第21章
ご飯、マジで地獄だった。晩ご飯の後、マキシンは居づらいって分かってたみたいで、ジェイクに家まで送ってって頼んでた。
色々あった後だし、ジェイクもあいつらの家に居るの気まずかったんだろーな。だから、気分転換にって理由で送ってくことにしたんだと思う。
「ジェイク、さっきご飯の時、なんで私を庇ってくれなかったの?」マキシンは下唇を噛んで、ジェイクの目を見つめた。
でもジェイクはちらっと見て、何も言わなかった。
「やっぱり! やっぱりまだ、ナターシャのこと好きなんだ!」マキシンは強く拳を握りしめたけど、言葉には出せなかった。
マキシンは、ジェイクがずっとナターシャのこと好きだったって知ってた。あたしの作戦がなかったら、2人は別れなかっただろうし、ジェイクと少し仲良くなったと思ったら、またナターシャが現れて、あたしの出る幕なし。
「ジェイク、ナターシャはどうやってお前の叔父さんと知り合って、お前の叔母さんになったの?」
「分かんない。」ジェイクは正直に答えた。それが、ジェイクが一番理解できないことだった。本当はナターシャのことが好きだけど、マキシンはナターシャが変わったって言うし。今見ると、確かに変わったんだよな。元々、マキシンと付き合ったのは、ナターシャを刺激して、嫉妬させようとしただけだったのに。
ジェイクは、あの日、あんなに変わるなんて思ってなかった。ただ、マキシンがジェイクの家に晩ご飯に行きたがっただけだったのに。マキシンも恥ずかしい思いをして、ジェイクはあんまり気にしなかったんだけど、叔父さんがナターシャをすごく可愛がってるのを見て、何か言えない気持ちになっただ。
「ジェイク、もう1つ言っておきたいことがあるんだけど。言うべきかどうか迷ってるの。」マキシンが突然口を開いた。
「何?」
「ナターシャの家って、ただの一般家庭でしょ。あんな階級の人たちが、お前の叔父さんを簡単に認めるわけないじゃない。」そう言って、とても困ったふりをして、言いたげだけど言えないっていう雰囲気を出してる。
「確かに。それで?」ジェイクはそう言って、マキシンのぎこちない様子を見て、ジェイクの気を引くことに成功した。
「ジェイク、ナターシャは前、私にお金を貸してって言ってきたの。でも、お前の叔父さんは、ああいう状態で足もああだし、一緒にいたいって思う女の子なんていないはずでしょ。ナターシャは、叔父さんのお金目当てで近づいたんじゃないかって疑ってるの。気をつけて。」
ジェイクの顔を見て、マキシンはジェイクが信じたに違いないって思って、さらに言葉を重ねた。
「ナターシャは、家が貧しいから、学校でもいい友達がいなくて、私だけが友達でいてあげたの。」
ジェイクが考え込んでいるのを見て、マキシンはまた言った。「最近の女の子は、見栄を張るの好きじゃないでしょ。きっとナターシャは、玉の輿に乗って成り上がりたいと思って、お前の叔父さんに近づいたのよ。それに、お前の叔父さんの状態は、ナターシャにとってチャンスだったんでしょうね。」
本当にそうなのか? ジェイクは明らかに信じてる。マキシンはナターシャの一番の友達だし、嘘をつく理由もない。
「ジェイク、ナターシャには気をつけた方がいいよ。叔父さんはナターシャにぞっこんだから。きっと、この言葉は聞かせられない方がいいよ。」
ジェイクは頷いて、確信が芽生えた。それはナターシャだけの問題じゃなくて、叔父さんはお金がないし、家族も叔父さんのことをすごく心配してる。もしナターシャが騙してたら、叔父さんはどうなるんだろう?
車がマキシンの家の前に着いて、マキシンはジェイクのイケメン横顔を見て、帰りたくないって思った。
「ジェイク、ちょっとうちに寄ってご飯食べていきなよ。」
「いや。」ジェイクは真面目な顔で言った。
「ジェイク、まだ私が叔父さんを挑発したこと怒ってるの? 私が悪かったって分かってるわ。」マキシンは、彼氏と彼女みたいに腕を組んで、ジェイクの肩に寄りかかろうとしたけど、ジェイクは手を上げて避けた。
「ジェイク、うちに来たくないの?」ジェイクは気が進まなそうだったけど、マキシンはまた聞いた。
「行ったことないわけじゃないし。」ジェイクは適当に言って、「じゃあ、早く中入れよ。」
マキシンは仕方なく車から降りて、ジェイクの冷たい後ろ姿を見送った。
彼女は唇を噛んだ。ジェイクのあたしに対する態度は、全然彼女っぽくなかった。やっぱり、ジェイクの心の中にはナターシャしかいないんだ。
「ナターシャは?」家に着くなり、ジェイクは家族の召使いにナターシャの居場所を聞いた。
「自分の部屋で休んでるはずです。」召使いがそう言うと、ジェイクは階段を駆け上がった。拳を強く握りしめて、ナターシャに対して深く怒っていた。
ジェイクは、自分の体中に正義感が満ち溢れてるように感じて、この世のすごく悪いやつを懲らしめに行こうとしてた。「もう誰も、俺の叔父さんを騙せないぞ。」そう思って、足早にナターシャの部屋に飛び込んだ。
本を読んでいたナターシャは、ジェイクに気がついて不思議そうに頭を上げた。ノックもせずにドアを開けて入ってきたジェイクを見て、一言一言を噛みしめるように言った。「俺の叔父さんのことから手を引くのに、いくら必要なんだ? 俺が用意する。」
ナターシャはジェイクを不思議そうに見つめた。「ジェイク、何でそんなに頭に血が上ってるの?」