本音を語る
ベッドで天井を何時間も眺めてたんだよね。3、4時間くらいは寝れたんだけど、それが限界だった。カイルとあたしが昔のパックに引っ越してきてから、あたしってなかなか寝付けないっていう問題があったんだ。どれだけ頑張っても。カイルはいつも、それはあたしの過去のせいだって言うんだよね。起きたことをちゃんと受け入れてないからだって。受け入れれば乗り越えられるって思ってるみたいだけど、まだそこまで準備できてないんだよね。
窓の方に目をやると、太陽が昇り始めてるのが見える。もう一回寝ようとしても無駄みたいだな。起き上がって、1日の準備を始めることにするよ。早起きは三文の徳って言うしね。この部屋で一番すごいのは、バスルームが繋がってるところだったんだよね。他の人に会わなくていいから、すぐに準備を始められる。あたしは自分のものを集めてシャワーに入った。時間潰しになるかなって。
準備ができたから、寝室から出てみたんだけど、部屋から出られなかったんだよね。まあ、出ようと思えば出れるんだけど、一人で出たくなかったんだ。迷子になったり、怪我したりするかもしれないし! グレイソンがあたしを迎えに来てくれるのを待つしかないんだけど、それがいつになるのかわかんなかったんだ。部屋の中をウロウロして、ドアが開くのを待ってたけど、開かない! ゆっくり窓の方へ行って、外を見てみた。今日は暑くなりそうだな。窓際の席に座って、空を眺めてたんだ。頭の中では、何年も会ってない家族のこととか考えてて。みんな何してるんだろうとか、まだ生きてるのかなとか。ほとんどのやつらは裏社会っぽいことやってたから、どこにいるかなんてわかんないよね。あたしがクイーンになるってニュースが出たら、みんなまた連絡取ろうとするだろうな。そういうこと、今までもやってたし。
昔、あたしの家族はパックに入ってたんだよね。でも、最終的にジ・アルファと大喧嘩になって、結局、親戚一同、おばさんとかおじさんとかいとことか、みんなパックから追い出されちゃったんだ。それで、家族みんなでパックを転々としてたんだよね。数週間くらいはいるんだけど、誰かをイライラさせちゃって、また追い出される、みたいな。両親は喧嘩するのが最悪だった。誰かがグレイの母をヘンな目で見ただけで、もう大変! あたしはよく、両親があたしとカイルを捨てた日のこととか考えたりするんだよね。あの時はまだ小さくてよくわかんなかったんだけど、今はもう大人だし、それでもまだわかんない。
ドアが開く音に飛び上がって、ドアの方を見たんだ。グレイソンが笑顔で入ってきた。ホッとして、彼の方を向いた。
「おはよう、愛しい人。ゆっくり休めた?」 彼はあたしに近づいてきてそう聞いてきたから、あたしは頷いて微笑んだけど、本当は全然寝れなかったって言いたかったんだよね。
「それならそうすればいい、メイト」って、あたしのオオカミが言ってきたから、グレイソンに聞こえないように無視した。
「じゃあ、朝ごはんを食べに行こう。今日は忙しい日になりそうだよ」 彼はそう言って微笑んで、腕を差し出したから、あたしは彼の腕を掴んで、部屋から出たんだ。
また、廊下とドアの迷路を通っていくんだよね。みんな、どやって道覚えてるんだろ? 廊下なんて全部同じに見えるのに! すぐに、巨大な食堂に着いた。テーブルなんて、今まで見たことないくらい大きい! 多分、パック全員が入れるんじゃない? グレイソンはここで何度も食事会してるんだろうけど、どうやってみんなと話すんだろ? 疑問がいっぱい!
「食堂、気に入った?」 グレイソンがそう言って微笑んで、またあたしの思考を邪魔してきた。あたしって、話さないから、いつも考え事ばっかりしてるんだよね。みんなあたしのこと、それが問題だって言うんだよね。
あたしは頷いて微笑んだら、彼は席まで案内してくれて、あたしのために椅子を引いてくれた。あたしは彼にお礼を言って、すごく座り心地の良い席に座ったんだ! 彼は向かいの席に座って、ドアが開いて、4人くらいの人が入ってきた。彼らはすぐに、あたしたちの前に料理と飲み物を並べ始めた。料理を見てみると、信じられないくらい豪華! また別の女の子が入ってきて、あたしにナプキンを渡してくれたんだけど、すごく緊張してるように見えたから、あたしは微笑んであげたら、彼女も頭を下げて微笑んでくれた。
「お口に合うといいのですが、女王陛下。何かございましたら、すぐにお呼びください」 一人の男性が微笑んで言うから、グレイソンがお礼を言うと、彼らはすぐに部屋を出て行った。
あたしは目の前の料理をじっと見つめてた。何がなんだか全然わかんないんだもん。朝ごはんはいつも、戸棚にあるシリアルだったから、これは何時間も前から準備されてたみたいだし。どうやって、あたしたちが朝ごはんを食べる時間を知ってるんだろう? どうやって、あたしたちが今日どんな気分なのか知ってるんだろう? 丸々一箱食べられる日もあれば、バナナだけがいい日もあるし! 前日に、何が食べたいか伝えたりするの? でも、次の日何が食べたいかなんてわからないじゃん? 疑問がいっぱい!
「何か悩んでるみたいだね、愛しい人」 グレイソンがちょっと笑ってあたしを見た。ああ、また考え事しちゃったんだ、やめないと。
「何が何だかわからなくて」 あたしはそう言って微笑んで、目の前の料理を見た。「ヨーグルト? それともカスタード? でも、カスタードだったら、こんな色じゃないよね? 待って、色付きのカスタードってあるの? すごいビジネスになりそう! レインボーカスタードとか想像してみてよ! でも、色が違ったら、味も違うのかな? 疑問がいっぱい」 あたしはそう言って、目の前の微笑んでいるグレイソンを見た。「あ、また声に出して言っちゃった。頭の中で思ったことなのに」 恥ずかしくてテーブルを見つめた。きっと、変なやつだと思われてる。
「そうやってボーッとしてる時に考えてることを、もっと聞かせてよ。大好きだよ、そういう考え方」 彼はそう言って微笑んだから、あたしは顔を上げた。変なやつだと思われてないんだ。
「ほんとに? 結構変なこと考えてるんだけど」 あたしが言うと、彼は頷いて微笑んだ。「わかった。でも、大変なことになっちゃうかも」 あたしが笑うと、彼も笑った。「何が何だかわかんないけど、食べてみる」 あたしはそう言って、スプーンを持ち上げた。口に入れた瞬間、「うわ!」って声が出ちゃった。
「気に入ったみたいだね」 彼はそう言って微笑んで、あたしを見た。あたしはただ頷いて、目の前の素晴らしいものを見つめてた。「料理人たちに伝えてあげるよ、すごく喜ぶだろうね」 彼はそう言ったから、あたしは横を見た。伝えられたらいいんだけど、そうしたら彼らと話さなきゃいけないし、まだグレイソンと話すのに慣れてきたところなんだもん。
「君の考えを聞かせてくれるって言ったのに」 彼はそう言って微笑んで、あたしの思考を邪魔してきた。あたしは微笑んで、テーブルを見た。
「あのね、お礼を言わなきゃいけないし、言いたいんだけど、新しい人と話すのが難しくて。あなたと話すのに、こんなに時間がかかったし。あたしって、ほんとにバカ」 あたしはそう言ってため息をついて、首を振って、まだテーブルを見つめてた。彼が何か言おうとしたけど、あたしは先に言った。「あたしはクイーンになるはずなのに、料理人に話しかけることすらできない。もしかしたら、あなたにあたしを拒否されるかもしれないし」 そう言い始めたところで、彼は遮った。
「絶対に君を拒否しない。君は僕のものだ、クララ。僕と君はずっと一緒にいるんだ。君はバカなんかじゃない。すごく素晴らしいクイーンになるよ」 彼はそう言って、テーブルの向こうからあたしの手を握ってくれた。電気が走ったみたいで、あたしは思わず笑った。「すぐに誰とでも話せるようになると思うよ。でも、それまでは僕が君の言葉になるよ」 彼はそう言って微笑んで、あたしの手に親指を擦りつけたから、あたしはまた顔を伏せたけど、彼はあたしの顎を掴んで、あたしを見上げたんだ。
「手紙を書くこともできるかも! あと、彼らがどれだけすごいかとかも書けるし、あの緊張してる女の子に、怖がらなくていいんだよって言えるし、だってあたしを見てよ」 あたしは、彼に言われたように、頭の中で考えながらそう言った。「紙とペンさえあれば。あたしのことだから、いっぱい書くことになるから、紙もたくさん必要だよね、またやっちゃった」 あたしがそう言うと、彼は首を振って、続けるように言ったんだ。