二人の悪魔の合意
いつものように、シイルの部屋が見える。シイル、いや、ミラのやつが目の前にいるんだけど、今の気持ちが全然わかんない。あいつの目に映る悲しみがホントなのかもわかんないし、今あいつから感じるのが純粋な憎しみってのも、なんだか信じられない。顔には全然感情がなくて、ちょっと安心した。だって、あたしの知ってるシイルは、いつもキラキラした笑顔だったから。
「な、なんで?」って聞いたら、あいつは手を下ろして、あたしに背を向けた。「なんであたしの過去を覗かせたの?」って聞いても、あいつは返事をしない。背中を向けたままだった。深呼吸するのを見て、それからまたあたしの方を向いた。
「お前にもあたしと一緒に怖くなってほしいから」って、あいつはあたしの目を見て言った。あたしはゆっくり立ち上がって、あいつの前に立った。
「お前を怖がる?」あたしはあいつの目を見て尋ねた。「あたしは、お前が見せてくれたものに、もっと同情しただけだよ」って言ったら、あいつは目をそらした。
「怒りと憎しみに満ちた悪魔は、もっと強くて恐ろしいカルマになるんだよ」って言って、またあたしを見た。「あたしは何年も怒りと憎しみでいっぱいだったんだ。なんでお前の身体の中に悪魔の姿が見えないのか不思議に思わない? それは怒りと憎しみの力なんだよ」ってあいつは言った。あたしはただ、あいつを見てた。
「もしかして、お前は四つ目のサークルを護る役目を交代させられたのか?」って聞いたら、あいつはあたしを見て、自分のベッドに向かってあたしを追い越した。そこに座ってから、またあたしの方を見た。
「アラダが全部計画したんだよ、信じないかもしれないけど。あたしは四つ目のサークルを守りたくなかったし、お前みたいになりたかった」って言ったら、あいつはただあたしを見つめてた。
「あたしのファーザーがザグレウスと婚約させたんだけど、ザグレウスはあたしを妻にしたがってた。でもアラダが説得して、ただシビリングの一人にさせられたんだ。過去で見たんだ」って説明した。
「あたしだって、お前と同じでアラダの被害者だよ」って付け加えた。あいつはあたしから目を離さない。
「もしアラダと戦うのを手伝ってくれたら、お前がサークルに戻れるかもしれないし、パヴェルとあたしの間の呪いも消えるかもしれない」って言ったら、ミラは深く笑い出して、あたしを止めようとした。
「あたしみたいな弱虫の手助けを、お前がするって思ってるのか?」って、あいつはあたしを見て尋ねた。
「うん」って、あたしは大胆に言ったら、あいつの唇から笑いが消えた。
「どうしてあたしがお前を必要とするって知ってるんだ? お前はただの呪われた下等な魂じゃないか」って言ったから、あたしは笑ってニヤリとした。
「アヴィラがどこにいるか知ってるからだよ」って言ったら、あいつは席から立ち上がった。
「アヴィラ?」って尋ねた。あたしはあいつの感情を観察しながら、ニヤリとした。
ミラの過去では、アヴィラだけがあいつのシビリングに同意していた。あたしはまた、ミラがアヴィラをどのように守り、彼女を世界から追放し、呪いをかけたかを見た。あたしはまた、ミラがアヴィラととても親しくて、ミラがアヴィラにだけ親切だったのを見たんだ。
「アヴィラはどこにいるの?」ってあいつは尋ねた。あたしは上から見てた。
「アヴィラがどこにいるのか教えるのは、あたしの身体を取り戻すのを手伝って、アラダを倒してくれたらだよ」って言ったら、あいつはあたしを睨んだけど、無視した。あいつは目を閉じて深呼吸し、それからまたあたしを見た。
「お前を信用してもいいのかしら?」って尋ねてきたから、あたしは微笑んで頷いた。
「取引しよう」って言って、あたしは激しく睨みつけたら、あいつは黙ってあたしを見た。周りも部屋全体も静かになった。あいつが答えなかったから。
しばらくして、あいつのそばからペンを持った燃える紙が出てきた。
「わかった、取引しましょう」って、あいつは真剣な顔で言った。まさかアヴィラだけで同意してくれるとは思ってなかったから、あたしは微笑んで頷いた。
「あたしの合意は、アヴィラがどこにいるのか教えてもらう代わりに、あたしがお前の身体を取り戻すのを手伝い、お前とパヴェルの間の呪いを解き、アラダを倒す手伝いをすること」って言ってて、その言葉が燃える紙に自動的に書かれてた。あたしは頷いて、あいつに近づいた。
「もしあたしを騙したら、お前の命と、お前の愛する人の命が対価になる」って言ったから、あたしは笑った。
「もしあたしを助けてくれなかったら、お前は契約を破って、泡みたいに消えることになる」って言って、あたしはあいつの目を見つめた。あいつは突然悪魔の姿を解き放ち、あたしを見た。あたしは二人の間の合意に署名し始め、それから燃える紙とペンを渡して、あいつに署名させた。
あたしは、あいつが署名するのを見てた。署名が終わると、燃える紙は空中に舞い上がり、光り出した。
「あたしたちの合意は公式になった。じゃあ明日、アヴィラに会いに行こう」って言って、あいつは人間の姿に戻った。あたしは返事として頷いた。
「アヴィラに会ったら、アラダからお前の身体を取り戻すのを手伝うわ」って言った。
「人間界で何年も過ごしてる間、なんでアヴィラを探さなかったの?」って聞いたら、あいつは黙って目をそらした。
「理由を言いたくないならいいよ、あたしはもう行く」って言って、あたしは振り返った。
「だって、あたしは彼女に、マザーの玉座を奪って、彼女をあたしたちの世界に連れ戻すと約束したから」って言って、あたしはあいつを見た。あいつはかがんでて、あたしはあいつの感じている悲しみが感じられた。
「彼女が、あたしと同じように人々の世界に追放されたことを知ってほしくない。あたしに同情してほしくないの」って言って、あたしを見た。
「だから、あたしが自分の世界に戻ったら、ファーザーとマザーを玉座から追い出して、地下世界を支配する。それから彼女を、彼女のいるべき場所に連れ戻す」って言ったから、あたしはそれらについて言及した後に微笑んだ。
あたしは、あいつみたいな悪魔に、こんな優しい一面があるなんて知らなかった。アヴィラのこととなると、あいつは本当に優しかったんだから。