第100章:先延ばし戦術
お昼ご飯を食べてから、マルティナとエレナはまたオフィスに戻って仕事してた。
エレナはなんか考え事があるみたいだった。ほんのちょっとの時間に、マルティナのこと、もう何回も見てるし。
何年も一緒にいるから、お互い思ってること、大体わかるんだよね。
「マルティナ…」ついに、エレナはもう我慢できなくなって、そう呼んだ。
マルティナは、何のことか全部わかってるんだけど、知らないフリ。「なに?」
エレナ、クスクス笑った。なんか意外と、ある角度から見るとレスリーに似てるんだよね。どっちも純粋で素直な感じがある。
「実は、別に大したことじゃないんだけどさ。今夜、一緒に来てくれないかなって」エレナは言った。「大丈夫、そんな時間かからないから!多分、あなたの時間で1、2時間あれば十分だよ」
マルティナはマウス置いて、エレナのこと見て、疑うように聞いた。「また何か企んでるんでしょ?もう、クラブには行かないからね!」前の経験、忘れられないし、マルティナは同じ間違い繰り返したくなかったんだ。
エレナはすぐに、誓いのジェスチャーで指を4本立てた。「いやいやいや、クラブとは全然関係ないから!」
マルティナはもっとわからなくなった。「私のこと、知ってるでしょ?だから、なにがしたいの?」
エレナはプイって口尖らせて、マルティナと指切り。「んー。今日、私の兄の誕生日なんだ。家でパーティーするんだけど、あなたも来てくれないかな。ほら、そういうのって出ないといけないじゃん」
「でもさ、そういう人たち、あんまり好きじゃないんだよね。一緒にいると、なんかバカみたいだし。たまたま、私の兄があなたを俺に紹介しろってうるさいからさ。お願い、一緒に行ってくれない?」エレナが甘えるのって珍しいから、なんか特別な魅力があるんだよね。
マルティナはちょっと考えた。今は6時だし、寝るのは最低でも10時過ぎになる。
エザベスは、別に予定ないし、いつも家にいるか買い物してる感じだし。マルティナがこの時間に帰ったら、絶対エリザベスと会うことになるんだよね。マルティナは別にエリザベス怖くないけど、なるべく会いたくないんだよね。
だから、マルティナはあっさり承諾。「わかった。でも、今日みたいなのって、みんなフォーマルな服着るんでしょ?私、そういうの用意してないんだけど」
エレナは指パチン。「あー、全然問題ないよ!任せて!」
迷わず準備を始めた。なんと、マルティナのドレス、もう用意してあったんだ。完全に準備万端って感じ。ドレスのサイズもデザインも、マルティナの雰囲気にぴったり。
エレナは、スタイリストも呼んで、マルティナの身支度を手伝ってくれた。子供の頃みたいに、なんか懐かしい気持ちになったりして。
1時間後、マルティナはオフィスの即席更衣室から出てきた。黒いフォーマルなドレスを着たマルティナは、もう信じられないくらいキレイだった。
このドレス、有名なデザイナーの最新作で、世界に2着しかないんだって。
エレナの兄がすごいお金かけて手に入れたんだって。エレナの兄は、まさかこのドレス、自分が着るためじゃないって思ってなかっただろうな。
エレナは自分の「傑作」を見て満足げで、笑いが止まらない。「そう!これだよ!私の可愛い子、すごくキレイ!こんなに素敵な美しさを隠しておくなんて、もったいないでしょ!」
「絶対、派手に登場しなきゃ!じゃないと、あなたの顔も、こんな素敵なスタイルも無駄になっちゃう!」エレナの言葉に、マルティナはまた笑っちゃった。
マルティナの長くてカールしたまつげと、表情豊かな目は本当に魅力的だよね。彼女は笑って聞いた。「さっきは夕食のこと心配してたじゃん?もう大丈夫なの?」
エレナは自分の鼻をつまんで、甘えた声で言った。「もー、キレイな女の人見る方が、時間通りに来るより大事なんだから。それに、私の兄は、私にそんなことしないって!」
マルティナはため息をついて、エレナみたいな友達がいるのは、良いことなのか悪いことなのかって考えた。
色々考えて、マルティナは先にベンジャミンにメッセージ送ることにした。レスリーも一緒だし、何も言わなくても、あの人なら絶対わかるだろうけど。でも、自分で言うのと、人に言われるのとじゃ、全然違うんだよね。
マルティナはメッセージ送った。「エレナの兄の誕生日で、パーティーに出るよ。10時前には帰るから、待たなくて大丈夫だからね」
ベンジャミンとマルティナの間で、なんか立場逆転してる感じだよね。
前は、ベンジャミンがいつ帰ってくるか、マルティナが一番気にしてたのに。まさか、今度はマルティナが自分の予定を報告してるなんて。
何考えてるのかわかんないけど、口元にニヤリとした笑みが浮かんだ。ベンジャミンは、別に本気の愛とか売ってないだろうし。
レスリーは、マルティナがパーティーに行くって聞いて、一瞬止まった。
色々考えて、すぐにトイレに行くって言い訳して、急いで出て行った。本当は、ベンジャミンにこっそり電話してるんだよね。でも、電話に出たのはベンジャミンじゃなくて、アシスタントのサイモンだった。
サイモンは電話に出ると、すぐに外に出て行った。うっかりビジネスの話を邪魔したくないからね。
「レスリー、こんな時間にどうしたんですか?ボスは今、協力について話し合ってる最中で、返事する時間ないですよ」サイモンはできるだけ小声で言った。でも、自分が離れたせいで、ベンジャミンの思考も一緒に連れ去られることに気づいてなかった。
レスリーは真剣な顔で言った。「マルティナ・マルティネスさんが、ロドリゲス家の若様のパーティーに出たいってこと、ボスは知ってるんですか?」
「ボスは、マルティナさんと一緒にいれば、何しても良いって言ってるけど、マルティナさんが他の男の人と会うとか。ボスが後で知ったら、生きたまま皮剥がされちゃうかもしれないですよ」レスリーは心配そうに言った。
レスリーは外見は強そうだけど、ベンジャミンの前では、誰だって同じように不安になるんだよね。
サイモンは一瞬止まって、やっとレスリーがなんでこんな時間に電話してきたのか理解した。今の状況でボスの集中を邪魔できないけど、もしマルティナさんがパーティーに出たいってこと、ボスが知ったら、絶対機嫌悪くなるだろうし。
色々考えて、最終的に解決策を思いついたけど、別に良い方法じゃないんだよね。
「ちょっと時間稼ぎできませんか?お腹痛くて具合悪いとか言って、とにかくできるだけ遅らせるんです。ボスの会議は、多分10分くらいで終わるから、そしたら連絡します」サイモンは提案した。
レスリーは最初、そうしようと思ったんだけど、突然、エレナの急かす声が外から聞こえてきた。「レスリー、まだなの?ベンジャミンから給料もらってるんでしょ、うんこ我慢するためじゃないでしょ!」
「まだ調子悪いなら、あなた抜きで行くわよ。私の家、どこだかわかってるでしょ?うまくいかなかったら、後で一人で来ても良いし!」エレナはそう叫んだ。
レスリーはすぐに焦って、遅らせる作戦は無理だって悟った。
サイモンは言った。「もしもし?レスリーさん?」
レスリーは諦めたように答えた。「遅らせるのは無理みたいです。ボスに生きたまま皮剥がされたかったら、止めてください」
サイモンは返事しないで、どうしようかって考えてた。ボスを邪魔すべきか、しないべきか…