザ・オールド・マンに言うと、彼はすぐにうなずいた。
「カーヴェン王は娘を悪魔に売ったから、ウィンスールの王様になれたんだ。ウィンスール全体を支配できるようになったんだ。もしエアンサル家の息子が悪魔と取引してなかったら、カーヴェンの娘は死んでたはずだ」彼は言った。
「エアンサル家の息子が悪魔と取引した? なんで?」アビアが聞いた。
「だって、彼はカーヴェンの娘を愛してたからだよ」そのシンプルな答えに、あたしはイライラして爆発しそうになった。
愛のせいで、その男は両親が悪魔に差し出した女のために、交渉することさえできたんだ。アホくさい。
「それで、どうなったの? カーヴェンの娘は死んだの? エアンサルの血を引く男は? 彼らはどうなったの?」アビアが聞いた。
「どっちも死んだ」彼は苦々しく言ったから、あたしは笑った。
「どうして、街に呪いがかけられたの?」アビアがまた聞いた。
「エアンサルの男が話しかけた悪魔が、カーヴェンの娘に嫉妬たからだよ。その男のカーヴェンの娘への愛は、純粋すぎて、彼は悪魔に助けを求めたんだ。だから、その悪魔は嫉妬したんだよ。彼女は街を呪ったんだ」彼はそう言って、苦笑した。
「彼女は街を呪ったんだ。毎年、新年が来るたびに、街に住む人たちの記憶は失われ、一番愛する人は忘れられる。家族を除いては」タンダがそう言ったから、あたしは止まった。
つまり、エアンサルの男が助けを求めた悪魔はアラダってことだ。だって、あたしの記憶だと、ザ・オールド・マンはアラダが呪いを作った悪魔だって言ってたもん。
これがあたしがミッションを達成した時に、アラダが教えてくれるって言ってた秘密? いや、違う、思い出した。あたしと関係があることだ。彼女の秘密は、あたしと関係があるんだ。だからこそ──
あたしは止まって、ザ・オールド・マンを見上げた。
「なんで、そんなこと知ってるの?」ってあたしが聞くと、聖女もどうして彼がこんなことを知ってるのか、混乱したようにザ・オールド・マンを見た。
「あたしは昔… 宮廷で仕えていたんだ」彼はすごく小さい声で言ったから、あたしは目を細めた。
「どんな役職?」あたしが聞いた。
彼は深呼吸をした。
「大臣だよ」
「彼は街全体を回って、必要なら四つの宮廷で仕えた最古の大臣を探しに行かなきゃならない」
あたしはニヤリとした。まあ、パヴェルが探してたものが見つかったってことだ。彼は王になるんだ。でも、あたしはまだミッションを終えてない。
「カーヴェンの娘と、その男の名前は何だったの?」アビアが突然尋ねると、突然あたしたち3人の間に長い沈黙が流れた。
「思い出した。彼らの名前は、カルマとパヴェルだった」この瞬間、あたしは突然止まって、席で凍り付いた。
あたしはザ・オールド・マンを驚いたように見た。だって、彼はそう言ったんだから。
「な、何だって?」あたしが聞くと、彼はあたしを見た。
「カーヴェンの娘の名前はカルマで、エアンサルの男の名前はパヴェルだよ」彼の答えで、あたしのシステムが弱くなっちまったんだ。