第24章 モニカをボスと見なす
いきなり、みんながモニカのこと、ちょっと尊敬の眼差しで見始めたんだよね。でも、一番ヤバかったのはその後。
オースティンも困惑したみたいでさ。誰かがオースティンに言ったんだ。「でも、ボス、あの女の子は感謝の気持ちもなくて、あんたのこと拒否ったじゃないですか…」
言い終わらないうちに、オースティンがそいつを殴った。「モニカにそんな口きくな! 今日からモニカが俺たちのボスだ。もし誰かモニカをいじめたら、俺、オースティンは許さないからな!」
殴られたやつはモニカを睨んだけど、もう何も言えなかった。他のやつらも、オースティンがマジだって分かったみたいで、モニカに頭を下げて服従の意思を示した。それからオースティンはモニカにヘラヘラ笑って、褒めてもらうのを待ってた。
ほんの数分で、まるで夢みたい。誰も信じられないって顔してる。
後ろで見てたベネディクトとカルビンも、言葉を失ってポカーン。隣にいたマックスは、その様子にすごく興味津々。モニカのこと、じーっと観察してるし。
モニカは冷静で、全然表情を変えない。オースティンの行動なんて、まるで気にしてないみたい。
クールに自分の時計を見て、オースティンに言った。「あたしはあんたのボスにはならないわ。授業の時間よ。もう邪魔しないで」
オースティンは、モニカが本当に勉強しそうな感じで本を開いたのを見て、焦ったみたい。お父さんから何度も「モニカとは仲良くしろ。恨みを買うようなことはするな」って言われてたから。
丁寧に言った。「モニカ、ごめん。俺が悪かった。許してくれ」
モニカは、まるで聞こえてないみたいに本を読んでて、今の状況とか全然気にしない。
オースティンは、全然相手にされてないことに顔を真っ赤にした。オックスフォードで、こんな扱い受けたことないもんな。本当は、モニカにボスになってほしくなかったけど、あんな風に公の場で拒否られたら、もう学校のボス面できないじゃん?
「モニカ、お前は嫌でも俺たちのボスだ!」
オースティンは怒って去って行った。モニカは、ほとんどの人が一番欲しがる肩書きを断ったことになんて、全然気付いてない。周りの目は、羨望と嫉妬でいっぱい。
マックスは、モニカの気楽そうな顔を見て、本当にオースティンのこと、全然相手にしてないんだって分かった。それでますます、モニカに興味を持った。
一体、何者なんだ? オースティンをこうもへこませるなんて。
アネットは、マックスがモニカのこと見てるのを見て、タイミング悪く彼のところへ。彼のモニカへの興味は隠せない。アネットはスクールバッグをぎゅっと握りしめ、マックスの視線を遮るように前に出た。
「マックス、校門のところに新しくカフェができたんだ。放課後、コーヒーでも行かない?」
マックスは視界を遮られたのが気に入らない様子。でも、アネットだって分かると、渋々承諾した。
アネットは満足して去っていった。アネットが去るとすぐに、マットがモニカに近づいて、コソコソ言った。「マックスがアネットにずいぶん前から頼まれてて、やっと彼女の彼氏になったらしいよ。本当みたいだね」
モニカはニヤリと笑った。
昨日の夜、自分の家であったことを思い出す。あの二人の姉妹、あんなに偉そうにしてたのに、ヴォンティの兄弟たちの前では、あんなにへりくだってたんだもんな。もし両親が知ったら、面白がるだろうな。
マットは頭をかきながら、心配そうに言った。「みんなのこと見てないで、自分のこと考えなよ。あんな風にオースティンを断って、本当に大丈夫なの?」
モニカは気のない返事をした。「大丈夫、何ともないから」
オースティンなんて、全然気にしてない。目の前の本に夢中だった。
ケールのことを考えると、彼の目は魅力的でいたずらっぽくて、皮肉屋だった。でも、同時に苛立ってもいた。今、どうしてるんだろう。
もし彼が生きてたら、こんなに罪悪感を感じることもなかったのに。
そう考えると、モニカは深く息を吸った。
授業のベルが鳴って、モニカはゆっくりと意識を引き戻された。
ハンナさんが、ハイヒールで大量のテスト用紙を抱えて入ってきた。
スージーに用紙を配らせてから、腕を組んで前に立ち、最初の数列を冷たく見つめて、鼻で笑った。「何人かの生徒は、カンニングするのに、他の人の答えを丸写しにしてるんだ。間違ったところまで写してるんだから、自分の名前書けばいいのに」
ベネディクトがコソコソ笑った。「きっとモニカがカンニングして、たくさん間違えたんだよ。俺たちは長いことやってて何もなかったのに。なんで彼女が来たら、ハンナ先生に見つかるんだ?」
カルビンもモニカを軽蔑するように頷いた。
ハンナさんは続けた。「ベネディクト、カルビン、マックス、あなたたち3人は、学力レベルが似てるんだから、なんでお互いの答案を写すの? テスト用紙にテキトーに落書きした方が、あなたたちより正解するんじゃない? わざと写して、私に気付かせようとしたの?」
ベネディクトは反抗的だった。「でも、モニカもカンニングしてたじゃないですか! 彼女が写してるのを見ました。なんで彼女は怒られないんですか?」
ハンナさんは、彼が人の弱みに付け込んでるのを見て激怒した。「カンニングしてるくせに、人のこと脅すなんて、よく言うわね! モニカはAだったのよ! Aを取ったのはモニカだけ。スージーは2問間違えたわ。モニカが誰の答えを写したか、教えて?」