第137章 油絵
少しの間おしゃべりしてたら、あっという間に月が木の上を飛び越えちゃったね。
「いやー、もう遅い時間だね。ミズ・ダ、今日はこの辺で話おしまいにして、早く寝よっか。」
話せば話すほど元気になっていく様子を見て、マーカスは話を止めた。
画面の向こうで、ローラはこくこく頷いた。「わかった。おやすみ。」
「おやすみ。」
次の日。
教務室。
「校長先生」ウィルソン先生は携帯を取り出して言った。「大学から面接枠が3つ来ました。うちの学校から面接に行く人を3人選びますか?」
ウィルソン先生の大学は毎年卒業生に3つの枠をくれるんだ。
もし誰かが学校の面接に合格したり、ミセス・デイビスが学校の試験に合格したら、卒業証書がもらえる。
校長先生は鼻の上の老眼鏡を上げて、考え込んだ。「3つ?」
「国際交流クラスに2つ、1年生に1つはどうですか?どう思いますか?」そう提案した。
ウィルソン先生は少し考えて、同意した。
「はい。」
ウィルソン先生がオフィスを出ようとした時、校長先生は何かを思い出したかのように彼女を呼び止めた。「ウィルソン先生、ヨーロッパ美術学校の人を知っていますか?」
突然の質問に、ウィルソン先生は驚いた。「はい、何か?」
「その3人の面接官を大学に連れて行く時、美術科の生徒とローラも連れて行って面接を受けてもらえませんか?」
ウィルソン先生は少し躊躇した。苗字を聞くと、考えもせずに言った。「それはちょっと…都合が悪いかと。」
これは拒否の意味だ。
校長先生は予想通りの答えで、無理強いはしなかった。「じゃあ、まずはノッティング大学に行くことを相談しましょう。」
ノッティング大学はウィルソン先生の出身校だ。
話の途中、校長先生は突然電話を受けた。
「うんうん、あ、わかりました…わかりました、わかりました。」
電話を切った後、校長先生はウィルソン先生を見て尋ねた。「そういえば、あなたの英語の発音、すごく上手ですよね?」
「ええ。それが何か?」
「ちょうどいい。」校長先生は笑った。「後でヨーロッパからお客様が来ます。一緒に迎えに行ってください。」
ウィルソン先生はもちろん異論はない。
ただ困ったことに、2組の次の授業は彼女の担当なので、まずはお休みしないといけない。
2組に入ると、ウィルソン先生はあたりを見回し、生徒たちが勉強に没頭している様子を見て、とても満足した。
「みんな、先生はちょっと用事があるので、このクラスで自習していてください。」
規律などの雑事を説明した後、ウィルソン先生は振り返って出て行った。
8組の前を通り過ぎた。
わけのわからない心理から、窓をちらっと見た。
目に飛び込んできたのは、テーブルに頭を乗せて、気持ちよさそうに寝ているローラの姿だった。
ウィルソン先生は無意識のうちに鼻で笑った。
あんな「食っちゃ寝」の生徒が、自分の学校にいるなんて、教育資源の無駄だ!
…
応接室。
校長先生とウィルソン先生は急いで入ってきた。
隅にいる金髪の若者を見て、校長先生は慌てて笑顔を作った。「オレーン、おもてなしが至らなくてすみません。我々…」
オレーンは彼のことなど見向きもせず、油絵を持って太陽の下で周りを見渡していた。「ああ、なんて美しい絵なんだ…こんなに精巧な絵を描ける人は、どんな人なんだろう!…」
校長先生は外国語が分からず、ウィルソン先生が耳元でささやいて翻訳して、オレーンが何を言っているのか理解した。
彼の目は絵に落ち、表情は少しぼんやりしていた。
この絵って…ローラが美術祭に出した作品じゃん?