チャプター12
俺は立ったままで、マーカスがオースティンを通り過ぎてリビングに歩いていくのを見てた。俺の方をまっすぐ見てニヤって笑うから、マジでビビってるのを隠すのに必死だった。
「何かできることある?」オースティンがマーカスをゆっくりと追い越しながら俺のそばに止まって尋ねた。
「昨日の夜のこと、聞いたよ。お前ら二人とも仕事に来てないから、様子見に来たんだ」って言って笑いながらポケットに手を入れた。俺は一瞬だけオースティンを見た。
そりゃそうだよな、オースティンが仕事に来てないことなんて、アイツの上司なんだから知ってるに決まってる!でも、俺が仕事に来てないことまで知ってるってことは、俺の職場に電話して確認したか、もしくは俺がそこにいるか見に行ったってことだ。ブルックはきっと面白がってるだろうけど。一体何で俺の居場所を確認しに来たんだ?!
「ペイトンと俺は大丈夫だよ。今日は休んだ方がいいかなって」オースティンが俺の肩に腕を回しながら笑った。たぶん俺が何を考えてるか分かってるんだ。
「見た感じだと、大変だったみたいだな。ペイトン、きっと怖かっただろ?」って、楽しんでるような顔で俺を見てくる。こんな状況で、俺が怖がってるところが見たいのか?
「そんな状況で怖くない人なんていないでしょ?オースティンは落ち着いて、俺を安全な場所に連れてってくれたんだよ」って、ムカつく男に言ってやった。俺に泣き崩れてほしいのか、何か?
「オースティンがお前を守ってくれると思ってたよ。あいつは俺の最高の部下の一人だからな」ってマーカスが言って、俺たちのアパートを見回した。俺はオースティンの方を見て、視線を送った。
彼は少し笑って、俺を強く抱きしめてくれた。心配するなって意味だって分かった。でも、巨大なギャングがリビングに立ってる状況じゃ、それは難しいよな。
「ペイトン、お前は頭がいいみたいだけど、昨日の夜、何があったか何か分かる?」って、マントルピースに飾ってある俺とみんなの写真を手にとって聞いてきた。何でいつも俺の物に触りたがるんだ?
俺はオースティンを見て、彼は眉を上げた。何が起きたか大体分かってるけど、何も言えないって分かってた。
「全然分からないんだ。夕食を食べ終わった直後に、あの大きな銃声が聞こえたんだ。何が起きてるのか、そこに立って判断する時間なんてなかった。オースティンと一緒に安全な場所に逃げて、音が止むまで待ってたんだよ」って説明した。全部嘘ってわけじゃない。「その後、何が起きたのか見に行こうとしたけど、オースティンに『見たくないだろう』って言われて、家に戻ったんだ」って、あの二人の男が倒れてるところを思い出しながら説明した。誰もあんな最後の瞬間を経験するべきじゃない。
「ペイトンはかなり動揺してたよ」ってオースティンが言った。これも嘘じゃないけど、わざわざ言わなくてもいいのに!
「可哀想なペイトン」って、彼はため息をついて笑った。この男、マジで俺にそんな風に話しかけてくるのか?「二人だけでゆっくりしてろよ。ペイトン、オースティンの腕の中なら安全だ。今日の夕食のこと、忘れんなよ」って言って玄関に向かった。俺は、この男が何を言ってるのか分からなくて、足が止まった。
「分かってるよ。ペイトンと俺は7時にそっちに行くから」ってオースティンが俺の横で笑ったけど、俺をちゃんと見ようとはしてなかった。
俺は、こんな夕食の話なんて聞いてないんだけど。誰も俺に相談してくれないのか?オースティンは、あの男と同じ部屋にいたいと思ってると思ってるのか?あんな夜、屋敷で何があった後なのに!
マーカスはドアノブに手をかけてドアを開けようとしたけど、出て行く前に俺を見てニヤリとした。
「ペイトン、お前の天然パーマ、好きだよ。夕食の時もそのままでいろよ」って笑って、振り返って家を出た。俺はドアが閉まるやいなや、オースティンから離れた。
「アイツがいた」って、小さく呟いた。マーカスが昨日の夜の出来事になんらかの形で関わってるってことは、疑いようがない。
「アイツがどこに?」ってオースティンが後ろから尋ねてきた。俺が全部繋ぎ合わせないように、知らないふりをしようとしてるんだって分かってたけど、もうちょっと遅すぎた。
「昨日の夜、俺たちを見てたに違いない!家を出る時に、たとえ5分間だけ店に何か買いに行く時だって、天然パーマのまま出かけることなんてないんだから!」って叫びながら、彼の方を見た。「昨日の夜、何が起きたか見に行った時に、夕食前にシャワーを浴びて、髪をそのままにしてた。アイツがああいう髪型を見たのは、それが唯一の機会だったはず!」ってリビングを歩き回りながら叫んだ。これは、アイツがあの出来事を計画してて、俺の反応を見ようとしてたってことの証明だ。
つまり、アイツが今来た唯一の理由は、俺の反応を見られなかったからってことだ。だって、オースティンがアイツに見られる前に、俺を家の中に引っ張り込んだんだから。あの男は頭がおかしい。何でオースティンはアイツと仕事し始めたんだ?!オースティンの方を見て、彼は床をじっと見つめて座ってた。自分が悪いんじゃないかって思わずにはいられなかった。彼はきっと、とんでもないことになってるんだ。
ため息をついて、俺は彼のところに行って、隣に座った。彼は俺を見て笑いかけてくれたから、俺も笑い返した。それからまた下を向いてしまった。
「ごめん、ペイトン。こんなことに巻き込んじゃって」って、ストレスで顔を手で覆いながらため息をついた。俺は彼が落ち込まないように、軽く小突いた。
「オースティン、気にしないで。確かに、自分がそんな状況に陥るようなことしなきゃ良かったって思うけど、そうなっちゃったんだから仕方ない。パニックになったり、自分を責めたりするのはやめて、何か対策を考えなくちゃ」って彼の手に手を添えた。また彼が俺を見てくれた。「でも、そうするなら、私に正直になって。何も言えないとか、俺を危険に晒すことになるとか、そういうのはもう聞きたくない。話してくれないと、もっと危険なことになるんだ。何が起きてるのか分からなくて、暗闇の中を歩き回ることになる。俺たちは一緒にいるんだから」って笑うと、彼の顔が明るくなった。でも、ため息をついてた。
「ただ、お前を傷つけたくないんだ。ペイトン、お前のことが大切だから」って、俺の目を見て言った。俺は彼に微笑みかけて、視線を外して、壊れたキッチンの窓を見た。
「マーカスも言ってたけど、オースティンのそばなら安全だよ」って、もう一度彼を小突いて笑った。彼は頷いたけど、まだ俺の顔をじっと見つめてる。
「何でも答えるよ」って、彼は言った。それだけ聞ければ十分だ。
真実を知る時が来た。