第100章
マキシンは自分のSnapchatをじーっと見てて、なんか落ち着かない様子。
マキシン:「ナターシャ・クイン、あなたの書いたストーリーズ、全部読んだよ。マジで最高!お願いだから、ちょっとだけ協力して!」
ナターシャ・クインは鳥肌が立った。しかも、マキシンが自分の書いた話がめっちゃ面白いって言ってるし。まさか、話に出てくる女二人が自分のことだって知らないわけ?
ウケる!
ナターシャ・クインは時間を見て、お風呂に入るためにパソコンを閉じた。
今年のソルトレイク大学での軍事訓練は20日間あって、クタクタだったから、いつも早く寝るようにしてたんだ。お風呂から上がって、ベッドに入って、スマホでSnapchatを開いたら、マキシンからメッセージがいっぱい届いてた。
マキシン:ナターシャ・クイン、どう?
マキシン:いや、3000?
マキシンも必死だ。人に断られるのが嫌いなんだよね。でも、ナターシャ・クインは全然相手にしたくなかったから、スマホの電源をオフにして寝ちゃった。
ブッシュ家では、夜の11時になっても、エドワードはまだ仕事をしてた。
サムが入ってきた。「エドワード・ブッシュさん、そろそろ休んでください。」
「ナターシャ・クインはいつ帰ってくるんだ?」あっという間に半月も経って、ナターシャ・クインの姿を見てない。普段はナターシャ・クインがヴィラにいるときはちゃんと時間通りに仕事して休んでたのに、彼女がいないと毎日遅くまで起きてる。
彼女がヴィラにいるときは、家にいるって感じがしたのに、いないと空っぽの家に戻っちゃうんだって。
サムは言った。「軍事訓練は20日間で、来週の金曜日に帰ってくるはずです。」
サムは、ナターシャ・クインが学校に行ってから、エドワード・ブッシュさんがヴィラに戻ると毎日寂しそうで、話すことも少なくなったと感じていた。家族からブッシュ家の大邸宅に帰ってくるように言われても、週末には帰ろうとしない。サムは、ナターシャ・クインがエドワードにどれだけ大きな影響を与えていたのかを知ったんだ。
エドワードはサムに言った。「しばらく忙しいから、もう行っていいよ。」
「お体…」サムはエドワードを見て、心配そうにした。
エドワードは顔を上げて、真剣な顔でサムを見た。
サムは逆らえなくて、出て行って、そっとドアを閉めた。
日曜で、来週の金曜日まであと5日。サムは毎日指折り数えてて、この時間がすごく長く感じる。ナターシャ・クインがヴィラにいて、エドワードが落ち込んでると、話しかけてあげると、彼の気持ちが軽くなるんだよね。
ナターシャ・クインにとっても、この20日間の軍事訓練はつらかった。
問題ばかり起こすマキシンを相手にするだけじゃなくて、毎日、鍋、バーベキュー、酸辣粉、ザリガニ…を夢見てるのに、我慢するしかないんだから。
金曜日の朝、ナターシャ・クインは起きたとき、家に帰れるって思ってワクワクしてた。
アストリッドがナターシャ・クインを見た。「ナターシャ・クイン、今日、帰るんでしょ?」
「うん。」ナターシャ・クインは言った。休みは2日間しかないけど、その間はマキシンやブライアンに会わなくて済むんだ。本当に嬉しい。
マキシンはナターシャ・クインの嬉しそうな顔を見て、ナターシャ・クインが何であんなに喜んでるのか、理解できなかった。ナターシャ・クインはもうブッシュ家から追い出されたんじゃないの?
マキシンはナターシャ・クインを怪訝な顔で見て、ドアから出て行った。最近はずっと気分が悪かった。Snapchatでの人気はどんどん上がってて、マキシンはイライラしてた。
幸いなことに、この期間はアストリッドの勢いも落ちてきて、今日は家に帰れるって思ったら少し気分が良くなった。
午後、ナターシャ・クインはリュックを背負って寮から出て、家に帰るためにライトレールに乗ろうとしたけど、サムが迎えに来ていた。
サムの車がそこに停まってた。ナターシャ・クインは近づいて、ドアを開けて、車に乗り込んだ。
「サム・ミラーさん、どうして迎えに来てくれたんですか?荷物もないし、自分で帰れますよ。」ナターシャ・クインはいつも結構自立してる。最後にサムに荷物を送ってもらったのは、自分で持って帰るのがすごく大変だったときだけ。でも今は、そんなに持って帰るものもないし、サムが迎えに来てくれたから、ちょっと恐縮しちゃった。
サムの態度はすごく丁寧だった。ナターシャ・クインを見る目は、まるで救世主を見るかのよう。「旦那様が迎えに行くようにって。」
エドワードは、今朝起きて、ナターシャ・クインが帰ってくるって考えたら、ちょっと興奮してたんだ。
「エドワード?体の具合はどうだったの?」ナターシャ・クインは尋ねた。彼に会えるって思うと、ご飯を食べるよりもワクワクする。
サムは少し黙って、彼女の質問に答えなかった。
ナターシャ・クインは何かおかしいって気づいた。「具合悪いの?」
サムは言った。「毎晩遅くまで仕事して、朝早く起きて、あまり休んでないんです。」
「じゃあ、少しでも仕事減らしてあげて。」ナターシャ・クインは、エドワードがそんなに頑張ってるって思うと、ちょっと辛くなった。
サムはバックミラー越しにナターシャ・クインを見て、「それも、エドワード・ブッシュさんが私に従ってくれればですけどね。」
つまり、エドワードはナターシャ・クインの前ではすごく話しやすいってこと。1時間以上経って、車は門の前で止まった。ナターシャ・クインはリュックを持って車から降りて、サムと一緒にリビングに入った。
シルビアがナターシャ・クインが帰ってきたのを見て、嬉しそうに言った。「ナターシャ・クイン、おかえり!久しぶりね。」
家に帰ってきたときみたいに感じるんだ。みんながすごく親切にしてくれるから、ナターシャ・クインは温かい気持ちになる。
ナターシャ・クインは言った。「シルビア、ただいま!」
シルビアはブッシュ家の料理人。ナターシャ・クインが今日帰ってくるって知ってて、美味しい夕食を用意してくれてたんだ。
彼女は微笑んだ。彼女はナターシャ・クインが好きだった。マキシンとは違って…
マキシンは以前、ブッシュ家に何度か来たことがあった。ブッシュ家の人たちに会うときは丁寧だったけど、使用人たちのことは完全に無視してた。
エドワードやジェイクでさえ、家のお年寄りの使用人たちには特別な敬意を払ってるのに。
挨拶を済ませると、ナターシャ・クインとサムは上へ行ったけど、エドワードには来客があって、まだ帰ってないみたい。ナターシャ・クインはサムと一緒にドアの前で待つしかなかった。しばらくすると、エドワードと話していた人が出てきた。サムは互いに丁寧にお辞儀をして、それから送り出した。
ナターシャ・クインはドアを通って、エドワードを探した。
エドワードはテーブルに座ってた。手で茶器をいじってる。顔立ちが整ってて、表情は穏やかで、上品な古典絵画みたい。
ナターシャ・クインは言った。「エドワード、ただいま。」
エドワードは顔を上げて、ナターシャ・クインを見て、眉をひそめた。元々黒い瞳に光が宿って、明るくなったみたい。ナターシャ・クインを見て、内心の驚きを悟られないようにしただけ。ただ、落ち着いた声で言った。「座って。」
ナターシャ・クインはリュックを置いて、目の前の椅子に座り、エドワードを見て、しばらく何も言わなかった。
エドワードが自分の顔をじっと見つめてるのに気づいて、ちょっと恥ずかしくなった。思わず自分の顔を触った。「日焼けしたかな?」