第26章 大きな奥様
「上官 玥(じょうかん ゆえ)の目、マジ見下してるし。」って、上官 夫人(じょうかん ふじん)、本気で欲しいの?欲しくないの?どっちなのよ。ハッキリ言ってよ。無理なら、薬だけくれればいいじゃん。ここで恥晒さないで。」
済生堂薬局は、北京のめっちゃ賑やかなエリアにあるんだよね。薬を巡って、何人かのお客さんがケンカしてて、それを面白がって見物人がどんどん増えていくっていう。あっという間に、薬局���三階建てみたいな感じで、人でギューギュー詰めになってる。
上官 玥(じょうかん ゆえ)がそんなこと言ったら、店にいた人たちが「ふーん、上官 大臣(じょうかん だいじん)は国民を子供のように愛してるって言うけど、奥さんは薬買うのに金払いたくないんだ。こいつら詐欺師じゃね?」って、からかい始めた。
沈 詩(しん し)は、出かける時も慌ててたみたいで、侍女も連れてきてなかったんだよね。それが今や詐欺師扱い。顔がもう豚の肝みたいに真っ赤になってる。
身分とか気にせず、手をブンブン振りながら、嗄れた声で叫んでるよ。「私は本物の大臣夫人よ!詐欺師だって言うやつは、全員破産させてやる!首を地面に擦り付けてやるわ!」
「嘘つけ、大臣夫人だって?俺が皇帝だわ…あはは…」
「あの女、皇太子妃だって言ってるけど、情報遅くない?皇太子が皇帝に廃されたの知らないの?あははは…店主、何やってんだ?さっさと役人に報告して、この女詐欺師たちを捕まえろ!」
「そうだそうだ!詐欺するならもっと他にいい場所あるだろ。なんで済生堂なんか狙うんだよ…」
…
野次馬たちはどんどんひどいこと言い始めるし、沈 詩(しん し)の母娘の顔は青ざめたり白くなったり赤くなったり…もうめちゃくちゃ。でも、何言っても野次馬たちは聞く耳持たず、ただの詐欺師だって言って、店主に警察呼べって促してる。
沈 詩(しん し)は、上官 玥(じょうかん ゆえ)に助けを求めた。「玥(ゆえ)、私たち詐欺師じゃないって言ってよ。本当に湘府の奥様と娘なんだから。」
上官 玥(じょうかん ゆえ)は鼻で笑った。「もしお母様がお金に目がくらんでるなら、後悔しても遅くないけどね。」
「後悔?なんで後悔しなきゃいけないの?」沈 詩(しん し)は一歩下がって、キレ気味に言った。「上官 玥(じょうかん ゆえ)、ただの10万両の銀貨でしょ?ちょっと待ってて、湘府に銀札取りに行ってくるわ。」
そして、二人の娘に言った。「あんたたちはここにいなさい。薬は一つも上官 玥(じょうかん ゆえ)の手に渡さないで。私は行ってくる。」
12万5千両の銀貨。10%の手数料は1万2千5百両。店主の年収なんて200両ちょっとしかないのに、これは業界でも高給取りなんだよね。口にしただけで1万両以上もらえるなんて、思ってもみなかった。
もしかして、ご先祖様のお墓から煙が出てるのか?店主は内心で念仏を唱えながら、沈 詩(しん し)が気が変わって戻ってこないように、急いで言った。
「奥様は身分が高い方なので、こんな些細なことはご自分でなさる必要はありません。私としては、奥様が書付を一枚書くだけで、私がきちんとした者を屋敷に派遣して取りに行かせます。」
そうすれば、本物の大臣夫人だって証明できるし、身元を疑ってるやつらを思いっきり叩きのめせる。最高じゃん?
沈 詩(しん し)は頷いた。「筆と墨を用意して。」
男が筆と墨を持ってきたら、沈 詩(しん し)はビシャビシャっと墨をつけ、数文字書いて筆を投げ捨てた。そして、胸を張って言った。「この書を持って、湘府の会計室にお金を取りに行きなさい。」
すると、風向きが変わって、周りの人々から一斉に歓声が上がった。
「うわー、やっぱり湘府の奥様だったんだ。そうでなければ、湘府の会計室からそんな大金を引き出せるわけないもんね!」
「あーあ、お金ってマジで自由だな。あんな太っ腹なことできるのは、大臣夫人だけだよな。」
…
それを聞いて、沈 詩(しん し)のプライドは満たされたみたい。店主がまだその紙をじっと見てるのを見て、思わず声を荒げた。「何ボーッとしてるの?早く誰かお金を取りに行かせなさい!」
こんな大事なこと、誰かに任せられるわけないだろ!店主は慎重に書付を折り畳んで懐にしまい込んだ。「奥様、ご心配なく。私が責任を持ってやります。」