第41章:彼女は本当に彼をそんなに嫌っていたのか?
エレナは、ギリギリのところで死の淵から這い上がったばっかりなのに、良いことだけ言って、心配事は自分だけで抱え込んでた。
感情をできるだけ抑えようとして、「まさかー!私、ロドリゲス家の可愛い娘なんだから!」って言った。
「だって、彼氏…、いや、元彼、マジで影響力あるけど、ウチの家だってすごいんだから!私になんか絶対しないって!」
エレナは、自分の言葉を信じてなかっただろうね。だって、足、まだめっちゃ震えてるんだもん!
それに、それだけじゃないんだから!
今のエレナは、マジでヘロヘロになってて、なーんにもする気力がないんだから。
マルティナは、エレナの言葉、簡単には信じないけど、ベンジャミンがあんまり激しい「攻撃」をしてこなくて、ちょっと安心した。
「ごめん、私のせい。」それ以外、何て言えばいいかわかんなかった。
エレナは、ちょっとムカついた感じで、「もういいよ、謝んないで。そういうの嫌いだし。あ、そうそう、マルティナ、元気?大丈夫?安全?」ってつぶやいた。
「ベンジャミン、あのキチガイが、あなたを探すために、最低でも数百人、下手したら数千人くらいの人を送り込んでるって聞いたけど、どうなの?」って、エレナは続けた。
マルティナとエレナの関係って、こんな感じなんだよね。お互いのこと、考えずにはいられないんだよ。
マルティナが明らかにピンチなのに、いつもと変わらないんだから。
エレナの言葉から、マルティナは、自分の予想が当たってたって確信した。
やっぱりベンジャミンだ。街中で大捜索してる人たちは、間違いなくベンジャミンの人たちだ。
マルティナは、平気なふりして、「大丈夫だよ、元気だよ。」って言った。
エレナは、マジでマルティナに、今どこにいるのかとか、何か手伝うことないかとか、聞きたかった。
あるいは、一緒にいるべきじゃないかって、せめてお互いを守り合えるように。
でも、さっきのベンジャミンのマジで怖い顔を思い出すと、今、軽はずみな行動をしたら、絶対に見つかっちゃう!ってエレナは思ったんだ。
だから、自分の気持ちを抑えて、マルティナに居場所のこと以外、色んな話した。
マルティナも、お互い言わなくてもわかることだってわかってて、答えなかった。だって、知ってるから。
エレナが、本当にどこにいるのか知らなければ、ベンジャミンが後でエレナの家のドアをノックしても、エレナは、少なくとも少しは自信を持てるでしょ。
マルティナは、もうすでにエレナに、たくさん迷惑かけてるんだから、また危険な状況に巻き込むことなんて、できない。
数分後、マルティナは、もうあんまり長く話し続けるのは良くないって気づいて、自分から電話を切った。
こんなに隠れてるうちに、自分の気持ちもだんだん落ち着いてきた気がする。
特に今は、前みたいに、ベンジャミンのことを思うと、もうどうしようもなく泣きたくなるような気持ちにはなってない。
マルティナは、冷静に物事を考えられるし、ベンジャミンの次の行動も、ちゃんと予想できる。
マルティナは、ベンジャミンと一緒に過ごした年月が無駄じゃなかったんだ。少なくとも、ベンジャミンのことを少しはコントロールできる。
でも、こんな時間は長くは続かないだろうね。マルティナは、あの男が、自分を徐々に忘れてくれればいいって願ってる。
もう戻れないものは、絶対に元には戻れないんだから。
無理やり連れ戻されたとしても、幸せになんてなれない。
二日経った。
マルティナの右目が、また止まらなくなってきた。急いでトイレに行って顔を洗ったけど、全然効果がない。
綺麗な手で、自分の胸に手を当てた。ついに来たのかな?
エレナの話だと、ベンジャミンは、マルティナをできるだけ早く見つけるために、こんなにたくさんの人を用意したらしい。
でも、マルティナは、そんなの望んでない!
マルティナは、ちょっと考えた。たぶん、ベンジャミンは、すぐにマルティナがいる街にも人を送ってくるだろう。もう一回、場所を変えないといけないみたい。
情報収集のために、マルティナは、マスクとサングラスをして、白いシンプルなワンピースを着て、ドアから出て行った。
顔が見えないのに、マルティナの抜群のスタイルは、たくさんの人の視線を集めた。
守ってあげなきゃ!って思わせるオーラがあるのに、実際は、めちゃくちゃ強いんだよね。
こんな苦労を乗り越えたんだから、もう誰かに守ってもらう必要なんてない。自分だけで、ちゃんと生きていける!
マルティナは、ウロウロしてみたけど、今のところ怪しい人影は見当たらなかった。お菓子とか飲み物を買って、お金もそろそろヤバいし、もうこんな生活も無理だわ。場所、変えなきゃ!
食べ物が入ったバッグを持って、マルティナは、顔を伏せて、小さな道を急いで歩いた。交差点に着いた時、黒いマイバッハと肩がぶつかった。
マルティナは、ずっと顔を伏せてたから、全然気づかなかった。もし見てたら、びっくりしてたかもしれない。あれ、ベンジャミンの高級車なんだから!
ベンジャミンの方では、二日間の期限が迫ってきて、自らレスリーに電話した。
でも、結果は全然良くなかった。レスリーは、マルティナが前に泊まってたホームステイとか、農家の宿は見つけたけど、残念ながら、もう遅かったって言った。
普通なら、レスリーが約束を果たせなかったら、ベンジャミンは、すぐに彼をクビにしてただろうね。ベンジャミンは、能力のない人が嫌いなんだから。
でも、今は特別な状況だし、ベンジャミンの寛容さも、いつもより強くなってるみたい。
ベンジャミンは、まだ怒ってるけど、少なくとも、めちゃくちゃ理性を失うところまではいってない。
ベンジャミンは、夜寝る時にマルティナがいつも抱きしめてたぬいぐるみと一緒に、車の中に座ってた。
それは、小さなウサギのぬいぐるみで、ベンジャミンの身長の半分くらいで、めっちゃ可愛いし、まだマルティナの匂いが残ってる。
ここ数日、ベンジャミンは、夜もなかなか寝付けなかったんだ。この小さなウサギを抱きしめてる時だけ、少しだけ眠ることができたんだ。
ウサギの匂いを嗅ぐと、まるでマルティナがすぐそばにいて、絶対離れないみたいな感じがした。
この瞬間、ベンジャミンは、そっとウサギの目を触った。ウサギの黒と白の目は、まるでマルティナがいつもベンジャミンを見てた時の、あの視線みたいだった。
でも、なんでマルティナは、こんなに冷たくて、何の前触れもなく、いなくなっちゃったんだ?そんなにベンジャミンのこと、嫌いだったから、完全に消えてしまいたかったのか?
ベンジャミンは、周りにいる人全員を絞め殺したいような、暗いオーラに包まれていた。
サイモンは運転してた。彼は、もう何日も、心身ともに疲労困憊だった。
二人は、レスリーが調べた街に着いた。そこには、マルティナがいた痕跡があった。
ベンジャミンは、レスリーと電話してたばっかりで、道端にいる女性の姿を一瞬見逃してしまった。
もし、ベンジャミンがちょっとでも顔を上げてたら、状況は変わってたかもしれないのに。
…
レスリーは、まだ調査を続けてる。今も、調査したり、調査のために走り回ったり、頑張ってる。
こんなにハードな仕事、久しぶりだよね。まだ若いから、なんとか耐えられるけど、30歳だったら、もう無理だったかも。