第70章
キスってのに慣れてなくてさ。超コンフォートゾーン外だったんだけど、まるでこの世界で私たち2人だけみたいな感じがした。初めての感覚だったよ。キスは優しくて、ちょっとでも気を抜いたら、全部消えちゃうんじゃないかってくらい。やっと息が苦しくなって、唇が離れて、彼がおでこを私のにつけてきた。
「キャサドラ・ライリー・ジョンソン、君はマジで最高だよ。」
彼の言葉に、ちょっとだけ笑みがこぼれて、口元で踊った。まだ目は閉じたままで、そのまま数分いたんだけど、彼が沈黙を破ったんだ。やっと私をデートに誘う勇気が出たんだな…
「キャサドラ…」って、私の前の言い方がゾクゾクって感じで、焦りが募るのを感じた。次の瞬間、キレてた。
「うん、アダム、私があなたの彼女だよ。そんなに難しくなかったでしょ?」ってからかったら、彼は首を振ってクスクス笑った。私も笑い始めたんだけど、彼の次の言葉で一瞬で止まった。
「肩にクモがいるって言おうとしてたんだ。」
彼の言葉の意味が分かった瞬間、私は異常に高いキーで叫び声をあげた。
私はためらうことなく、アダムの待つ腕の中に飛び込んだ。「取って!取って!取って!」って、彼の胸に顔をうずめて、右肩を払う彼の手にすがりついた。
「ああ、神様、ありがとう!」って安堵のため息をついたら、アダムの胸が深く震えてた。
「それで、もう安全?彼女?」って彼は彼女って部分を強調して、私は彼を睨みつけようと顔を上げた。頬が熱くなるのを感じたけど、最後は彼に顔を向けずに、彼のコロンの匂いを嗅ぎながら、彼の胸に顔を埋め続けた。
仕方ないじゃん?女の子は、やりたいことをやらなきゃ。
「匂い嗅いでるの?」って彼は面白そうに聞いてきたから、私は平気でうなずいた。文句ある?
「まあ、付き合うことになったわけだし…」って彼がからかってきたから、お返しに彼の背中を思いっきり叩いた。
また笑い出したけど、全然止まる気配がない。
***
「で、あれについてどう思う?」ってアダムが指差してて、私もその指の先を追おうとした。
「どれ?」って聞いたら、何を指してるのか分からなかった。
「俺が指してるやつ。」って説明しようとしたけど、私はあきらめそうになって、ため息をついた。
「アダム、空はクリスマスオーナメントみたいに星で飾られてるんだから、もっと具体的に言ってよ!」ってまくし立てたら、彼は私を腕で掴んで、自分の上に私の体を半分くらい乗せるように引っ張った。
私は悲鳴をあげて、頭が彼の首の付け根にのしかかった。まだ星を見てて、彼の頭とほぼ同じ高さになったから、彼が指してる星のグループが分かった。
「あれ、鳥が誰かにうんこしてるみたいに見える。」って正直に答えたら、彼は1分間笑いっぱなしだった。私の背中が邪魔で、お腹を抱えられないから、地面を叩きながら、息を切らしてた。
「マジでウケる。」って彼はまだ笑ってた。
「あのさ、俺のこと、もう彼女ってことになるんだけど。」って彼は面白そうにため息をついた。言葉の奥にある笑顔が聞こえてきて、恥ずかしくて頬が赤くなった。
「黙って。」って弱々しく言ったら、笑い声が聞こえてきて、やっとまた静寂が訪れた。気まずい沈黙じゃなかった。少なくとも私にとっては。自分のことで頭がいっぱいだったから。
「なんで?なんで私を選んだの?私の秘密、私の過去を知ってて?なんで逃げないの?」って低い声で彼に聞いた。みんなそうするんだ。知ったら、みんな逃げる。なんで彼は同じことをしないんだろう?
「だって、君は違うんだもん。君には、学校ではダボダボの服とジーンズしか着てないのに、目立つ何かがある。他人にはどうでもいいって顔してるけど、本当は人より気にしてるし、だからシャットアウトしてるんだろ。」
私は彼の隣の地面に戻り始めた。
「君が分かるから選んだんだ。この世界で一人ぼっちになるのがどんなに怖いか、知ってるから。恥ずかしいことじゃない。君は、自分で思ってるよりずっと強い。それを君に見せてあげたい。でも、それだけじゃなくて、君のこと、すごく好きだから、手放したくない。」って彼は夜空に告白した。今回は、私は言葉を失った。同じ言葉を返したかったけど、言葉が喉の奥で詰まってしまった。
彼はため息をついて、私を座らせて立たせ、私を捕まえた。
「よし、じゃあ、ちゃんとやろう。」って彼は片膝をついて、私が地面に置いた花の冠を拾い上げて、また私に向き合った。私は彼の動きから目を離さなかった。
「キャサドラ・ライリー・ジョンソン、俺の彼女になってくれないか?」って彼は子犬みたいな目をしてきた。ああ、お願い、今カメラをくれ。マジで、その目、最高だから。
私は目を丸くして、彼の前にしゃがみこんだ。そしてその日の2度目、私たちの唇が触れ合って、頭に何か乗せられた気がした。
『さあ、お姫様だ』
「私も好きだよ、バカ。」って彼の唇に囁いたら、キスの中で彼が笑ってるのが分かった。涙が出てきた。悲しみじゃなかった。甘すぎて、涙がこぼれちゃう時の涙だった。
抱きしめようと立ち上がったら、彼は私を捕まえて、強く抱きしめてくれた。もう離したくない。いつも一緒にいれるわけじゃないけど、私を私らしくいさせてくれるのは彼だけだった。何でも話せる気がするし、それを変えたくない。ずっと思ってた。
一晩中そうしていたかったけど、時間は過ぎて、もう遅いから、おやすみを言って、それぞれの部屋に帰った。ドアを押し開けて、そっと閉めて、背中をドアにつけて、木製のドアに沿ってずり落ちた。
「あーあ、あの男と、どうすればいいんだろ?」