第60章:劇的な変貌
えーと、一体何があったんだろ? 【ベンジャミン・ウォーカー】はさっぱり分かんない。
【マルティナ・マルティネス】の自分に対する態度、なんでこんなに変わっちゃったんだろ? 何もしてないのにさ。
お昼ご飯の時間。
【ベンジャミン・ウォーカー】はほぼ時間通りにご飯を届けに来た。
ぶっちゃけ、【マルティナ】お腹ペコペコだったんだよね。
一日何も食べてないし、テーブルの上にあるチキンスープと、お粥も冷え切ってるし。
だから【マルティナ】は食べなかった。
今は、ただお腹がグーグー鳴るのを感じるだけで、他のことはあんまり気にならなかった。
だって、どう転んでも結果は同じでしょ?
【ベンジャミン・ウォーカー】がまた新しいお弁当を持って病室に入ってくるのを見て、【マルティナ・マルティネス】のお腹はさらに大きく鳴った。
「腹が減っては戦はできぬ」って言うしね。
それに、【マルティナ・マルティネス】はもう2食も食べてないし、もう遠慮とかどうでもよくなっちゃった。
ここから出たい気持ちはあるけど、健康には気をつけないと。
だって、ご飯は革命の燃料だし、体が元気じゃないと、もっといい方法も思いつかないでしょ?
【マルティナ・マルティネス】はお弁当の中身には興味なかった。
でも、「ありがとうございます」って丁寧に言った。
過去も今も関係なく、【マルティナ・マルティネス】が【ベンジャミン・ウォーカー】に感謝したことなんてなかったんだから。
まさかそんな言葉を聞くなんて思ってなかったから、【ベンジャミン・ウォーカー】は余計に気分が悪くなった。
同時に、【サイモン・リー】が慌てて部屋に入ってきた。
多分、【ベンジャミン・ウォーカー】に何か報告することでもあったんだろう。
入ってくるなり、【マルティナ・マルティネス】が黙々とご飯を食べてるのを見て、【ボス】のことなんて完全に無視してる。
【サイモン・リー】は思わずもう一度【マルティナ・マルティネス】を見た。
別に見た目がどうとかじゃなくて、最近の【マルティナ・マルティネス】の行動とか、色んなことへの対応の仕方が、皆んなから尊敬と憧れの眼差しで見られてるから。
【ベンジャミン・ウォーカー】は、もう【マルティナ・マルティネス】の顔から、カラーパレットみたいな化粧は落としてたけど、あれのままだとヤバかっただろうし。
ぶっちゃけ、【サイモン・リー】は、なんでこんなに人が変わるのか理解できなかった。
1日に何回も電話してた【マルティナ・マルティネス】が、そんなことしなくったのは、マジですごい。
【マルティナ・マルティネス】を知ってる人なら、見た目だけじゃなく、中身もすっごく変わったって分かるはず。
変わったことは、すごい褒められるべきことなのに。
でも、状況が完全に変わっちゃってて、【ボス】と【マルティナ・マルティネス】は一触即発みたいな感じになってる。
【ボス】がまだ少しは理性保ってて、2人が直接ケンカみたいなことにはなってないからよかったけど。
不幸中の幸いってやつかな?
じゃないと、その場で説明したり、解決したりするのはもっと大変だったろうし。
【サイモン・リー】が入ってきて、【ベンジャミン・ウォーカー】の耳元で結構長い時間何か話してた。
具体的に何言ってるのかは分かんなかったけど、会社の仕事のことだろうなーって。
【サイモン・リー】がわざと声のトーンを落として、聞かれたくないって感じだったから、【マルティナ・マルティネス】もわざわざ聞こうともしなかった。
夜ご飯は、お粥と野菜の盛り合わせだった。
ちょっと質素すぎない?
【マルティナ・マルティネス】は、退院したら牛一頭くらい食べちゃいたいって思ってるかもしれない。
【ベンジャミン・ウォーカー】の計画では、【マルティナ・マルティネス】がご飯食べ終わったら、すぐ病院を出るつもりだった。
【マルティナ・マルティネス】の体調もかなり良くなってきてるし、ちょっと弱ってるから休ませるくらいで、他に心配なことはないし。
最近、【ベンジャミン・ウォーカー】は【マルティナ・マルティネス】を探すのに夢中で、会社の仕事をおろそかにしてた。
会社の重役達も、それにめっちゃ不満持ってて、【ベンジャミン・ウォーカー】を弾劾しようとしてるくらいなんだから。
やっと【マルティナ・マルティネス】を見つけられたんだから、【ベンジャミン・ウォーカー】は、どんなことがあっても会って、話を進める方法を探すって決めてた。
多分、【マルティナ・マルティネス】が自分のそばに戻ってきたからだと思うんだけど、【ベンジャミン・ウォーカー】は何だかすごく安心した。
会社のことは、【ベンジャミン・ウォーカー】が本気を出せば、解決できないことなんてない。
ちょっと時間がかかるかもしれないけど。
【マルティナ・マルティネス】は、話し合う時間も考える時間もなく、突然連れて行かれたんだ。
まさに電撃的な出発だった。
今回は、【ベンジャミン・ウォーカー】は本気みたい。
【マルティナ・マルティネス】の全部の行動をじーっと見てて、いつでもそばに置いておきたいって思ってるみたい。
この間の観察で、【サイモン・リー】は判断に自信がなくなってた。
ぶっちゃけ、前は【マルティナ・マルティネス】のこと、そんなに高く評価してなかったんだよね。
別に可愛くないってわけじゃなくて、むしろ可愛すぎるから、才能とか見過ごされがちだったんだよね。
【マルティナ・マルティネス】は、ただの飾り物、花瓶みたいなもんだって思われてた。
前は、花瓶は、飼い主を見たらすぐに色んなモードに切り替えて、気に入られようと必死だったのに。
でも、全部失敗して、結局は自分が困る羽目になったんだよね。
【マルティナ・マルティネス】が、【ボス】に対して、あんなに冷静でいられるってのは、すごい変化だよ。
【サイモン・リー】は、【マルティナ・マルティネス】の中に、今まで見たことのない、色んなものを見たんだよね。
誰が見ても、【マルティナ・マルティネス】は変わったし、すごく手強くなったって分かったはず。
【マルティナ・マルティネス】は、【ベンジャミン・ウォーカー】の周りの人達のこと、全員、嫌ってるみたいだし!
前は、アシスタントのチームのメンバーに近づいて、彼らが【ベンジャミン・ウォーカー】との関係を壊しちゃうんじゃないかって、すごく心配してた。
だから、彼らを喜ばせようと、貴重なものをあげたりしてたし、まるでガムでも配るみたいにさ。
ただ自分が気に入られたかっただけなのに、まさかこんなことになるとはね。
【サイモン・リー】は、多分、【ボス】が昨夜一晩中、【マルティナ・マルティネス】のベッドのそばにいて、ずっと見てた理由が分かった。
【サイモン・リー】は、【ボス】の立場になって、なんでそんなことするのか考えてみた。
もし自分にこんなことが起きたら、受け入れるのは難しいだろうし、自己嫌悪に陥るかもしれない。
【ボス】の反応があんなに強烈なのも無理ないよね。
過去と現在の違いが大きすぎる。
【ボス】が簡単に受け入れられるわけがない。
前の【マルティナ・マルティネス】は、周りの人が嫉妬するくらいすごかったけど、それは彼女のステータスとか性格のおかげだったんだよね。
だから、そういう人達は彼女をいじめたいと思ってたんだ。
【ベンジャミン・ウォーカー】のお金目当てだって信じて。
アヒルが白鳥になろうとするなんて、無理でしょ?
【マルティナ・マルティネス】は、欲張りすぎたんじゃない?
近づいてきて、踏みにじろうとする人がたくさんいた。
【サイモン・リー】も、そういう状況を過去に見てきたから。
最終的に、そういう人達はもっとずる賢くなって、本性を隠すようになった。
でも、だからって【マルティナ・マルティネス】が傷ついたからって、妥協したり、諦めたりするわけじゃないんだ!
【マルティナ・マルティネス】は、過去に【ベンジャミン・ウォーカー】を大切にしてたみたいだけど、今は、その優しさとかが全部消えちゃったみたいなんだよね。