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CHAPTER TWENTY EIGHT: イーサンはどこ?
ローズ・アマラ POV
セリーンは、アミリーと違って、私を気に入ってくれてるみたい。ここの女性たちの中で、一番話しかけてくれるし。セリーンは遅れてきたけど、何が起きてるのか知らないといいね。
ベルは、最高のアシスタント。すっごく可愛くて、愛想がいいから。
彼女はこの世界より上。でも、彼女をどうやって、世界の反対側に連れて行こうかな。
チャンスがあるたびに、護衛たちとのグループチャットのメッセージをチェックしてる。
イーサンの影も形もない。今のところは。
「イーサンはどこ?」
私は落ち着いた声で尋ねた。でも、心臓はドキドキしてる。
「彼の護衛も、彼がどこに行ったのか知らないはずよ」
エイヤが言った。
「あの金髪のガキは、役に立たないわね」
セリーンが、自分の大きくなった息子たちや結婚生活について話してくれるけど、私はニヤリとしてから笑った。
マフィアの世界では、結婚してる人たちは、もっと尊敬されるものなんだよ。家族を持つっていう大役を果たせるのは、ほんの一握りの人たちだけ。
私はすぐに、イーサンにメッセージを送った。
「イーサン、どこにいるの? 連絡できる時にメッセージして」
スマホをポケットに入れて、すぐに返信が来ることを願う代わりに、セリーンに集中した。
彼女は私より年上で、40代だけど、クールな話し方をする。早い段階でマフィアに加わった女性たちは、ソフィアみたいに責任を自覚して、それをきちんと果たすようになるんだよね。
彼女は冗談っぽく私に言った。「ローズ、結婚したんだから、そろそろ自分の家族を持ってもいいんじゃない?」
「まだそこまで行ってないし、たぶん、一生行かないと思う」
イーサンのような人とは、絶対に家族なんて作れない。彼の過去も知らないし、未来なんて想像もつかない。
アミリーは義理の妹に近づいて、「なんで?」とスムージーを飲みながら尋ねた。「楽園で何かあったの?」
私は、そう言う代わりに、外交的な手を使った。ただ、一緒に過ごす時間がもっと欲しいって言っておこう。
嘘をついても、嘘だって感じがしないのが嫌なんだよね。
アミリーは不満げに言った。「あら。てっきり、あなたが彼を嫌ってるんだと思ってたわ」
私は彼女を睨んだ。「そんなことないわよ」
あのアクセントで、すごいモテるんだよね、わかる、わかる。
セリーンが強い口調で「アミリー」と呼び止めた。
やっと諦めて、アミリーは他のイタリア人女性たちのところへ行った。
その代わりに、セリーンが謝ってきて、私は何事もなかったように振る舞ったけど、心の中ではアミリーのスムージーに毒を盛る計画を立ててた。
みんな、また同じような会議の準備をして、護衛たちに連れられて、それぞれの車に乗って行った。
ベルを連れて、ゼスとエイヤが私の車の前にいるところに向かう前に、リリーが自分の車に乗ったことを確認した。
スマホをもう一度確認して、「イーサンのこと、何かあった?」ってメッセージを送った。返信はなし。
ゼスは、眉をひそめて、小さく首を振った。
「彼の護衛は? また名前なんだっけ?」
エイヤが答えた、「パーカー」
そう、パーカー。彼がどこにいるのか教えて。
彼女は肩をすくめた。
彼は探し続けるって約束したけど、あの若い子じゃ、何も見つけられないと思う。
イーサンは、このままだと、消えちゃうんじゃないかな。
ベルは困惑した顔で、私たちを順番に見ながら尋ねた。「なんで? イーサンに何があったの?」
私はベルの背中に手を置いて、「中に入って」って言った。
さっきまで震えてた足が、また震えだした。
家に帰る頃には、もう燃料切れになりそうだった。
私は無理やり、おじさんの元オフィス、つまり父のオフィスに入った。
そこには、父の強烈な思い出が蘇るから、なるべく近づかないようにしてるんだ。
アンバーのスタイルが完璧に表現されてる。イタリア語の本が並んだ整然とした本棚と、滑らかなオーク材の机。
父はそこで私に教えてくれたんだ。膝の上で本を読んでくれたり、私が隅で本を読んでる間に、自分の仕事をしたり。
でも今は、感覚が麻痺してて、まるで世界が色を失って、何もコントロールできないみたい。
父とフォン・ハーデスが書類を見てるのを見つけた。
私は、彼らに立っててもらうように言って、攻撃のことを話した。事実を伝えてる時の私の声が、すごく落ち着いてることに驚いた。
レイブンは、自分の老いた手で私の手を優しく握って、私に近づいてきた。イーサンは旅慣れてるから、きっと大丈夫だよ。
まるで私が彼のことを心配してるかのような言い方しないでくれる?
フォン・ハーデスは、私に奇妙な表情を向けたけど、何も言わなかった。
私は彼らのところから離れて、自分の部屋に行った。
怖がってないって示すために、スマホをチェックするのはやめて、シャワーを浴びて、ベッドに入った、つもりだったけど。
15分後には起きて、もう一度メッセージを確認するんだ。
反応はなかった。メールを読んで、クリニックの検査結果を見つけた。彼はクリーンだって書いてある。
一昨日、救急外来で受けたみたい。一番上に日付が書いてあるから。
どうやって緊急事態だって言ったんだろう、結果が出るのも早いし。
でも、イーサンなら、やりかねない。
医者を脅して、看護師にちょっかい出したんだろう。
バルコニーに立って、彼に電話をかけてる。
10年前みたいに、いつものように「ご利用できません」ってアナウンスが流れた。同じメッセージ。
同じ状況。
私の目に涙が溜まってきた。
お母さんは、マリアと私に、可愛い目に涙を溜めるのは弱さの証だって言ってたけど、もう止めることすらできなかった。
また電話をかけようとした時、彼の声と魅力的な存在が私を包んだ。
「お姫様、今回は寂しかった?」