第132章
環境に優しいとか、そういうのには程遠いんだよね。別に、環境保護活動家でもないし。
ちゃんとリサイクルとかも、たまにしかしないし。
葉っぱとか、ついイタズラでちぎっちゃったりもするし。
でもさ、ゴミはゴミ箱以外に捨てたことないし、木を切り倒したりしたことないし。
ゴミを燃やしたりもしてないし。
なのに、なんでこんなに世界は私を嫌うんだろって、マジで意味わかんない。
別に、世界を終わらせるような、そんなヤバい犯罪を犯したわけでもないのに。
つーか、本当に、冗談でしょって感じ。今の状況、皮肉すぎでしょ。
だって、死んだ兄の元カノが、しかも私を妹みたいだって言ってたプレストンと付き合ってるんだよ?
ああ、なんで世界は私をこんなに嫌うんだろ? 私が何をしたっていうんだよ?
マディソンの方に、ちょっとずつ近づいた。今、マジで色々抱えてるから、これ以上余計なこと増やしたくないんだよね。もし、彼女が公の場で騒ぎたいなら、一言も発する前にここから出て行こうと思った。だって、そんなの、もう無理だって。
幸いなことに、マディソンは私のことは無視して、代わりにプレストンに話しかけた。頬にキスして、軽くハグしてから、また席に座って、彼のために少しスペースを空けた。
カリを先に席に座らせて、ピオのためにベビーチェアをお願いした。咳払いして、プレストンの方を見て、色々聞くことにした。兄の死で私を責めるような女と、あいつは付き合ってるんだ。私だって、自分を責めてるんだよ。彼女に罪悪感を植え付けられたくないんだよね。
「それで、どうやって知り合ったの?」プレストンがみんなを紹介した後で、私はにっこり笑ってみた。でも、内心ではめちゃくちゃイライラしてるんだけど、それを隠すために笑顔を作ってる感じ。
「そういう話は、先に食べ物とか飲み物を注文してからにしない?」プレストンがそう提案してきたから、渋々承諾して、みんなの分を注文しにカウンターに行った。注文が終わってから、プレストンは咳払いして話し始めた。マディソンの肩に手を回してるし、兄が彼女にしてたことを思い出して、内心でゾッとしてた。
「スーパーで会ったんだ。彼女が私に卵を落として、私はそれで口説いたんだよ」プレストンはニヤリとした。マディソンと彼女の隣に座っている彼の姿を見て、一瞬だけマディソンへの恨みが薄れた。マディソンと私が知り合いだってことを、彼に話すべきかなって思ったけど、どう言えばいいかわからなかった。幸い、マディソンがそれをやってくれたみたい。
「ベイビー、あのね、ちょっと知っておいてほしいことがあるの」マディソンはそう言って、一瞬だけ私の方を見て、言葉を切った。プレストンは彼女の視線を追って、困惑した顔になった。
「キャスと私は、実は高校の友達だったんだ」私は鼻で笑って、目を丸めた。「友達」なんて言葉じゃ片付けられない関係だったから。マディソンが私の鼻で笑うのに睨んできたから、私も全部言っちゃおうと思った。
「彼女は、私の兄と付き合ってたんだ」私は、彼女が私を苦しめて、兄の死で私を責めたことを、二人の関係を壊さないために隠しておきたかったけど、思わず口に出ちゃった。プレストンは、私がそれを話したら、彼女に対する見方が変わるかもしれないと思ったから。そういえば、マディソンは一度、ソニアに詰め寄られた私を助けてくれたこともあったな。ソニアが私たちをみんなの前で問い詰めてきた時。だから、今回はマディソンのために、それくらいしてもいいかなって。
プレストンの眉毛が上がり、私とマディソンの間を交互に見ている。
「これは、気まずいな」彼はそう呟いた。なんでかわからないけど、私は笑ってしまった。たぶん、「気まずい」なんて言葉じゃ全然足りないくらい、今の状況がすごいことになってるから。
「ちょっと、外で話さない?」マディソンが私を見た。私はゆっくり頷いて、席を立って、カフェから出て行った。二人で外に出て、カフェの横の方に歩いた。気まずい沈黙の後、マディソンは話し始めた。
「あのね、ブライアントが亡くなった後、あなたにしたこと、本当に謝らないと。あなたはそんなことされるべきじゃなかったし、私はあなたの味方になるべきだったの。ブライアントはあなたのこと愛してたし、私があなたにあんなことしたって知ったら、きっと嫌がったと思う。私もブライアントのこと愛してたし、プレストンと付き合ってるからって、それは変わらない。彼はいつも私の人生の大きな一部だし、本当にごめんなさい。あなたが悪かったわけじゃない、ブライアントが死んだのは。あなたのせいじゃないの」マディソンは、自分の言葉に詰まらせていた。私も、ようやく聞けた謝罪に、少し涙が出てきた。
たとえ、謝罪だけで、もう仲良くなれるってわけじゃなくても、ブライアントなら彼女を少しでも慰めてあげてほしいって思ったはず。だから、彼女の震える肩に腕を回して、ぎこちなく背中を叩いてあげた。落ち着くまで、そのままだった。
カフェに戻ると、私たちの食べ物と飲み物が運ばれてきた。プレストンがマディソンの腫れた目と赤くなった鼻に気づいてたけど、賢くって、何も言わなかった。私は、気まずい沈黙の中、ピオにご飯をあげてた。自己紹介はもう必要ないから、沈黙を埋めるものもなかった。プレストンは、マディソンと私が高校時代に仲良しじゃなかったってことはわかってると思うけど、車に戻ってシートベルトを締めるまで、何も言わなかった。
「何か隠してるでしょ」プレストンが私に言った。私は、時間稼ぎのためにとぼけてみた。彼の言葉に、疑問符をつけたようなトーンでうーんと返事をした。子供たちは後部座席でシートベルトをしてて、私たちの会話を聞いてるみたいで、プレストンが質問攻めにしてくる間、黙ってたんだ。
「マディソンと何があったの? なんで泣いてたの? 何話してたの?」プレストンがしつこく聞いてくるから、私はため息をついて、諦めた。
何て言えばいいのか、わかんなかった。