安定
あたしは、この間に合わせのテントみたいなところに座ってた。お医者さんが、めまいがするかとか、頭痛がするかとか、1年の月を逆から言えるかとか、色々質問して、手当てしてくれたんだよね。エリックのことなんて、瓦礫の中から引っ張り出されてから、見てないし。あたしのドクターは何が起きてるのか知らないみたいだけど、何かあったらすぐに教えてくれるって約束してくれた。
手当が終わると、テントから出されて、サーカスみたいなところに出たんだよね。うけるでしょ?そこには、あたしのガードとか、警察、消防士、それにニュースレポーターがいっぱいいた。もう暗くなりかけてたけど、ライトは全部横倒しになった車に当たってて、レッカー車が丘を引っ張り上げてる。
人が、みんなこのエリアから出てくれって叫んでるのが聞こえて、すぐにガードたちが、ニュースの人とか、その他見物人をこのエリアから押しのけ始めた。ガードたちは、小さな丘の上にガードの列を作って、誰も丘から来れないように、またはあたしを見下ろせないようにしてたんだけど、本当にありがたかった。人に話すのは前よりマシになったけど、こんな状況の後じゃ、放っておいてほしいって感じ。
「女王様、エリックから連絡があって、彼は病院に運ばれて、容体は安定しています」彼女は微笑んで、すごく助かる情報を教えてくれた。あたしは彼女にありがとうって言って、彼女は頭を下げて去った。
エリックは、あそこではすごく強かったんだよね。あんなに痛かったのに、自分よりも先に、あたしを助け出すことに必死だった。また会ったら、お礼を言わないと。病院の部屋に花を送ってもいいかもしれないし。長引かなきゃいいな。家に送らないと!まず、彼がどこに住んでるのか調べなきゃ。それほど難しくないはず。聞けばいいだけだし…待って、エリックっていつも誰かの居場所を突き止める人だったじゃん。予想より大変になりそうだけど、正しい心構えを持てば、何でもできるんだよね!
「愛しい人、クララ」グレイの声で、あたしの思考は中断された。顔を上げて、心配そうな顔でこっちを見てる。
「今のタイミングで、考え事をするのは良くなかったかな?」あたしが微笑むと、彼はすぐに腕をきつく回して抱きしめてきた。「大丈夫。これくらいのことじゃ、あたしはへこたれないから」って言って、彼を強く抱きしめた。彼の感触をまた感じることができて、本当に良かった。
彼は離れて、あたしの顔を両手で包み、怪我がないか探し始めた。あたしはそこに立って、彼に調べさせてあげて、ただ微笑んでた。
「人生でこんなに心配したことはなかったよ。関係者と会議をしてたんだけど、あのメッセージが届いて、部屋からこんなに早く飛び出したのは初めてだと思う」って言って、彼の目はあたしの服に移った。「血だ。どこかから出血してる?」って、また慌てて怪我を探してる。あたしは自分を見て、白いトップスに赤が広がってるのにも気づいた。
「あたしの血じゃないよ。エリックの」って言うと、彼はすぐに服からあたしの顔を見るようになった。「彼の足が車に挟まってたから、あたしが包帯を巻いてあげたんだ。彼は今、安定した状態で病院に運ばれてる」って、笑顔で説明した。彼が無事で本当に良かった。「あなたが来たとき、まさにそれを考えてたの。どこに花を送ろうか?病院に送るのは変かな?あー、あなた病気で病院に行ったんですね、お見舞いの花です、みたいな。でも、病院に送らないで、彼が家に帰るまで待ってたら、あたしが気にかけてなかったって思われるかもしれないし。彼が退院することを知ってから、花を送っただけだって思われるかもしれない。実際は全然そんなことなくて、すごく心配してるのに、またやってる」って言って、グレイを見上げたら、彼はただ微笑んで、あたしの頭に優しいキスをしてくれた。
「君が君のままで、嬉しいよ」って、彼は微笑んで、あたしの肩に腕を回した。「さあ、家に帰ろう」って言って、あたしをテントから道路の端に向かって歩き始めた。
「ガードに事故だったのかって聞いたら、そうじゃないって言われたんだけど、どういう意味か教えてくれなかったんだよね」って言って彼を見上げると、彼はあたしと一緒に歩きながら、ため息をついて自分の足元を見てた。「君がここに来たら、説明するって言ってた」
「ガードの言う通り、これは事故じゃないんだ」って、道路の近くに止まると、彼はため息をついて、巨大なガードの列の後ろに立ってる。これってちょっと怖いから、誰かがあたしを傷つけたいんじゃないかって、色んなシナリオが頭に浮かんでくる。「家に着いたら全部説明するよ。君なら、僕のオオカミについていけると思うけど、さっきの出来事があったから、僕のオオカミに乗ってほしいんだ」って微笑んで、あたしを見た。
あたしはうなずいて彼に同意した。事故のことで、かなり動揺してたから。彼はもう一度微笑んで、少し動いて、オオカミに変身し始めた。数秒後には、巨大な黒いオオカミが彼の場所に立っていて、あたしは気づいたんだ、これが初めて彼がオオカミの姿を見る瞬間だってことを。
「可愛いオオカミね」って、彼に近づきながら微笑むと、そのオオカミはあたしを見てきたから、あたしは笑った。
「可愛くない。僕は猛々しく、強力な殺戮マシーンだ」グレイの声が頭の中に聞こえた。オオカミの姿のときは、マインドリンクができるんだ。完全に番になると、いつでもマインドリンクできるようになる。
「いや、そうは見えないよ。ただ可愛くて、優しいオオカミにしか見えない」って、冗談めかして笑うと、彼は遊び半分で唸り声をあげて、うつ伏せになった。
あたしは笑って、彼の背中に乗り込み、しっかりつかまった。彼はゆっくりと立ち上がり、しっかりつかまってろって言うから、あたしはそうした。すぐに、あたしたちは現場から猛スピードで走り出した。うわー、彼についていくのは無理だわ!