第99章 怒らせる
ローラの質問攻めに、マーカスはニヤリとしたけど、あっさり「言いにくいな」って答えた。
それって、教えるの拒否ってことじゃん。
ローラも笑って、「じゃあ、言わなくていいよ」って。まあ、自分で調べればいいし。
...
テイラーの家。
「本当にカフェの人たちはあの動画をアップしないって?」と、キンバリーは使用人に念を押した。
使用人は丁寧にお辞儀して、「ご心配なく。もう注意しておきました」
「よかった」キンバリーは、やっと安心した。
彼女はくるっと向きを変えて、ピアノ部屋に向かった。ピアノの練習をしなきゃって思って。マネージャーの話だと、もうすぐコンサートが始まるから、万全の準備をして、あのスキャンダルを吹き飛ばすくらいの力を見せないと!
一方。
ネットに上がった匿名投稿が、みんなの注目を集めた。投稿の内容は、実はすっごくシンプルで、今日のカフェであったことを知らしめるだけの動画だった。
でも、その動画を見た人たちは、ものすごく怒って、胸を痛めた。
「テイラー家、マジでクズじゃん!」
「生まれが違うだけで、ローラをこんな扱いするなんて!だって、隠し子だって人間じゃん!」
「ローラがかわいそうすぎる。あんなにひどいこと言われても、全然反論してないし。毎日、テイラー家にいじめられてるのかな…」
見てる人たちはまだ怒ってるけど、キンバリーのファンはもう擁護し始めてた。
「キンバリーじゃなくて、テイラー夫人がやったことだよね。たぶん、キンバリーは何も知らないんじゃない?」
「悪いのは、テイラーおばあちゃんだけでしょ。キンバリーは悪くないよ!だって、キンバリーはローラにすごく優しく話してるじゃん!」
...
テイラーおじいちゃんは、そのニュースを見た瞬間、頭が真っ白になった。そして、抑えきれない怒りがこみ上げてきた。
古くからの家からテイラーの家へ猛ダッシュして、テイラーおじいちゃんはドアを蹴り開け、「出てこい、おばあさん!出てこい!」って叫んだ。
「何事?」テイラーおばあちゃんは階段の手すりにつかまりながら、テイラーおじいちゃんが玄関に立ってるのを見て、「何しに来たの?」
「来なきゃ、俺の孫娘のために正義を訴えられないだろ!」
テイラーおじいちゃんはテイラーおばあちゃんに駆け寄り、罵倒した。「頭おかしいのか?」
テイラーおばあちゃんは、しばらくの間、罵倒されて混乱していたけ、やっと我に返って、小さな声でつぶやいた。「孫娘って、ただの隠し子じゃない。都会に入れてあげてるだけ感謝しなさいよ。血も分けてあげてるんだし…」
テイラーおじいちゃんは、一瞬で激怒した。「何言ってんだ!人間性のかけらもないな!」
テイラーおばあちゃんは、一生、甘やかされて育ってきて、誰にも怒られたことなんてなかったし、大声で話しかけられることすらほとんどなかった。そんな中、大好きな人にこんなにひどく怒られて、心臓が痛いし、頭もクラクラしてきた。
「あなた、あなた…」
言い終わらないうちに、フラフラする頭を抑えて、気を失ってしまった。
「お母さん!どうしたの、お母さん!」テイラー夫人は言い合いを聞いて、2階から見下ろしていた。
すぐに階段を駆け下りて、テイラーおばあちゃんを抱きかかえ、慌てて携帯を取り出して、「お母さん、大丈夫?119番に電話するわ!」