CHAPTER 48
「何か聞きたいことがあるんだけど、一回しか聞かないからな」って、エバンが俺の方に向き直らせてきた。真剣な顔つきで、ちょっと怖くてドキドキしちゃった。
「ブラッドリーと、なんかあったりするのか?」って、いきなり核心をついてきた。エバンの目は、ほとんど闇の中にいるみたいだった。
もしかして、俺らがカフェにいるとこ、見られた?
ブラッドリーと俺の写真が、リークされたりした?
「いや、別に。ただの友達だよ」って言ったけど、後悔した。エバンの態度がガラッと変わったから。俺から少し距離を取った。
「友達?」って、まるで汚い言葉でも言うみたいに言った。「友達?」
うん、って頷いた。
「あいつと友達でいてほしくないんだ。お前とはもうチャンスがあったのに、あいつは台無しにしたんだから!」って、エバンはちょっとキレ気味。
「それは分かってるけど、恩を仇で返すみたいなことはできないよ。ブラッドリーは…」
俺たちの会話は、エバンの携帯の着信音で遮られた。
エバンは電話に出た。
「どうした?…いや、なんで?…今?…どこにいるんだ?」って相手に話してる。
ため息をついて、また俺に近づいてきて、おでこにキスをしてきた。
「行かなきゃ。弟が困ってるんだ。すぐ戻ってくるよ。この話はまた今度。メイドたちが何か食べ物を持ってくるから」
「えっと、誰かに家まで送ってもらえないかな?ゼニアはもう仕事終わってると思うし、一人だと寂しいから」
「本当に?」
うん、って頷いた。エバンは俺の肩に腕を回して、ガレージに向かった。警備員に指示して、自分のベントレーで俺を家に送らせた。エバンは別の車に乗って、行ってしまった。
二日後。
エバンは「7月豪華ガラ」の準備で忙しかった。社員向けのイベントだけど、俳優や女優、歌手とか、他のセレブや、同じような人たちがたくさん来るんだ。金持ちや権力者たちも。
イベントまであと一日で、準備に追われて、俺たちの間に隙間ができたのはラッキーだった。エバンは一日中オフィスにいなくて、俺はたった一通のメッセージを受け取っただけ。
俺はいつも通り、書類を整理したり、電話に出たり、伝言を受けたり、メールに返信したり、エバンのスケジュールを管理したりしてた。みんな、ガラのために休みをもらって、準備するんだって。
次の日の夜。
妹が、働いてるブティックからバーガンディのドレスを持ってきてくれた。
シャワーから出て、体を拭いて、いつものように妹に手伝ってもらって、ガラの準備をした。
「ママに何日も会ってない気がする」って、髪をセットしてもらいながら言った。
「まあ、仕事で忙しいんだから」って妹は答えた。
「ふーん」
全部で30分くらいかかった。ドレスは体のラインを綺麗に見せてくれて、まるで第二の皮膚みたいにフィットした。
妹の携帯が、ベッドの上でピコピコ鳴ってる。妹はそれを見に行って、俺は鏡を見て、一人でニヤニヤした。
「あの、ジェシー」って、妹が俺の気を引いた。「これ、見た?」
「何を見たの?」って、またお腹がキュッてなる感じがして、怖くなった。
「これ」
妹は携帯を俺に渡した。
そこには、エバンのベッドルームで、ジェシカが下着姿で写ってる写真があった。ベッドに座って、自撮りカメラに「チュー顔」をしてた。インスタに投稿してて、キャプションは
#AboutLastNight
#NightWithBae
#TheNextMrs.Hollen
#Forever
は?マジかよ!!
俺に嘘をついて、ジェシカとまだ寝てるんだ!
「これ、いつの写真?」って、悲しみと怒りが入り混じった声で聞いた。
「今日の朝に投稿してたよ。時間見て」
頭の中で、いろんなことがグルグル回ってる感じ。
「で、これは1時間前に投稿されたやつ」って、ゼニアがまた携帯を渡してきて、ジェシカはエレガントな白いドレスを着てた。
#ToBae'sGala
#ANightForUs
「だって、招待しないって言ってたじゃん!!」って叫んで、地団駄を踏んだ。携帯を妹に投げ返して、ドアから飛び出した。
エバンの運転手が迎えに来るのを待つ気にはなれなかった。腕時計を見た。
午後7時3分。
ガラは午後8時スタート。
午後7時10分のバスに乗って、ガラに向かった。
大きな講堂に着いた。金のカーペットが敷かれてて、入り口にはパパラッチやゴシップ記者がたくさんいた。すごい人混みの中から、俺の名前が呼ばれて、カメラのフラッシュが眩しくて、入り口に近づくまで何も見えなかった。2人の警備員に案内されて、建物の中に入った。
部屋の中を歩いた。
天井には大きなシャンデリアが輝いてて、白と金のクロスでデザインされたテーブルと椅子を見て、ここにいるのが似合わないような気がした。
人だらけで、ビヨンセと旦那がいたのは確か。
エバンを探して、周りを見渡した。ウェイトレスがシャンパンのフルートを渡してくれたから、愛想笑いをして、急いで飲んで、ナーバスな気持ちと怒りを鎮めた。
そしたら、見つけた。遠い隅っこで、ジェシカがエバンの肩に寄り添ってた。
え、まじかよ!俺にこんなことするなんて!
「やあ、可愛いね」って声がして、びっくりして振り返ったら、ブラッドリーがニヤニヤしてた。俺の体を見て、唇を舐めてる。
「ブラッドリー、やあ」って、冷たく返事した。