Chapter 8: 監視の設置
トリクシー は「はい」ってサラッと答えたんだけど、 ダリル がなんか変な顔してるの。
「どうしたの?」 って聞いたら、
「いや、なんでもない。見間違いかな。」 って首を振った。
でもさ、そういう態度って、逆に心臓に悪いじゃん。「 フランク・ジェイコブ 監督、何か言ってよ。」
フランク は キンスリー と一緒にいる ダリル をじーっと見て、ちょっと迷ってたけど、声を潜めて言ったんだ。
「あの人、見覚えがあるんだけど、その時一緒にいた女性は トリクシー さんじゃなかったような。」
すぐに、 ダリル と キンスリー が来た。
何か言う前に、 ダリル に後ろに引っ張られちゃった。引っ張ったのは ダリル 。それで ダリル は意味深な感じで言ったんだ。「 トリクシー 、この方は?紹介してくれないの?」
いつもなら、ヤキモチ妬いてるのかな?って思うんだけど、今はなんか、 ダリル が怪しいんだよね。
紹介し終わった後、 フランク は トリクシー をじーっと見て、何か言いたげな顔して帰って行った。
帰りの車の中で、 トリクシー は フランク の言葉を何度も頭の中で繰り返してた。 フランク が言ってた女の人って、クラブの妹のことかな?でも、 フランク の顔見てると、そんな感じじゃないんだよね。
キンスリー のキャーキャー聞こえる中で、震える手でスマホを取り出して、こっそり集めたものを開いた。もう待てないから、今すぐ監視カメラ注文しなきゃ。
「奥さん、聞いてる?」
突然 ダリル が振り返って、 トリクシー はびっくり。スマホが膝に落ちちゃった。それで、予想外のことが起きた。
トリクシー は「うわ!」って声出して、スマホを掴もうとしたんだけど、見つけたのはスマホじゃなくて、なんか柔らかい布。
トリクシー は変だって思って、よく見てみたら、ゾッとしちゃった。
下着だよ!
手に持ってたのは、黒いレースのレディースパンツ!しかも、履いたやつ!
トリクシー は吐きそうになった。足元なんて普段見ないから、スマホを拾うまで気づかなかったんだよね。
何か言おうとしたら、 ダリル が先に口を開いた。「 トリクシー 、まだ見つけてないのか?」
「見つけたよ。」 って言って、表情変えずにパンツを ダリル に投げつけて、スマホ拾って姿勢を正したけど、心臓はドキドキしてた。
この車は ダリル のいつもの仕事用の車で、 トリクシー は一度も乗ったことないんだよね。それに、あのパンツは トリクシー が履いてるやつじゃない。どう考えても、この車で女の人が脱いだんだよね。
何のために?言うまでもないじゃん!
家に帰ってから、トリクシー は何か見えないものを洗うみたいに、手をとにかく洗い続けた。
夕食の後、 ダリル が トリクシー を抱きしめて、小声で言った。「まだリスト決まってないんだ。この前 エディソン・ミラー さんに怒られちゃったから、冷たいんだよね。またアリアル市に3日間行かなきゃいけないんだ。」
最初は罪悪感があったんだけど、最近は、どうしても ダリル を疑っちゃう。
「そうなの?ごめんね。」 って トリクシー は言った。
ダリル はトリクシー の顔を見ない。「謝らないでよ。夫婦なんだから。」
トリクシー は心の中でニヤリ。「本当に夫婦かな?なんでこんなに隠すことばっかりなんだろう?」
3日間あれば、監視カメラ設置できるし、ネット通販って早いじゃん。次の日、小型カメラが届いた。
もう、 ダリル に逃げ道はない。
途中で調べるのやめても、一生疑心暗鬼のまま過ごすことになる。 トリクシー は歯を食いしばって、リビングに飾ってある絵の横に小型カメラを隠したんだ。
さあ、これでいつでも捕まえれる。