悲しみ
ユニコ!マジで助かったーって、あんた誰? 私くらいの背丈の男が、肩まである黒髪で、細い目、とがった鼻、赤い唇で私を観察してきた。
内心ニヤけた。コイツ、頭いいけど親がアレだし、唯一の罪はジェラシーだな。
「前のユニコは?」また質問かよ。
「あたしはクサァラ。従姉妹がいなくなって、代わりに、この王子様の新しいユニコになったの」って言ったら、もう一人の男が顔を出してきた。細い目、髪の長さもジャストで、あたしらよりちょっとデカい。「お前、女だろ?王様のユニコって男じゃねーの?」って、あたしの方を見て聞いてきた。「お気に入りの王様と女王様の審査はパスしたのか?」って、また質問。頷いたら、ムッとしてきた。
「奇跡だな、女のユニコを採用するなんて」って、コイツはアホだけど、嘘は上手い。そのうちあたしのポジションに座ってても驚かないかも。
「ああ、入れ」って、あたしと同じくらいの背丈の男が言った。後ろの男は急に止まって、あたしの角を見た。
「お前のヘアバンドのセンス、ダッセーな」って言って、あたしの目を見た。
「まだ風呂入ってるから、飯を先に置いて、出てくるの待ってろ」って言って、あたしを行かせた。言われた通り、テーブルに飯を置いて、パヴェルの部屋を見回した。
色、マジでダサいんだけど。明るい色使うの飽きないの?
「おい、なんで座ってんだよ?立って王子様待ってろよ、なんで王子のベッドに座ってんだ?」って、あたしと同じくらいの背丈の男が聞いてきた。
「あいつにとって、こんな広い部屋は初めてだろうな」って誰かが言った。
「違うよ」って言ったら、変な顔された。「あたしの部屋の方が広くて、余裕あるもん」って言ったら、びっくりしてた。「こんなに広くてデカいのに、まだお前ら二人のスペースあるんだぜ」って言って笑ってやった。
当然、あたしの言ってること理解してないみたいだから、笑っといた。
「何言ってんだ?お前みたいな底辺ユニコが、王子の部屋より広いわけねーだろ」って言われたから、笑って、あたりをウロウロした。
「おい、立ってろって」って、あたしと同じくらいの背丈の男がイライラして言ってきた。
「パヴェルは、風呂から出てくるまでどのくらいかかるの?」って聞いてみた。
「何だ、その音は、ベール?」って、部屋の中のドアの方を見た。そこから、あたしのターゲットが出てきた。半分タオルで隠してるけど、水滴が身体と濡れた髪に付いててさ。
ターゲットが目の前にいる。これから、どうやって悪くしてやろうか考えるだけだ。
「そうそう、ユニコ、こいつがベール」って、王子が、あたしらより一回りデカい男を指さして言った。そいつは眉を上げただけだった。
「こいつがシンラド」って、あたしと同じくらいの背丈で、長髪の男を指さして言った。「友達なんだ」って言って、あたしに笑いかけた。あたしも、無理やり笑ってみた。
「綺麗だな、それも見てろよ」って言って、右手を上げた。あたしがつけてたあのポーチと同じやつだった。
あたしのおでこのシワがゆっくり消えてった。ニッコリしてあたしを見たんだ。
「あれは、あたしたちの友情の証だ」って言って、あたしの手を離した。
ポーチを見た。証?
「今日から、お前を他人扱いしない。友達になるんだ」って言って、笑ってあたしの顔を見た。
言われたことに、あたしは固まった。ただ、彼のことを見てた。脳みそが処理できてないんだ。彼はまた、目の前の物を選び始めた。
「今日から、お前をユニコじゃなくて、友達として扱う」友達
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あたしは止まって、パヴェルがあたしにあげたポーチ、友情の証がついてるあたしの手を見た。手元にはない。ベールとアビアが泣いてるあたしの人間体を見た。
ポーチはあるけど、パヴェルが人間体を見張ってるから、どうやったら手に入るんだ?
ベールがまたあたしの人間体を抱きしめてるのを見て、あたしは固まった。一緒に過ごした良い思い出が、頭の中に蘇ってきた。
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「座らせたんだ。一緒に飯食おうって言ったんだ」って、パヴェルが言った。
「はあ!?」ベールとシンラドが驚いてあたしを見た。あたしは肩をすくめて、笑ってる王子を見た。「なんで誘ったんだよ?俺たちは友達なのに?不公平だ!」って、ベールは怒って、あたしを睨んできた。
「だってさ、お前らには自分の部屋と飯があるだろ。ユニコはいつも俺らに付きまとってるだけで、定住する部屋なんてないんだから、まだ飯食ってないだろうと思って誘ったんだ」って、パヴェルはあたしを見て言った。
「食べよう」って、笑いながら言った。
「うん」って、あたしは彼のことを見つめた。あたしがおでこをまたしかめたら、彼は笑って、待ってるみたいだった。
「あいつの皿に飯を盛ってやれ」って、シンラドがイライラして囁いたから、笑ってる王子の方を見た。
「え?」って聞いた。
王子に笑ってみた。なんであたしが、こいつに仕えなきゃいけないんだよ。
あたしは近くの飯を取って食べ始めた。ベールとシンラドは目を見開いて、パヴェルの笑顔は消えた。
「何やってんだ?」って、ベールがイライラしてあたしに聞いてきた。あたしは王子に笑って、食べた飯を見せた。
「美味しいよ、食べてみて」って言って頷いた。ベールとシンラドは、あたしの言葉に顎が外れそうになってた。
「た、食べるって?」って、パヴェルが聞いてきた。あたしの皿に飯を盛るのは自分だけだと思ってたみたいだ。
「手があるでしょ?使わないなら何のためにあるの?」って、あたしが笑って聞いたら、3人ともさらに驚いた顔になった。
あたしに仕えてほしいんだね。あたしが仕える側で、こいつみたいな弱っちい生き物じゃないのに。
「そ、そうだな」って、モゴモゴしながら、近くにあった飯を取った。慣れない様子で、あたしは笑ってしまった。
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急に、ベールとの過去を思い出した。最初の人生で、一緒にいた過去を。
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「カーマ、急いで写真撮ろうぜ!」
「待って、ベールがまだ来てないんだ!」
「お前ら、そんなに俺のこと会いたかったんだな。シンラドのことまだ待ってんだよ」
「先にいこうぜ、カーマ」
「今行くよ!」
「OK、カメラ見て、1、2、3」
「あたしたち見てろよ」
「マジ可愛い」
「カーマ、マジで綺麗だよな」
「ズルいぞ!」
「おせーよ」
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ビールハウスに連れて行ったときの、あたしたちの楽しかった記憶を思い出して、もっと涙が出てきた。
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「おい、飲めよ!」ベールはマジで正しかった。あたしは一人で笑って、足を組んだ。
「おい、ユニコ、なんで飲んでねーんだ?」って、シンラドが聞いてきたから、2人はあたしの方を見た。
「飲んでるよ、もう結構飲んでるもん」って言って、空になったボトルを指さした。
マジで結構飲んでた。あいつらは、半分もいかないうちに、すぐ酔っ払ってた。
「クサァラ、これからどうするか、話そうぜ」って、パヴェルはベールの肩に寄りかかって言った。
「うーん、うん。思い出すのを待ってただけだよ。さっきの楽しい時間は邪魔したくなかったから」って言って笑った。
「もう、なんか色々言ってるけど、どんなルール作るか教えてくれよ」って、シンラドはワインをもう一口飲んで言った。
あたしは腕を組んで、椅子にもたれかかった。
「まず、あたしに触っちゃダメ」って言ったら、3人は顔を見合わせて、同時に笑い始めた。あたしはマジでムカついた。
あたしの言ったことの、何がそんなに面白いんだよ?
「触ってないよ、パヴェルしか触ってないし」って、シンラドが言った。
「じゃあなんで、あたしを触るんだよ?後で、バイ菌とかうつされても困るし」って、ベールは笑った。マジで疲れる。
「とにかく、最初のルールは、それだよ」って言った。
「なんで触られたくないんだ?」って、パヴェルはあたしを止めて聞いた。
なんで?そりゃ、彼に触られるたびに、色んな映像が見えんだもん。
「次のルールは、あたしの言うこと聞け」って言った。パヴェルの質問には答えなかった。
「その辺は、なんとかできないかな、一番町の事知ってるの、お前だし」って、シンラドが言った。
「3人とも、お前らのロイヤルな部分を捨てろ」って言ったら、ベールがこっちを見た。
「なんで?」って聞いた。
「お前らが宮殿の人だってバレたら、なんか問題になるかもしれないし、命が危なくなるかもしれないだろ」って、黙らせるように言った。マジで疲れる。
こんなこと言うべきじゃなかった。彼らの命が危なくなるって、あたしが何を知りたいんだ?それが欲しいんだよ。その点に関しては、間違ってた。
「4つ目は、芸術的なのはやめろ、特にベール」って言ったら、シンラドとパヴェルは笑った。ベールはあたしを睨んで、腕を組んだ。
「芸術的なのは、男をかっこよくしないんだよ。本物の男らしくしろ」って付け加えた。
「お前の言うことは、マジで傷つくわ」って言われたから、マジで疲れるんだよ。
「そして最後に…」何を追加すればいいか、考えられなかったから、止まった。
「最後のやつは?」って、パヴェルが聞いてきた。あたしは彼を見て、地下室で写真に触った時に見たことを思い出した。
「あたしに…惚れちゃダメ」って言った。3人は一瞬黙って、ベールとシンラドが突然笑い出し、パヴェルはただあたしを見てた。「マジかよ?俺らが、お前のこと好きになるわけないだろ、お前みたいなタイプじゃないし」って、シンラドが言った。
「いいわ」って、それから頑張るんだ。「お前らもあたしのタイプじゃないし、若いもん」って言って、またワインを飲んだ。
何言っちゃったんだろ?パヴェルが目を閉じて、ベールに頭を預けてる様子を見た。
「こいつ、気絶してんぞ」って、ベールが言って笑った。あたしはパヴェルから目を離さなかった。数分後、シンラドが寝て、ベールも目を閉じた。
この場所をめちゃくちゃにする計画を忘れてた。パヴェルのことを見るのに夢中だった。
「やあ、ユニコ」って、ベールが優しく言って、あたしを指さした。彼はニッコリして、笑った。「お前の、最後の…最後のルール」って言って、腕をテーブルに乗せて笑った。「俺らは…絶対…お前のこと好きにならないから…マジで」って言って、意識を失った。あたしは3人を見てた。
「いいね」って囁いて、深呼吸した。
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まさか…こんなに…あたしがいなくなったら、こんなことになるなんて、思わなかったんだよね。