第27章 スポーツビューティー
トリクシー・アルバート・ブレイデンはダリル・ブレイデンに反応する隙を与えなかった。トイレのドアをババッと開けたんだ。
でも、中にいた人物を見て、フリーズした。
「お義母さん?」
ダリルの母が顔を洗っているのを見て、トリクシー・アルバート・ブレイデンはポカーン。
赤いスカートに、長い黒髪、スタイル抜群。映像に映っていた女性の後ろ姿とソックリ。
トリクシー・アルバート・ブレイデンは小声でつぶやいた。
まさか、勘違いだったってこと?ベランダにいた女は本当にダリルの母だったのか?
間違えるって、結構恥ずかしい。ダリル・ブレイデンに聞かれた時、トリクシー・アルバート・ブレイデンは、キンスリーのこと何も聞いてないし、何かあったんじゃないかって心配してただけ、って言った。
ダリル・ブレイデンは、トリクシー・アルバート・ブレイデンのアホさに笑い、どう呼べばいいのか分からなかったみたい。トリクシー・アルバート・ブレイデンも笑ってごまかしたけど。
人違いだったとしても、トリクシー・アルバート・ブレイデンの直感は、これは絶対おかしいって言ってたんだよね。
ご飯が終わってから、トリクシー・アルバート・ブレイデンはわざとダリルの母に、キンスリーのところに早く来ないかって聞いてみた。そしたら、ダリル・ブレイデンから電話がかかってきた。
ダリルの母が話してる時、ダリル・ブレイデンはトリクシー・アルバート・ブレイデンの目を見ようとしなかった。
ご飯を食べ終わってから、ダリルの母はキンスリーと少し遊んで帰った。
ダリル・ブレイデンは罪悪感を感じてたのか。書斎に入って、トリクシー・アルバート・ブレイデンに会議があるって言った。
トリクシー・アルバート・ブレイデンは笑って流した。もう、トリクシー・アルバート・ブレイデンはダリル・ブレイデンの言葉を信じてないんだ。
キッチンを片付けた後、トリクシー・アルバート・ブレイデンはキンスリーをお風呂に入れてあげようとしてたんだけど、その時、キンスリーがモゴモゴ言い出したんだ。
「ママ、あたしを脱がせて、あたしもママを脱がせてあげる!」
トリクシー・アルバート・ブレイデンの心臓がドキッ。娘を脱がせようとしていた手が止まった。
キンスリーをお風呂に入れる時、そんなこと言われたことなかった。キンスリーの突然のリクエストに、トリクシー・アルバート・ブレイデンはビックリした。
少し考えて、優しく聞いた。「なんで、ママを脱がせたいの?」
「パパと、あの美しいおばさんがそうしてたの!パパがあの人の服を脱がして、あの人がパパの服を脱がせてた!あたしもママを脱がしたいの!」キンスリーはそう言った。
キンスリーの言葉を聞いて、トリクシー・アルバート・ブレイデンの頭はクラクラ。一瞬にして真っ暗になり、よろけて、床に倒れそうになった。
監視カメラで見たのは、全部ウソじゃなかったんだ!
ダリル・ブレイデンは本当に、他の女と家にいたんだ…
トリクシー・アルバート・ブレイデンは、もう考えるのが怖くなった。それに、娘をダリル・ブレイデンのそばに置きたくなかった。
5歳って、色んなことを学び始める年齢でしょ。もしキンスリーがダリル・ブレイデンと一緒にいたら、ダリル・ブレイデンのクズっぷりを学んでしまうんじゃないかって、トリクシー・アルバート・ブレイデンは怖かったんだ!
お風呂に入れる気も失せて、そのままキンスリーのパジャマを着替えさせて、キンスリーをベッドに連れて行った。
それから、家の中を全部掃除した。シーツも替えたし、除菌スプレーもかけた。
ダリル・ブレイデンは一体、どこからあんな女を連れてきたんだ!
全部片付け終わってから、トリクシー・アルバート・ブレイデンはフランクにWeChatを送った。
「近々、会社の外注プロジェクトに行くわ」って。
「キンスリーの面倒を見るって言ってたのに?」フランクは聞いてきた。
フランクはすぐに返信してきた。トリクシー・アルバート・ブレイデンは考えたくて、適当に言い訳をして、昔のことを思い出してた。
「キンスリーはまず、お義母さんに預けることにしたの。外注のコミッションがすごく高いって聞いたから。ちょっと考えて、行くことに決めたの。」
フランクはもっと質問してくると思ったけど、フランクは「了解」って返信して、会話は終わった。
トリクシー・アルバート・ブレイデンは、ダリル・ブレイデンに全部ぶちまけるための証拠を見つける時が来たって感じた。
最近本当に嫌なんだ!
このままじゃ、いつかこんなことで鬱になっちゃう!
次の数日間、ダリル・ブレイデンはすごく大人しかった。
毎日、時間通りに仕事に行って、キンスリーを送り迎えしてる。
トリクシー・アルバート・ブレイデンは、数日後に旅行に行くって言ったんだけど、ダリル・ブレイデンはあまり反応しなかった。ただ、キンスリーをお義母さんに預けることになるけど、ちょっと嫌そうだった。
でも、最終的には妥協した。
ある日、トリクシー・アルバート・ブレイデンがキンスリーを家に連れて帰ってから間もなく、ダリル・ブレイデンも一緒に帰ってきた。ダリル・ブレイデンはすごく汗をかいてて、着替えてた。それで、トリクシー・アルバート・ブレイデンが何気なく聞いたら、ダリル・ブレイデンはフィットネスクラブの会員証を作ったって言ったんだ。
前にもやってたんだけど、会社が忙しくて期限切れになったんだって。
トリクシー・アルバート・ブレイデンも、ダリル・ブレイデンをからかって、もうそんな歳なのに、まだ人に習ってんのかよ、って言った。
ダリル・ブレイデンは笑うだけだった。
トリクシー・アルバート・ブレイデンが出張に行く時、ダリル・ブレイデンは渋々空港まで見送りして、飛行機が飛び立つ直前まで離れなかった。
ダリル・ブレイデンの目を見て、トリクシー・アルバート・ブレイデンの心は急に優しくなった。
もしかして、トリクシー・アルバート・ブレイデン、被害妄想激しすぎ?
1週間の出張中、トリクシー・アルバート・ブレイデンは仕事以外では、いつも監視ビデオを見たり、時間があればダリル・ブレイデンに電話したり、お義母さんに電話してキンスリーの様子を聞いたりしてた。
今のところ、変な感じはなかった。出かける前より落ち着いてた。
でも、トリクシー・アルバート・ブレイデンはいつも不安で、ダリル・ブレイデンが女と家を買ったんじゃないかって錯覚までしてた。
今回は本当に、カウンセリング受けに行った方がいいのかも。
出張の最終日の前日、プロジェクトは無事終了し、トリクシー・アルバート・ブレイデンは帰る準備をした。
ダリル・ブレイデンには言わず、家でサプライズしてあげたかったんだ。
トリクシー・アルバート・ブレイデンが荷物をまとめて、飛行機に乗ろうとした時、スマホに突然、お知らせメッセージが表示された。
カメラのメモリーカードに異常があるって。
トリクシー・アルバート・ブレイデンはカメラを起動して確認しようとしたんだけど、隣にいたスチュワーデスが、スマホの電源を切る時間ですよって言ってきた。
仕方なく、飛行機を降りてから確認することにした。
4時間のフライトは、長すぎも短すぎもしないけど、トリクシー・アルバート・ブレイデンにとってはすごく辛かった。
お知らせメッセージのせいで、カメラがおかしいのか、それともダリル・ブレイデンがカメラを見つけちゃったのか、トリクシー・アルバート・ブレイデンは色んなことを考えた。
席に座って、ずっと不安な気持ちでいた。
やっと飛行機が着陸して、トリクシー・アルバート・ブレイデンは飛行機を降りるとすぐにカメラを起動した。
何もなかった。ダリル・ブレイデンが一人でソファに座ってテレビを見てるだけだった。
トリクシー・アルバート・ブレイデンはホッと一息。映像の中で、ダリル・ブレイデンは電話に出て、スポーツバッグを持って急いで出て行った。
トリクシー・アルバート・ブレイデンの不安は無限に膨れ上がり、少し息苦しく感じた。
トリクシー・アルバート・ブレイデンは考え続けた。
誰から電話がかかってきたの?
本当にジムに行くためだけ?
他に女がいるのか…
トリクシー・アルバート・ブレイデンの頭の中はめちゃくちゃだった。
今、トリクシー・アルバート・ブレイデンは、ただ早く家に帰りたかった。
タクシーに乗って、運転手に住所を伝えて、トリクシー・アルバート・ブレイデンはスマホの監視ビデオに夢中になった。
4時間前のビデオを再生してみたけど、何も異常はなかった。ダリル・ブレイデンは家でバタバタして、片付け終わった後、ソファに座ってテレビを見てるだけだった。
突然、監視ビデオが真っ暗になった。まるで、何かで故意に遮断されたみたいに。
ダリル・ブレイデンはずっとソファに座っていて、動いてないから、ダリル・ブレイデンとは関係ないはず。
その時、トリクシー・アルバート・ブレイデンは、ジェッサが近況を更新してるのを見たんだ。
ジムでの自撮り写真で、自己啓発系の名言が添えられてた。
トリクシー・アルバート・ブレイデンは、最初はあんまり気にしなかった。ジェッサはよくこんなことするから。自分の生活を記録するみたいに、いつもこういうのを送ってくるんだよね。
でも、ふとジェッサのリストバンドに目をやると、トリクシー・アルバート・ブレイデンは眉をひそめた。
トリクシー・アルバート・ブレイデンがダリル・ブレイデンにあげた、あのペアのリ���トバンドと全く同じものだったから!