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チャプター29:オマエハ俺ノモノ
ローズ・アマラPOV
アイツ…戻ってきた。
振り返ると、呼吸がゆっくりになる。
アイツを見上げると、髪を後ろに流してて、シャツもさっき出かけたときと変わらず、キッチリとズボンにインされてる。身体には、アザも傷もない。いつものように完璧だ。
戻ってきたんだ。
その冷たくて、強い言葉が、俺の身体を駆け巡る。最近、アイツから来た事務的な連絡は、今日の最後の連絡じゃなかったんだ。
アイツが、俺の目の下を触って、涙を拭う。眉間にシワが寄ってる。「どうしたんだ?」
涙も弱さも止めたいのに、それができない。アイツが来なかったせいで、この部屋に一人ぼっちにされた日のこと、瞼の中に閉じ込められてる。アイツは後ろから近づいてきて、俺が寂しかったかどうかなんて聞かなかった。
俺は呟く。「いなくなったんだ。」
アイツは俺の涙を拭き続ける。まるで、俺と同じように、その意味とか、俺が涙を止められないことを嫌がってるみたいで。「お前も知ってたろ。」「狙撃手を追ったけど、影も形もなかった。俺の前から消えたんだ。」
「イーサン、お前、いなくなって、クソッタレでいなくなった。」
アイツは俺の頬に一瞬触れて、そこを撫で始めた。だから、俺が今のことじゃないって言ってるってわかってるんだろう。
「あれを忘れられないんだろ?」
俺は一度首を振る。
「俺がここにいても、だよな?」
アイツはちょっとだけ笑う。「会えなくても、だろ? 俺がお前に何をしてるか、見せてからじゃないと、そうは言えないだろ。」
俺が背伸びして、アイツの唇にキスをすると、アイツは顔を背ける。心臓の音がうるさすぎて、キスも頼りなくて、少しグラグラする。
イーサンは一瞬固まって、目が少し大きくなる。
それが、アイツの躊躇の全てだ。
キスを深くして、舌を俺の口の中にねじ込んでくる。その手は俺の首を掴んだ。いい始まりどころか、イーサンは口にキスしてるけど、その手は俺の唇や舌を超えて、俺の全身を包み込もうとしてる。
アイツは反省なんてしないし、乱暴で、独占欲が強い。アイツに関する全てがそうだ。
舌と歯がぶつかり合って、まるで、俺たちの支配権争いが情熱的なキスにまで飛び火したみたい。アイツは片手で俺の首を掴んだまま、もう片方の手で俺を壁に押し付けて、腰に手を突っ込んでくる。俺の体を乱暴に扱うのは、アイツの本性を見せつけてるみたいで、全く優しくない。
乱暴で、最高に気持ちいい。
いつものように、アイツに襲いかかるんじゃなくて、俺は全く違う道を選んだ。アイツの本質と匂いに溺れて、しがみついて、絶対離さないでいたい岩みたいになっていった。たぶん、ずっとこれを待ってたんだ。たぶん、イーサンがキレるのをずっと想像してたから。
どっちもかも。
イーサンが、俺の髪からゴムを簡単に外すと、金色の髪が肩に落ちていく。俺がそれに集中してる間に、アイツは、薄いナイトガウンのストラップをずるずると下げる。その繊細なものは、激しい動きで破れて、胸の間で床に落ちていく。
俺はアイツに叫んだけど、それはため息に変わった。アイツが俺から離れて、巧みに俺の首の後ろにキスして、噛み付いたり、吸ったりする。多分、痕も残すだろう。アイツは、俺の体にマークをつけるのが好きなんだ。それが、俺たちの共通の接点みたいなものだ。アイツがこれをやり始めてから、毎日、バスルームの鏡の前で立って、アイツのマークを指でなぞってる。
イーサンの牙が、突き出した乳首を噛む前に、アイツの舌がそれをグルグル回す。あまりにも気持ちよくて、俺は背中をそらして、快感の電気が股の間を駆け抜ける。
イーサンは、俺の喉を掴んだまま、片方の乳首を拷問し続けて、もう片方に移る。一番怖いのは、このビリビリする痛みと、神経の痛みをやめたくないってこと。
実際は、もし何かあるとしたら、全く逆なんだ。
もう片方の手で、俺のパンツを下ろして、俺の緊張した太ももの間に手を滑り込ませる。
アイツは、俺の胸の柔らかい肌に「その足を広げろ」って言う。
アイツの息が、俺の乳首をさらに硬くする。
アイツは言う。「そうしなかったら、俺のやり方でやるぞ。」
俺の体の中にアイツが作り出す刺激に集中してる間、俺はそう言われる。
「お前が選んだとおり、お前を罰することになるぞ。」
どんなに隠そうとしても、その言葉で俺の呼吸は荒くなる。
「罰してくれ、どうやって?」
「俺がお前を犯したら、俺のことしか考えられなくなるぞ。約束する。お前のちっちゃいマンコを俺のデカいケツで塞いで、それしか考えられなくしてやる。」
アイツは俺の湿った部分に指を叩きつけて、「でもまず、これからだ。その前に音楽が聞こえてくる。」
俺の太ももが震え始めて、俺は息を呑んだけど、他に何かある。今まで経験したことのない、ビリビリするような感覚、意識が生まれる。
もう一回言ったほうがいい?互いに開く? アイツは俺の胸を強く噛む。
俺の足は自然に開き、俺はうめき声と嬌声を出した。
「素晴らしい、お姫様。」
イーサンが、俺の湿った部分に指を滑らせて、全てがこれほどまでに近くにあることに驚き、こんな短い間に、俺の体をこんなに知ってることに驚き、俺はそれを知る時間すらなかったのに。
アイツは同時に、二本の指を俺の中に挿入し、そこで曲げる。それが原因なのか、さっきの刺激なのか、その両方のミックスなのかわからないけど、俺はすでに、現実の外で嵐が吹き荒れてるのを感じられる。
イーサンは、俺の耳たぶに触れて、「ずっと準備してたのに、お前のマンコはまだ、すげえ固いな」って言い、肉を噛む。
「俺のケツをどうしたいんだ?」
俺はうめき声で答えることしかできなかった。今、俺が欲しいのは、アイツが俺の中で作ってる、充足感と解放だけ。こんな風に感じたのは初めてだし、誰のこともこんな風に感じたことなかった。
俺はいつも、男は敵か味方だと思ってた。誰も、俺の夜のファンタジーの中にいる人だなんて考えたことなかった。
現実にするつもりはなかったって気づく。もし、イーサンじゃなかったら、こうはならなかっただろう。
俺にこんな奇妙な感情を抱かせてるのは、アイツなんだ。
灰の中からフェニックスみたいに、俺の体が立ち上がるのも、アイツのためなんだ。そして、その状況は致命的だ。
俺が辿り着こうとしてる時に、イーサンは、俺から指を抜いて、もう片方の手と入れ替える。
何か官能的でムスクの匂いが、俺の唇についてる。俺の目が開いた瞬間、俺は、同じ指が俺の中で、俺の口を掴んでるのに気づく。
「俺を利用しろ。俺の指は綺麗にしてある。」
アイツは俺の中で指を動かし、俺はアイツの言葉を最後まで言いきれなかった。アイツは俺の唇の中に指を突っ込んだから。
「もうダメ。全身に震えが走って、俺は辿り着いた。」
イーサンは俺の中で指を動かし、もう片方の指は俺の舌の上を滑り、その二重の攻撃を続ける。
たとえ、俺がオーガズムの残骸と戦ってても、アイツの中で自分を味わうのは、俺を捕らえてるものとは別の、別の種類の近さなんだ。素晴らしい青い海のような、アイツの目の完全な独占欲。俺は、アイツの強さで壁に押し付けられて、アイツは俺の舌に指を押し付けてたから、言葉で返事はできなかった。
「オマエハ俺ノモノ」