11。秘密の憧れ:恋人同士?
「アクセル、なんでこんなとこに呼び出したの?」 オリビアの声は、アクセルの前に着くなり、まるで蛇みたいにシューって出た。
オリビアは、まさかアクセルがカフェから数メートルの路地裏で会うなんて思ってもなかった。さっき、オリビアはレイバにバイバイって言って、アクセルの言われた場所にすぐ向かったんだ。
フード付きジャケットとマスク姿のアクセルは、ゆっくりマスクをずらした。周りを警戒するように、キョロキョロ。
「本当に一人で来たの?」 アクセルは周りを見ながら尋ねた。
オリビアは少し振り返って、アクセルに「うん」って感じで眉をひそめた。「うん、一人で来たよ。なんで呼び出したのか、まだ教えてくれないの?」
アクセルは周りを見てから、オリビアに向き直った。「大丈夫だよ。ただ、会いたかっただけ。」
「何か予定あったりする?」
アクセルは首を振って、ジャケットのポケットから別のマスクを取り出した。アクセルはオリビアにそのマスクを渡した。
「これつけて。どっか連れて行きたいんだ。」
オリビアはアクセルが渡したマスクを不思議そうに見た。それからアクセルに視線を向けて、何のことか聞くように両方の眉を上げた。
オリビアの視線の意味を理解して、アクセルはすぐに答えた。「別に変なことしようってわけじゃないよ。安心して。この場所は俺もよく知ってるとこなんだ。」
迷ったけど、オリビアは結局アクセルから差し出されたマスクを受け取った。「もしメディアに見つかったら困らない? よく潜入捜査してるって聞くけど。」
「俺、アクセルに見えるでしょ?」 アクセルは自分を指さして尋ねた。
オリビアは目を細めてアクセルを観察した。アクセルがアクセルに見えるか、しばらくの間。
「だって、あなただって分かってるからさ…」
「もしお前が別人だったらってことだよ」 アクセルはオリビアの反応に笑った。
オリビアも笑って、軽く首を振った。「いや、全然。アクセルには見えないよ。」
アクセルはVサインで指を立てて笑った。「俺の変装はいつも完璧なんだよ。行こう。」
オリビアにはアクセルのことが全く分からなかった。それに、アクセルにどこかへ誘われるなんて、思ってもみなかった。これはオリビアがずっと想像していたことだったんだ。
それが今、現実になった。オリビアは、どうしたらこんなにアクセルに近づける夢を見れるんだろう?
***
ジョングクが言ってた場所は、そんなに大きくないお店だった。
幸運なことに、今日はそんなに混んでなかった。いたとしても、40代くらいの人が2人だけ。アクセルはすぐにジャケットのフードとマスクを外した。入るとき、アクセルはわざとベルを鳴らした。
アクセルから数メートル離れたカウンターの後ろで集中していた人が、すぐに顔を上げた。アクセルの登場を見て、口角がすぐに上がった。
「やあ、アクセル!」 アクセルと同じくらい若い男が、軽く手を振った。
「こんにちは、キンバートさん。今日のおすすめメニューは?」 アクセルは、まるで王様みたいな口調でわざと重々しく尋ねた。
アクセルと男の人を見ていたオリビアは、くすくす笑ってしまった。オリビアの表情がすぐに笑顔に変わる様子が、なぜか面白かった。
「来ると思ってたよ」 キンバートと呼ばれた男が答えた。カウンターの周りを回って、大人の胸くらいの高さに立った。「こんなに長い間来ないなんて、どうしたんだ?」
アクセルは両手を広げて近づいた。彼はキンバートと男同士で抱き合い、お互いの背中を叩き合った。
「忙しかったんだよ、キンバートさん」 抱擁が終わってから、アクセルは答えた。
キンバートはアクセルの言葉に返事をしようとした。しかし、それは中断された。なぜなら、彼は偶然、アクセルの数歩後ろにいるオリビアの存在に気づいたからだ。
キンバートは驚いて眉をひそめた。好奇心を示す笑顔で、キンバートは尋ねた。「誰を連れてきたんだ?恋人?」
アクセルはキンバートの視線を追った。居心地が悪そうにしているオリビアを見て、アクセルは片手を突き出し、何度も振った。まるでオリビアに自分のところに来るように合図を送っているみたいだった。
オリビアが来てアクセルの隣に立つと、キンバートは両手を広げた。オリビアに近づきたかったんだ。
「うわあ、いらっしゃい。一緒になろうぜ!」 キンバートはすぐにアクセルに前に出られ、また後ろに下がった。
オリビアはアクセルが突然自分の前に立って、キンバートを遠ざけたことに呆然とした。ぎこちなさが募る。
「なんでそんなことするんだ?」 アクセルは不機嫌そうにキンバートを見た。
キンバートはしかめっ面をして、両手をだらんと下げた。「ただ知りたかっただけだよ、アクセル。ダメ?」
「ダメ」 アクセルはすぐに答えた。「そんな風に抱き合うのはやめろ」
オリビアを見てから、キンバートはアクセルとオリビアを交互に見た。一方、見られている方は困惑するだけだった。だんだん、目が細くなってきた。疑いの気持ちを表す。
「お前ら…」 キンバートは言葉をためらい、アクセルは警戒した。すぐに、キンバートは口を手で覆いながら口をあんぐり開けた。「もしかして…恋人?」
キンバートの質問に、アクセルとオリビアは突然驚いた。二人とも目を見開き、お互いを見た。
「違う、違う、そうじゃないの」 オリビアは急いで否定した。両手を振りながら、否定した。
すぐに否定するオリビアを見て、キンバートは目を細めた。キンバートは面白そうに微笑みたくなったけど、まだ我慢した。
「そうだよね。恋人じゃないよな。そう見える?」 アクセルはオリビアの言葉に答えた。
オリビアは指を鳴らした。「そうだよね?会ったばっかりだし。」
アクセルはうなずいた。「うん、うん。ただの友達。」
キンバートは今、神経質そうなアクセルに視線を集中させた。アクセルの様子に何か変なところがあった。なぜかキンバートは、アクセルがオリビアを見る目が違うことに気づいた。ジョングクはオリビアをちらっと見るだけだったけど、それはまるで盗み見たような視線だった。
「なるほどね」 キンバートはうなずいた。「本当にそういう関係じゃないんだ?」
アクセルとオリビアは同時にうなずいた。すぐにキンバートは、2人に付いてくるように合図した。
でも、歩いている途中で、キンバートはわざとアクセルに近づいた。彼のユーモアは増した。
「お前、彼女のこと好きだろ?正直に言えよ」 キンバートはわざとアクセルの怒りを誘うようにささやいた。
アクセルは目を見開き、素早く顔をそむけた。
「お前だよ」 アクセルは「なんでそんなくだらないこと言うんだ?」
オリビアの注意はすぐにアクセルとキンバートに向いた。困惑。
アクセルとキンバートはすぐにぎこちない沈黙に陥った。それには、ニヤリと笑みを浮かべたアクセルも含まれていた。
「大丈夫。ちょっとした…」
「誤解」 キンバートは遮った。「でも小さいやつ。気にしないで。」
オリビアはゆっくりと顔を前に向けた。驚きの色が明らかで、以前よりもさらにそうだった。どうしてこんな人たちと関わってるんだろう?
「お前、彼女に何も言うなよ」 オリビアがもう彼を見ていないことに気づいた後、アクセルはキンバートに言った。
キンバートはただニヤリと笑った。まるでアクセルをからかったことに罪悪感を感じていないかのようだった。結局のところ、彼はすでにアクセルが隠していることを見抜いていたんだから。
キンバートは、アクセルに新しい感情があるとは思ってもいなかったんだ。