第8章
バタン!ってドアを閉めて、家の中に突入!階段を駆け上がって、自分の部屋にダッシュ!シャワーをササッと浴びて、パジャマに着替えてベッドにダイブ!パソコンを膝の上に乗せて、スイッチオン!YouTubeを開いて、ミュージックビデオを再生!その後の数時間は、先生が出した宿題と、生物の研究をしながら「We The Kings」を聴いてた。
休憩がてら、ウットリと鼻歌を歌いながら窓の外を眺めたら…え、もう暗くなってるじゃん!どれだけここに座って勉強してたんだろ?
あくびが出て、手足を伸ばして、ゴキゴキって背骨を鳴らして、ため息。パソコンと本を横に置いて、シーツを足元にまとめて、ベッドの端に足をぶらーん。
首を回してから、立ち上がろうとしたら…
座りすぎたのか、バランスを崩して、またベッドに座っちゃった。
ベッドよ、愛してるけど、今はご飯と浮気させてくれ…!って、しょんぼりしながら、また立ち上がろうとして、ベッドの柱に掴まった。すると、固まってたのが段々ほぐれてきて、何度も屈伸運動。
自力で立ってみたら、成功!部屋を出て、階段を下りて、キッチンへ向かった。
階段の途中で、ノロノロと降りてた。足に負担をかけないように…だって、いつ足が動かなくなるか分からないから。本当に嫌なんだよね、こうなるの。長時間座ってると時間なんて忘れちゃうけど、気づいた時にはもう遅くて、足が半分寝てる状態になるんだもん。イライラしながら自分の足を見てたら、
ガチャン!って大きな音と、聞き覚えのある声が静かな家に響いた。
「ただいまー!」お母さんの声!
しばらく返事をしなかったんだけど、
「パイとクッキー買ってきたよー!」って叫んでる!
ほらね、皆さん。これがティーンエイジャーを階段からダッシュさせて、歓迎させる方法ですよ。ビニール袋を漁る姿が歓迎に見えるならですけどね。足の問題なんてすっかり忘れちゃって、食べ物を迎えるのが一番の目的になるんだから。
「あらあら、おかえり。それにしても、お父さんももうすぐ帰ってくるから、例のやつね。」
お父さんは滅多に家にいないんだよね。いつも色んな出張に行ってて忙しいんだけど、映画鑑賞会で埋め合わせしてる。「分かった。」パイとクッキーを頬張っててモゴモゴしてるから、ちゃんと聞こえてるか不安だったけど、お母さんは分かってくれたみたい。
「キャサリン・ライリー・ジョンソン!ちょっとずつ食べなさいって言ったでしょ!?」
お母さんに見られて、ちょっと気まずい。飲み込もうとしたら、喉がカラカラで上手くいかない。
「アハ!飲み込めないんだ!ざまぁみろ!」お母さん、ニヤニヤしてる。
…はい、お母様。愛を感じますね。
お母さんに目を向けて、水をちょっと飲んで、何とか食べ物を飲み込んだ。最後にゴクッと飲み干して、お母さんに舌を出して、部屋に走って着替えた。
「本当に大人になったね、ケース。本当にね!」お母さんが叫んでる。
それに答えて、クスクス笑った。うん、クスクス笑った。何か問題?
ハリーポッターのセリフがプリントされたオーバーサイズのTシャツと、ストレートジーンズを着て、鏡でチェック。せめて見れるようにしないとね。
お父さんはお母さんと違って、私のファッションに文句言わないんだよね。ていうか、昔、超短いショートパンツ履いてた時に、怒ったことあったし。二度としないけど。あの時のこと考えるとゾッとするわ。子供の頃の自分って、本当に面白い。
「準備できたかーい?」お父さんの声が聞こえた。ほんの少しだけ香水とデオドラントをつけて、階段をスキップして降りて、お父さんにハグ。「あー、寂しかったよ、お姫様。」お父さんにさらにくっついて、「私もだよ、お父さん。」うん、私はお父さんのプリンセスなの。文句ある?
車に向かって、シートベルトして、映画へ出発!道中「Eye of The Tiger」が流れて、お父さんと一緒に歌った。音程外しまくって。お母さんは呆れた顔してたけど、私たちはいつも真面目な彼女を笑った。
両親を見て、ここにいるだけで幸せだって思ったけど、それでも何か足りないって分かってたんだ。ある時、お母さんの味方をしてくれる人がいたらなーって、車の中で私と喧嘩して、お母さんに怒られてたある男の子のことを考えた。うるさいって。
弟がいないと、私の家族は完成しないんだって分かってた。それで、笑顔が消えて、窓の外を見て、通り過ぎる木々を眺めた。
…会いたいな、お兄ちゃん。