第327章 ファイル消失
「バラすなよー、誰かが話すまで待ってて。」とダニエルはアーサーとムー・フォンに説明した。「試験の時間、変わったんだ。じいちゃんが月末に設定するつもりだって。」
アーサーは慎重にメモをしまった。期待を込めた目でダニエルを見て、「兄貴、いつじいちゃんに会える?」
ダニエルは言った。「最初の試験に合格したらだよ。」
アーサーはほっとした。すぐにメモが見たかったから、別れを告げると、さっさと行ってしまった。
ダニエルは言いたいことを説明し終えて、帰ろうとしたが、何かを思い出したように振り返り、注意を促した。「ムー・フォン、最近は体調に気を付けてね。参加するだけって気持ちでも、体が悪いと、試験の結果に影響が出ちゃうから。」
ムー・フォンの瞳は薄いグレーで、今の彼はものすごく真剣な顔をしている。
彼は軽くうなずいた。「兄貴、わかってる。」
...
「兄貴、俺のSNSのアカウント、乗っ取られちゃったんだ。他の人のパソコンに侵入できるコード、くれよ。」
デニスはハッカーの兄貴に頼んだ。
兄貴はコードを直接メールに送ってくれた。「おう、SNSのアカウント見つけたらコードは消せよ、他のことに使うなよ…」
彼は思わず笑ってしまった。「何言ってんだ?お前が他のことに使うわけないだろ。」
「はいはい、兄貴、からかわないでよ。」
デニスはそう言いながら、少し目をそらした。
幸い、兄貴は何もおかしいことに気づかず、いくつか説明をして、すぐに帰っていった。
デニスはパソコンを起動し、コードを入力した。
実は、SNSのアカウントを盗まれたのは口実で、彼の目的は最初から一つだけだった。それは、ローラに侵入して、指導監督官が彼女に送ったファイルをコピーすること!
「ちょっと見るだけだよ、他のことするわけじゃないし…」デニスはそう呟いて、そうすれば罪悪感が消えるような気がした。
最初は順調に進み、彼のパソコン画面は別の画面に切り替わった。
ローラはファイルをごちゃごちゃデスクトップに置くのが面倒だったのか、「CCTVコンペ」というアイコンをデニスはすぐに見つけた。
ファイルを自分のパソコンにコピーして、クリックしようとした時、「ビー!ビー!」
ステレオから突然、けたたましいアラーム音が鳴り響いた。
デニスは突然の音にびっくりした。慌ててファイルを閉じようとしたが、パソコンが固まってしまい、マウスをどこをクリックしても操作できない。
真夜中、アラームの音がすごく大きく響き、デニスのこめかみがピクッと跳ねた。途方に暮れて、彼はパソコンのプラグを抜いた。
部屋は静かになった。
「ガチャン」と寝室のドアが開いた。
リン・フーは明らかにアラームで起こされたようだ。薄いグレーのパジャマを着て、眠そうにあくびをしている。「デニス、こんな遅くに何してるんだ?」
デニスは暗いパソコン画面を見て、少し後ろめたそうな顔をした。彼は立ち上がり、リンの父を掴んで、自分の寝室に連れ戻してあげた。
「いや、ちょっと間違えてボタン押しちゃって…」
「へー。」リン・フーはまたあくびをして、深く追求する気はない様子。「こんな遅い時間だ、デニス、早く寝ろよ、勉強で体を壊すなよ。」
デニスは一つ一つ返事をして、リン・フーをベッドに寝かせ、電気を消した。
自分の部屋に戻り、彼はパソコンを再起動した。
ローディング画面がすごく長くて、デニスは熱心に見つめていた。パソコンのデスクトップが表示された時、彼は驚いた。「え、何これ!」
たった今コピーしたファイルだけでなく、自分のパソコンにあったファイルも全部消えてる!