第193章 良い苗
時間(じかん)はチクタク、会場(かいじょう)にはどんどん人(ひと)がやってくる。
ブートさん、遅(おく)れてきた。座(すわ)るところを見(み)つけて座(すわ)った。顔(かお)を上(あ)げて見(み)ると、ローラはまだ来(こ)ない。
無意識(むいしき)のうちに、彼女(かのじょ)は軽蔑(けいべつ)の笑(え)みを浮か(うか)べ、隣(となり)に座(すわ)っているリリーに言(い)った。「ローラは、来(こ)るのが怖(こわ)いんじゃないの。」
リリーは答(こた)えなかったけど、後(うし)ろに座(すわ)っていたリー・ヘンが話(はなし)を引(ひ)き継(つ)いだ。「そうだね、きっとローラは来(こ)る勇気(ゆうき)がないんだよ!」
「カチッ」。針(はり)が2時(じ)を指(さ)す。
会場(かいじょう)の古(ふる)い壁掛時計(かべかけどけい)が長(なが)い音(おと)を響(ひび)かせ、多(おお)くの人々(ひとびと)の注目(ちゅうもく)の中(なか)、約束(やくそく)通(どお)りローラがやってきた。
ステージの前(まえ)に立(た)つと、ウィルソン先生(せんせい)はリリーのために言(い)いたくて、先陣(せんじん)を切(き)って攻(せ)め込(こ)んできた。「リン、ちょっと質問(しつもん)があるんだけど、よく聞(き)いてね…」
問題(もんだい)を読(よ)み終(お)わると、会場(かいじょう)は静寂(せいじゃく)に包(つつ)まれた。
みんな無意識(むいしき)のうちに眉(まゆ)をひそめ、問題(もんだい)の答(こた)えを一生懸命(いっしょうけんめい)考(かんが)えている。
帝国(ていこく)の先生(せんせい)たちは手(て)をぎゅっと握(にぎ)りしめ、顔(かお)は蒼白(そうはく)になっている。
「この問題(もんだい)の知識(ちしき)は、高校生(こうこうせい)の範囲(はんい)をはるかに超(こ)えている。これって、わざと難(むずか)しくしてるんじゃないの?」
でも、次(つぎ)の瞬間(しゅんかん)、みんなが驚(おどろ)いたことに、ローラは指(ゆび)を曲(ま)げて机(つくえ)を何回(なんかい)か叩(たた)き、数回(すうかい)まばたきをしてから、考(かんが)える間(あいだ)もなく答(こた)えを言(い)った。
早(はや)すぎる。下書(したが)きもせずに、こんなの嘘(うそ)じゃないの?
生徒(せいと)たちはウィルソン先生(せんせい)を見(み)て、彼女(かのじょ)が正(ただ)しい答(こた)えを出(だ)してくれることを期待(きたい)している。
でも、ウィルソン先生(せんせい)は唇(くちびる)を噛(か)みしめ、渋々(しぶしぶ)と小声(こごえ)で言(い)った。「答(こた)えは正(ただ)しいです。」
みんなは驚(おどろ)いた。反応(はんのう)する間(あいだ)もなく、他(ほか)の先生(せんせい)たちが次々(つぎつぎ)と準備(じゅんび)していた質問(しつもん)を出(だ)してきた。
今回(こんかい)も、ローラは答(こた)えるのが早(はや)く、声(こえ)が落(お)ちるか落(お)ちないかのうちにもう答(こた)えが口(くち)から出(で)てきた。
例外(れいがい)なく…答(こた)えは全部(ぜんぶ)正(ただ)しい。
全部(ぜんぶ)の質問(しつもん)が出(で)終(お)わると、会場(かいじょう)は静(しず)かになった。
誰(だれ)かがそっと「うわあ」と小声(こごえ)で「かっこいい!」とつぶやくまでは、会場(かいじょう)全体(ぜんたい)が沸(わ)き立(た)った!
「マジかよ、ローラって、俺(おれ)らと脳(のう)の構造(こうぞう)が違(ちが)うの?なんでこんなに凄(すご)いの?」
「カッコよすぎる!もはや、ただの優等生(ゆうとうせい)じゃない、神(かみ)だよ。マジで!」
「…」
ステージ下(した)の帝国(ていこく)の先生(せんせい)たちは、これを見(み)ていられなくなった。最初(さいしょ)の先生(せんせい)はやる気(き)を出(だ)して言(い)った。「こんなに才能(さいのう)があるなら、絶対(ぜったい)この生徒(せいと)をゲットしなきゃ!」
質問者(しつもんしゃ)の席(せき)で、中国語(ちゅうごくご)の先生(せんせい)はメガネを直(なお)した。数(かず)を増(ふ)やすために呼(よ)ばれた彼女(かのじょ)は、今(いま)は頼(たの)まれ、仕方(しかた)なく困(こま)ったように言(い)った。「リン、もう一つ質問(しつもん)してもいいですか?」
ローラは頷(うなず)いた。「どうぞ。」
「月例(げつれい)テストの答案(とうあん)だけど、なんで作文(さくぶん)の問題(もんだい)が空欄(くうらん)なの?」
「あー、これね…800字(じ)は多(おお)すぎるし、面倒(めんどう)くさかった。」ローラは無造作(むぞうさ)に言(い)った。「それに、点数(てんすう)は十分(じゅうぶん)でしょ?」
中国語(ちゅうごくご)の先生(せんせい)は黙(だま)り、他(ほか)の先生(せんせい)たちと顔(かお)を見合(みあ)わせ、お互(たが)いの顔(かお)に同(おな)じように困(こま)ったような笑顔(えがお)が浮か(うか)んでいるのを見(み)た。
全(すべ)ての質問(しつもん)が出(で)終(お)わると、質疑応答(しつぎおうとう)は予想(よそう)より2時間(じかん)も早(はや)く終(お)わり、会場(かいじょう)はしばらく静(しず)かになった。
「先生(せんせい)たち、今(いま)ヒマですか?」ローラが言(い)った。「だったら、私(わたし)が先生(せんせい)たちに質問(しつもん)して、答(こた)えてもらうのはどう?」
先生(せんせい)たちが同意(どうい)する前(まえ)に、彼女(かのじょ)は次々(つぎつぎ)と5、6問(もん)の質問(しつもん)を投(な)げ出(だ)した。その中心(ちゅうしん)は、先生(せんせい)たちが言及(げんきゅう)した問題(もんだい)だった。
でも、答(こた)えるのはもっと難(むずか)しい。
先生(せんせい)たちは額(ひたい)に冷汗(ひやあせ)をかき、生徒(せいと)たちの前(まえ)で子羊(こひつじ)にやられるなんて、全然(ぜんぜん)カッコよくない。
でも、どうしても答(こた)えられず、眉(まゆ)をひそめて一生懸命(いっしょうけんめい)考(かんが)えている。
これを見(み)て、最初(さいしょ)の先生(せんせい)はますますローラに満足(まんぞく)した。
すごい、頭(あたま)の回転(かいてん)がいいし、権威(けんい)に恐(おそ)れない。本当(ほんとう)に物理(ぶつり)の研究(けんきゅう)に向(む)いているわ!