第184章:私に向けろ
ベンジャミンの声に、エイミーはどんどん不安になっていった。
「え、何?」って震えてるし。
エイミーの握りしめた手を観察しながら、マルティナはマジウケって感じだった。
エイミーがさ、もし最初から自分の間違いに気づいてたら、こんなことにはならなかったかもしれないのに。今更、誰に反省したフリしてんの?
てかさ、マルティナ的には、ベンジャミンがどうするのか興味あるんだけど。自分のやり方貫くのか、それともパロマ家の立場とか気にして、また許すのか?
ついに、ベンジャミンの言葉が、マルティナの心の疑問に答えた。「前回は、お前のじいちゃんの顔を立ててチャンスをやったけど、お前はそれを大事にしなかった。だから、今回はもうミスター・ゲイリー・パロマのことなんか考えない」
次から次へとダメージを受けて、灰になったエイミーの心は、さらにグチャグチャになっていく。
エイミー的には、全部マルティナが悪いってことになってるみたい。マルティナさえいなければって思ってるんだろーなー。
でも、エイミーはそれを口に出すこともできない。涙目で上目遣いで見てるだけ。そうすることで、自分の心の安らぎを探そうとしてるみたい。それがどれだけ小さくて、もしかしたら自分の心の中だけの幻かもしれないのに。それでも、必死に抗おうとしてる。
こういう考え方する奴もいるんだよなー。なかなか変わらない。
アダムはビビりまくってて、ベンジャミンの方を警戒した目で見てる。
今のベンジャミンは、前とは全然違う。マルティナのことでキレるし、取り乱すし。マルティナのために、どんどんヤバい人になってる。
アダムは、もうどうにもできないってわかってる。邪魔したら余計悪化するだけだし。ベンジャミンのこと、最初から呼び方変えてるし。ファーストネームで呼んでるし。
マジで、二人の関係はもう修復不能なとこまで来ちゃったんだなー。じゃないと、こんな状態にはならないもん。
「ベンジャミン、何か文句があるなら、俺に言えよ。妹をいじめるなよ。あいつはただのイノセントな女の子なんだから。弱い女の子をターゲットにして、卑怯者だって言われたくないだろ?」
こんなこと言うの、笑えるんだけど。エイミーはさ、マルティナに対してあんなことしてて、悪魔って言われるのは怖くないわけ?
実際は、エイミーがマルティナのこといじめてたんだよな。マルティナの弱みに付け込んで。マジで、見当違いも甚だしい。マルティナは一人じゃないんだよね? 今はベンジャミンが一番の、そして唯一の味方なんだから。
ベンジャミンは、他の奴らには冷たい態度だけど、マルティナには違うんだよ。誰にもマルティナを傷つけさせない。
でも、一部の奴らは、まだこの現実を理解できてない。全部マルティナが悪いってことにしたがってる。ベンジャミン相手にするのは大変だって、ただそれだけ。
マルティナの立場を利用して、いじめようとしてたのに、ほとんどの奴らは知らないフリしてる。
ちょっと頭の良い奴なら、全部見抜いてるから。だからベンジャミンはあんなに怒ってるんだよ。
今のマルティナの経験なんて、ほんの一部だったんだよな! ベンジャミンは胸が痛むし、自分が原因だって余計に辛い。もっとマルティナのこと理解してれば、状況変わったかもしれないのに。
アダムの言ったこと、ベンジャミンは全然聞いてないみたいで、エイミーにトドメを刺すような言葉を発した。
「警察呼んで法に任せるか、それとも倍返しするか。お前が選べ」
どっちの選択肢も、エイミーにとっては最悪。
警察呼んだら逮捕されて、たとえ保釈されたとしても、一生消えない傷になる。
もう一つは、ベンジャミンの個人的な復讐。でも、今のベンジャミンの決意からすると、倍返しも避けられない。
結局、選択肢は前と変わらないのに、エイミーはどっちも選びたくない。自分の立場とか、なんでこんな目に遭わなきゃいけないのか、とか全然考えてない。他の奴に同じこと言われたら、ブチギレるくせに。
アダムはマジでヤバくて、思わず突っ込もうとしたけど、レズリーが止めた。レズリーは、ただ見てるだけのために雇われたわけじゃないからね。こういう状況を解決するのが役目だし。
「ミスター・パロマ、落ち着いてください。何か問題があるなら、俺に言ってくださいよ。ここで怒っても、誰にも良くないですから」レズリーの言い方は妙に優しかったけど、やってることは意味不明。
レズリーの言葉は、人に深い恐怖心を与える。ベンジャミンの許可がなければ、こんなことできないだろうし。
アダムは大声で叫んだ。今この瞬間も、自分が悪いとは思ってないみたい。こういうのは、彼らに共通した特徴なのかもしれない。
エイミーもアダムも、自分を責めないタイプの人間なんだよな。
「ベンジャミン、なんでこんなことするんだよ? どんなことがあっても、妹はお前の世話で育ってきたんだぞ。そんなに冷たい人間なのか?」アダムは、どんな気持ちでこんなこと言ったのか、周りの全員がビックリしてた。
「妹に愛情があるとは思わないけど、少なくとも傷つけないでくれよ。何か恨みがあるなら、俺に来いよ。妹相手にする必要はないだろ」
ベンジャミンがいじめっ子みたいになってるし、マルティナも呆れて目を回してる。
「パロマ、マジで頭おかしいの? 精神病院行った方がいいよ。番号教えよっか?」マルティナは言い放った。
アダムは反論した。「黙れ! お前のせいで、ベンジャミンとの関係がこんなことになったんだ。あいつは妹をいじめるなんてしなかった!」