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ルアナを離して、レイ・ルイックは二人がいつも座ってる、フカフカのデッカいベッドにまた座って、すぐに降りて、ナイトテーブルの方へ一歩踏み出した。
何か探してるのは明らかだったけど、何を探してたか忘れちゃったみたい。
ルアナは、旦那さんが何をしてるのか見てて、眉をひそめた。レイ・ルイックの動きがめちゃくちゃ速いんだもん。
「何探してるの、レイ・ルイック?」
レイ・ルイックは顔もそっちに向けずに答えた。「ちょっと、ハニー。」
レイ・ルイックの手はまだ、引き出しを開けたり閉めたりしてたけど、探してるものはなさそうだった。ちょっとの間、ピンって立って考えてたけど、レイ・ルイックは二人のデカいクローゼットに向かったんだ。
「何を探してるの?」ルアナはまた聞いた。「私に聞いてみて、もしかしたら知ってるかも?」
確かに、レイ・ルイックが探してるのが、ルアナが知ってるものだったらそうなるよね。
普通の旦那さんみたいに、レイ・ルイックはよく忘れ物するから、部屋のどこに何があるか知ってるのはルアナなんだ。
でも、今回はレイ・ルイックはルアナが何も知らないって確信してた。だって、ほぼ忘れかけてたんだもん。
「ちょっと待って」レイ・ルイックは背中を見せながらつぶやいた。「あった!」
レイ・ルイックは、ドレッサーの引き出しから何かを取り出して、背中に持ってベッドに戻ってきた。
「びっくりするかもよ、ルアナ」レイ・ルイックはミステリアスに言った。「ハイデルベルクのこと話してくれたから、急に思い出したんだ。」
レイ・ルイックはベッドに上がって、足を組んで座り、手はまだ隠したままだった。
「なあに?」ルアナは当然興味津々。「何買ったの?」
レイ・ルイックはニヤリと笑って、ゆっくりと手を動かして、数分前に探してたものを見せた。
「ジャン!」レイ・ルイックは嬉しそうに叫んだ。片手を広げて、そこに長方形の物体を乗せてた。「冷蔵庫の飾りだよ!」
ルアナは思わず目を大きく見開いて、今夜見たものに信じられないって顔をした。唇まで開いてるし。
冷蔵庫につけるマグネットの飾りをゆっくり見てた。そこに「ハイデルベルク」って書いてあって、ルアナがいつか、二人の街のお土産だって言ってくれたやつ。
「買ったの!?」今度はルアナが半分叫んだ。「これ、ハイデルベルクの!?」
ルアナに冷蔵庫のマグネットを持たせて、レイ・ルイックは素早くうなずいた。
「もちろん買わなきゃ、ダーリン」レイ・ルイックは答えた。「これがあれば、あそこに戻れるって言ってたでしょ?だから買ったんだ。」
ルアナの指が、冷蔵庫のマグネットをなぞって、明るい笑顔になった。
「えー、まさか本当に買うとは思わなかった」ルアナは顔を上げた。「いつ買ったの?」
「最初に歩いてって言ったとき、覚えてる?」
「うんうん。コーヒーショップで待っててって言ったよね?」
レイ・ルイックは嬉しそうに指を鳴らした。「そう!その時、店員さんからサッと買ったんだ。」
ルアナは本当に笑っちゃった。だって、あの時のレイ・ルイックは、ルアナにとってただの知らない人だったのに、ルアナの言うこと聞いてたんだもん。
「いつかハイデルベルクに帰りたいって言ってた時のためにとっておいたんだ」レイ・ルイックは奥さんの笑いが収まってから言った。「もし、本当に別れることになったら、あの街に二度と足を踏み入れることなんてないと思ってたんだ。」
ルアナはレイ・ルイックをじっと見て、冷蔵庫のマグネットをまだ持ってた。
「でも、戻れるチャンスができたみたいだね。だって、奥さんはあの美しい街で育ったんだから。」
ルアナのまぶたの動きが、その貴族を魅了した。何もしてないのに。そして、レイ・ルイックはルアナを心から愛してるって気づいたんだ。
ルアナを心の底から愛してる。ルアナのために何でもするつもりだった。
「ハイデルベルクはいつかあなたを歓迎するわ、レイ・ルイック」ルアナは今度はそう答えた。「私もそこに戻りたいな。一緒に行けたら、私が育った場所を見せてあげる。」
レイ・ルイックはさらにニヤリと笑って、ルアナの手の甲に触れた。
「じゃあ、ハイデルベルクでベビー・ムーンはどう?」レイ・ルイックは提案した。「行きたい?」
雨を待つ花のように、ルアナはこれ以上のものは望めなかった。一番欲しかったものを頼まなくてもいいって、本当に最高。
「マジで?」ルアナのキレイな瞳が見開かれた。「本気なの、レイ・ルイック?」
レイ・ルイックは言葉を冗談にしない。それがレイ・ルイックなんだ。
「今月はもっと頑張らないとね」レイ・ルイックは言った。「そうすれば、会社に迷惑かけずに長期休暇取れるし、ハニー、君が長距離運転しても大丈夫になるまで待てるから。」
すっごく魅力的な提案で、ルアナは首を横に振るつもりはなかった。
「いいよ」ルアナは明るい笑顔で言った。
レイ・ルイックと過ごす時間が増えるほど、彼のそばにいることが正しいって分かった。
かつてルアナにとって他人だった人が、今では何でも叶えてくれる人に変わってて、ルアナはそれに感謝してた。
「ありがとう、レイ・ルイック」冷蔵庫のマグネットを毛布の上に置いて、ルアナは旦那さんの頬を包んだ。「こんなに優しくしてくれて、夢を見てるみたいだよ。」
レイ・ルイックは顔を近づけて、二人の距離を埋めて、ルアナの唇を優しく舐めた。まるで運命をからかってるみたいだった。
ルアナは目をギュッと閉じて、レイ・ルイックがくれる、とろけるように親密な抱擁を楽しんだ。
「お礼なんて言わなくていいよ、ルアナ」レイ・ルイックは額をくっつけたまま囁いた。二人の呼吸は荒くて、もうほとんど距離はなかった。
レイ・ルイックがしたかったのは、奥さんを幸せにすることだけ。ルアナと調和のとれた家族を築くって約束したから。
あの女性とだけ。
「俺は君の旦那だよ」レイ・ルイックはまた囁いた。「そして、君を幸せにするためなら、何でもするよ。」
その言葉が言い終わるや否や、今度はルアナが顔を前に出して、旦那さんの唇の甘さをもう一度味わう番だった。
レイ・ルイックが、二人の触れ合いを支配し続けるのを許して、小さな噛みつきが要求感を生み出したけど、ルアナは自分がベッドに横たわってることに気づかなかった。
ちょっとの間、目を大きく開けて、レイ・ルイックが今、自分の上にいるのを確認した。レイ・ルイックのしっかりした手が、どこか別の場所をさまよってた。
カバーを引っ張って、レイ・ルイックは準備万端だった。