第41章
ソーヤーの視点:
喉が詰まるような感じだった。ヘザーには本当に腹が立った。よくもまああんなこと!あのシャーリーのせいで!出ていく権利なんてないくせに。
その日の朝、ベッドに座って考え事をしていた。ヘザーって時々、本当にムカつくんだよね。ヘザーのことなんか忘れられるようなことないかなって、色々考えた。
エース。
そう、エース!その日の夜は、彼のアパートで一緒にディナーだったんだ。うん。一人でにやけてしまった。セクシーで可愛いドレスを買わなくちゃ。一日中時間はあるし。
スマホを手に取って、エースに電話した。
エースの視点:
スマホの着信音で、朝9時に目が覚めた。ぼーっとしたまま起き上がったんだ。昨日の夜は飲みすぎちゃって、スマホが鳴らなかったら、お昼とかもっとずっと寝てたと思う。
誰からか確認もせずに、電話に出た。
「は、もしもし?」僕は眠そうに言った。
「やあ、イケメン。起こしちゃった?」
ソーヤー?
「ああ…」
「ごめんね、可愛い子ちゃん。ただ、今夜のディナーが楽しみだって伝えたかったの。」
一瞬で目が完全に覚めた。約束してたディナーのこと、すっかり忘れてた。
クソッ。
「あ、えっと…」
「今夜会えるの、本当に楽しみにしてるね。」
「うーん、僕もだよ。」
「じゃあね。」
「バイバイ。」
電話を切って、また寝ようとしたら、突然SMSが届いた。クリスティーナからだ。開いて読んでみた。
-おはよう、イケメン。私を避けてるんじゃないかって気がするんだけど。何か問題ある?-
ため息をついて、目を回した。母娘って時々、しつこいんだよな。まだ疲れてて、会話を始める気分じゃなかった。
-後で電話するよ、クリスティーナ。いい?- とメッセージを送った。
数分後、彼女から返信が来た。
-わかった。待ってるわね。-
スマホを置いて、また寝続けた。
11時には起きた。服を脱いで、シャワーに直行した。
水の中で、ソーヤーと彼女の母親をどう扱うか、色々考えた。本当に注意しなきゃ。
***
その日の午後2時頃、クリスティーナに電話した。もう、そうするしかなかったんだ。彼女には、すごく気に入ってるから、彼女が何をしてきても、話すのをやめたりはしないって思わせる必要があった。僕のことを信じさせないと。
電話をかけた。
「もしもし、クリスティーナ?」
「もしもし、エース。元気?」
「元気だよ、クリスティーナ。声がちょっと変だけど。」
「あのね、ちょっと居心地悪いっていうか、私が避けられてるんじゃないかって思ってるんだけど。」
「避けてる?なんでそんなこと思うの?」
そう思う理由は山ほどあるんだ。彼女の誘い方は、かなり汚い。ソーヤーのそれよりもずっと。クリスティーナってのは、僕がちょっとでも弱かったら、最初から関係を持とうとしてくるような女だ。でも僕は強いし、それに、彼女のことが心底嫌いなんだ。何が起ころうと、あんな嫌な、心の無い女とベッドを共にするなんて、絶対にない。僕がまた彼女の会社に居れるようになるのが、彼女と寝ることだったら?別の解決策を見つけるか、方法を探すよ。
「オフィスの事件よ。」
「何の事件、クリスティーナ?」
「あなたのズボンに水をかけたこと。あれ、私がわざとだってわかってたでしょ?違う?」
「もちろん、わかってたよ、クリスティーナ。バカじゃないし。」
「えーと、今ちょっと恥ずかしいの。あなたは従業員で、私がそんなことできるって考えたのは間違ってたわ。あなたは良い人で、私はもう…」
ダメだ。
「気に入ったよ。」僕は無理やり言った。
自分がそんなこと言ったなんて信じられない。でも、それで良かったんだ。彼女に、僕を怒らせたと思わせたら、彼女は僕に近づくのをためらうだろうし、結果的に僕を避けるかもしれない。彼女の信頼を得るために、そんなことはしたくないんだ。
「え?!」
「気に入ったよ。あのちょっとしたサプライズ。」
彼女が安堵のため息をつくのが聞こえた。僕の返事に明らかに喜んでる。
「本当に?」
「もちろん。」
「うーん、私も好きよ。」
「そうなの?」僕は低い声で尋ねた。
「そういう声で話すの、大好きよ。」
「知ってるよ。」
あの魔女がくすくす笑うのが聞こえた。
「いいわね。あなたがあのちょっとしたサプライズを気に入ってくれたみたいだから、あなたのためにサプライズを用意しておくわね。」
む!
「何?」
「サプライズって言ったから、サプライズするだけよ。きっと気に入るわ。」
そうは思わないけど。
「わかったよ。」
「安心させてくれてありがとう。じゃあね。」
「バイバイ。」
電話を切った。あいつら女二人との一件を、うまく終わらせたいものだ。それから、その日の夜のデートのために、キースと交渉しに出かけた。
「それで、具体的に何をしてほしいんだ?」キースが尋ねた。
「僕からメッセージを送ったら、すぐに僕のアパートに来て、デートをぶち壊すのが大好きな、いつもの良い友達のフリをしてくれ。僕のアパートに居座ることにこだわって。」
「ボス(お父さん)の娘と二人きりになりたくないから?」彼は困惑した様子で言った。「意味がわからない。彼女と二人きりでハッピーになるんじゃないの?だって、可愛いじゃん。写真も見たし。」
「ああ、可愛いよ。でも、話は長いんだ。彼女に変なアプローチをしてほしくないんだ。もし彼女が何かセクハラ的なことをしてきたら、メッセージを送るから、君が現れてくれ。彼女に僕が裏で糸を引いてるって気づかれたくないんだ。」
「うーん。マジで理解できないよ、相棒。」
「いつか全部話すよ。でも、今は、それだけやってほしいんだ。」僕は懇願した。
「わかったよ、いいよ。いつか理解できるといいな。」
「きっとできるよ。」
ソーヤーの視点:
夜の8時になった。シャワーを浴びて、メイクをして、着替えるためにドレッシングルームに行った。9時にはエースの家に行くつもりだった。
セクシーで、短くて、ぴったりした黒いドレスを買ったんだ。ネットのデザインがいくつか入ってる。ドレスの下は何も着てない。パンティもブラもなし。何が起こるかわからないからね。もしかしたら、今夜は彼とうまくいくかもしれない。
髪をセットして、ヒールを履いた。それから、メイクをした。
私はセクシーで、抗えない。わかってるんだ。