第180章 ロミの失踪
ス・ユエはインスティンクト大学に帰って、寮に戻って、まず自分の体の傷をどうにかしてから、ルオ・ジュンを見つけて、ルオ・ミのことについて説明しようと考えたんだよね。
彼女には、あのデボーラーとの戦いでできたアザがいっぱい残ってた。
魔力を喰うアイツは、体力お化けなんだよ。ス・ユエは、あの赤い根っこのスマホみたいなもんだから、当然、魔力喰いのアイツには体力で敵わないわけで、逃げてる最中にアザだらけになっちゃったんだ。
まあ、軽い傷だけど、普通に痛いし。
まさか、インスティンクトアカデミーにデビルが現れるなんて思わなかったし、ちょっと手強いんだよね。ス・ユエは魔力喰いの攻撃を受けてる最中に、魔力を使わなかったんだから。
ス・ユエは最後に残った傷を処理して、薬のビンを閉めた後、ルオ・ジュンを探しに行こうとしたら、突然、寮のドアがノックされたんだ。
ノックしたのは、チン・ハイランだった。
「シャオユエユエ、シャオユエユエ、大変なことになったのよ、知ってる?」
ス・ユエはドアを開けて、チン・ハイランを中に入れた。チン・ハイランは入ってくるなり、ス・ユエの手を引っ張って、今日インスティンクト大学で噂になってることを早口で話し始めたんだ。
「ルオ・ミが行方不明になったの」
彼女が最初に口にした言葉で、ス・ユエは固まってしまった。
え?
ルオ・ミがいなくなったってニュース、そんなに早く広まったの?
誰も知らないと思ってて、ルオ・ジュンに話すのを待たないといけないと思ってたのに。メロディ家がルオ・ミがいなくなったことを最初に知る人たちだったのに。
マジかよ、そんなに早く広まっちゃったんだ?
なんか、ス・ユエ、嫌な予感がしたんだよね。
今の状況は、自分にとってすごく不利だって感じてる。
チン・ハイランの次の言葉が、ス・ユエの予想を確信させた。
「シャオユエユエ、知ってる?みんなが、あんたがルオ・ミを見たって言ってるの。ルオ・ミがあんたと喧嘩してるのも見たって。しかも、みんなあんたがルオ・ミを消したとか、ルオ・ミを傷つけたって言ってるのよ」
チン・ハイランはどんどん興奮して言った。
「それに、わけのわからない分析までされてて、あんたの魔力はルオ・ミより強いとか、ルオ・ミはリウ・ミンエを気に入ってて妹にしたいけど、ルオ・ジュンはあんたのこと好きだから、みんなあんたがルオ・ミを傷つけて、ルオ・ミを消したんじゃないかって疑ってるのよ」
これじゃあ、濡れ衣を着せようと思えば、いくらでも着せられるじゃん。
それに、ルオ・ミを連れ去ったのはデボーラーだって、しかもめちゃくちゃ強いデボーラーだってことは、明らかだし。
いつの間に、自分がルオ・ミを殺した犯人みたいなことになってるんだ?
「ルオ・ジュンは?」
ス・ユエは反射的にルオ・ジュンのことについて尋ねた。
「ルオ・ジュンは、この噂を信じてるの?」
ス・ユエ的には、ルオ・ジュンが信じてなきゃ、別にどうでもいいし、何があっても気にしないんだ。
「それが…」
チン・ハイランは困った顔をした。
それが、彼女のチン・ハイランを悩ませてることなんだよね。
ルオ・ジュンは、ス・ユエのことをそんなに信じてないみたいだった。
「彼も、その噂を信じてるみたいで、今、メロディ家はルオ・がいなくなったホテルで、ルオ・ミを探してるみたい」
そう話すチン・ハイランの顔は、困惑と葛藤でいっぱいだった。想像できると思うけど、ス・ユエにこんなことを話すにあたって、チン・ハイランは心の中で色々と覚悟してたんだよね。
「ルオ・ジュンに会いに行く」
ス・ユエは、もう我慢できなかった。
あのホテルで魔力喰いのヤツに会ったことについて、ルオ・ジュンにきちんと説明しないといけない。
マジでやってないんだ。
ただただ、わけもわからず濡れ衣を着せられただけなんだ。
「えー、ルオ・ジュンが信じてくれると思う?ス・ユエ、まず自分の無実を証明する証拠を見つけた方がいいんじゃない?」
やっぱり、女は恋愛モードに入ると、どんなに頭良くても、事が起きたらIQが桁違いに下がるんだよね。
IQ100以上でも、恋愛したら一桁になるかもしれないし、マイナスになるかもしれないけど。
「でも、問題は、あたし、あのホテルに行ったんだよね。あのホテルで魔力喰いに会って、魔力喰いに怪我させられたし」
ものすごい悲しみがス・ユエを包んだ。
チン・ハイランは色々と言い訳してたけど、それでもス・ユエがルオ・ジュンに会うのを止めることはできなかった。
前とは違って、ルオ・ミの件があったからかもしれないけど、ス・ユエはルオ・ジュンが自分に対してすごく冷たいって感じたんだよね。
「ルオ・ジュン、あたしのこと信じてないの?」
ス・ユエは、ルオ・ジュンが自分に対する態度が変わったのを感じて、少し胸が痛かった。
ルオ・ジュンが自分を信じてくれることを、せめてルオ・ジュンだけでも信じてくれることを、すごく期待してるのに。
でも、ルオ・ジュンは信じてくれないみたいだった。
ルオ・ジュンの目は泳いでて、すごく困ってるみたいだった。
「ごめん、ス・ユエ、どうしても、証拠が見つかってしまったんだ」
ス・ユエは彼を疑わしげに見つめた。「どんな証拠?」
一体どんな証拠があれば、あんなに自分を愛してくれてた人が、自分を信じられなくなるんだろう?
ス・ユエはすごく不思議だった。
「俺たちの人が、ホテルであんたの足跡を見つけたんだ。戦闘の跡も、あんたの指紋も。ス・ユエ、今の俺には、あんたが無実だって信じることができない」
これで、ス・ユエは死刑宣告を受けたようなもんだ。
ス・ユエは、自分の気持ちがすごく複雑だって感じてる。
「じゃあ、あたしの説明も聞きたくないってこと?あたしは不当だって思わない?」
ルオ・ジュンは何も言わなかった。ス・ユエは寂しそうにため息をついて、どうしようもないって顔で苦笑した。
「あたしは確かにあのホテルに行ったけど、目的はルオ・ミを傷つけるためじゃなくて、ルオ・ミを探すためだったの。ルオ・ミは誘拐されたんであって、ルオ・ミを誘拐したのはデボーラーなのよ」
明らかに自分が犯人じゃないのに、明らかに自分がやってないのに、わけも分からず疑いをかけられて、ス・ユエはすごく悲しいって感じてる。
ルオ・ジュンは何も言わなかったし、ス・ユエは彼が自分を信じてるのか、信じてないのか分からなかった。
ルオ・ジュンが信じてくれなくても、ス・ユエはどうしようもできない。
結局、自分ははめられたんだし、こんな状況じゃ、誰だって自分を疑うかもしれない。
「あたしの説明は以上。信じてくれなくても、別に構わないわ。もし本当に信じたくないなら、本当にごめんね、ルオ・ジュン。あたし、あなたに説明することなんてできないわ」
ス・ユエは悲しそうに彼を見て、メロディ家を去るために踵を返した。
あたしは殺人犯じゃないんだから!
ルオ・ミの顔さえ見たことないのに、どこでルオ・ミを傷つけるって言うんだ?
でも、この説明は、誰も信じてくれないんだよね。
バカみたいで悲しい。
ルオ・ジュンはス・ユエの背中を見つめて、同じように複雑な気持ちだった。
ス・ユエじゃないってことは分かってる。ス・ユエのことをすごくよく知ってるから。ス・ユエがそんなことするわけない。
ルオ・ミと彼女が別荘にいた時、二人の関係はうまくいってたのに…
でも、全体的な状況から判断しないといけないんだ。結局、全ての証拠は今、ス・ユエを指してる。彼はどうしようもないんだ。今は、現実に妥協するしかない。
ス・ユエの背中を見て、ルオ・ジュンは心の中で静かに言った。「ス・ユエ、安心してくれ。俺は必ず、この事件の真相を突き止めるからな」
だけど、ヘビを穴から誘い出すにはエサが必要なんだ。
ルオ・ジュンは、今回はス・ユエを信じられないだけでなく、妹も簡単に捜索できないんだ。
ルオ・ミを誘拐したのが本当にデボーラーなら、彼が人を送って捜索しても意味がない。
デビルがルオ・ミを喰うとき、何か要求するに違いない。それなら、それに合わせて動けばいいんじゃないか。