第53章
マジかよ、あのクソビッチ、私の秘密を知ってんのかよ。
いや、確信はないみたい。よかったけど、怪しいんだよな。
「もちろん、ケンカとかできないでしょ。まさかそんなこと考えてたなんて信じられないわ。」
は? なんだって? 私が本読むの好きで、成績良いからケンカできないって? なんだそれ? 全然意味わかんないんだけど。頭良くって本好きだと、弱くならないといけないの? それとも、ケンカするならバカでアホじゃないとダメなの?
でもさ、そもそも、なんでそんな話になったんだ? どうしてそんなこと考えついたんだ?
これ、ペネロペの匂いがプンプンする。もしあいつがこの噂の元凶だったら、マジでボコボコにしてやる。母親にも誰だかわかんなくなるくらいにな! あいつのこと信じて、油断してたのに。
あいつのあの小悪魔みたいな顔、ムカつく。私を騙そうとしてるんだよ、あの女は。絶対関わりたくない。
答えの出ない疑問を抱えたまま、一日が終わった。本当にあいつがやったのか? あいつを信じなかったとしても、あいつは誠実だったんだ。もう抱え込みたくないだけなんだ。抱え込めば抱え込むほど、傷つくんだよ。だって人間ってバカなんだもん。持ってるもののありがたさって、失って初めて気づくんだから。そして、それに気づいて受け入れることって、マジで辛い。
ゆっくりと椅子から立ち上がり、教室を出た。まだ1時間目だし、早く終わらせたい。
次の授業まで、めちゃくちゃ遠く感じた。学校の端から端まで歩いて、生物の教室に行かなきゃいけないんだから。あー、生物、唯一そんなに嫌じゃない科目。
生物は、野菜を食べるくらい好き。そんなに好きじゃないけど、まあいいかなって。授業中に窓から飛び出したくなるくらい、先生のつまんない講義を聞くのが嫌になるってことはない科目なんだよね。
問題は、数日前、ペネロペがそのクラスにいるって知ったこと。
これについて、どう感じるか選べるんだよな。あいつがいるから嫌だって思うか、嬉しいって思うか。うーん、混乱してきた。
言い換えよう。あいつのくだらないことには全然付き合いたくないから、嫌だって思う。特に、私の秘密をバラしそうになったかもしれないやつだし。それか、あいつを捕まえて尋問して、私を悩ませてる疑問の答えを見つけられるから、めちゃくちゃ嬉しいって思うか。
教室に入って、一番後ろの席に座った。生物の授業を取ってるやつ、めっちゃ多いから、教室はギューギュー詰め。席に滑り込んで、隣の空いてる席にカバンを置いた。ファイルを取り出して、前回の授業のノートを見返してたら、スマホが鳴って、LINEの通知が来た。
周りを見渡して、先生がいないのを確認して、LINEを開いた。
今夜8時に、遅れないでね。-レヴ
「了解」って返信して、後ろから弱々しい声が聞こえたから、すぐにスマホをロックした。誰にも見られたくないから、カバンの中にしまった。
朝っぱらから、誰かにトラウマを植え付けたくないんだよな。
振り返ると、ペネロペがいたから、警戒した顔になった。「落ち着け、ケース。落ち着け。本当にソニアに言ったって確信はないんだ。きっと誤解だ。」
誤解である可能性って、どれくらいあるんだ? 心の中で考えてみたけど、何も出てこなかった。
私もそう思う。
やめてよ、証拠もないくせに。
証拠はいらないわ。
ペネロペのこと考えててボーッとしてたことに気づいて、慌てて最後の言葉を聞き取ろうとして、全体的に何が言いたかったのか考えようとした。
「…取られた?」 席のことかな? あいつを見て、それから隣の席に置いたカバンを見た。
どうしようかな? どっちにしよう? どうする? どうしない? 選択肢はたくさんあるのに、時間がない。
結局、私の尋問したい気持ちが勝って、カバンをテーブルの下に置いて、あいつに椅子を引っ張らせた。疲れたように座ったから、ちょっとホッとしたのかな。良心に従って、本音を出すことにした。あいつの方を向いた。
「なんでここに座りたいんだ?」 まあ、聞きたかったこととは違うけど、最初の一歩としてはいいでしょ? ダメ? 分かった。精神科医が必要かも。弱虫になりつつある。
あいつは緊張した顔をしてて、一瞬で良心が騒ぎ出した。
何か隠してる! わかる! 何待ってんだよ、お前! ぶっ飛ばせ!
良心を黙らせて、期待してあいつを見た。早くしろよ、私には時間がないんだ。良心が変なことばっかり言ってくるせいで、頭がパンクしそうなんだよ、マジで。
「えっと、話したいことがあって。ねえ、ケース、もうずっとこんな感じでしょ。そろそろ仲直りして、また友達にならない?」 あいつは希望に満ちた顔をしてて、断るのがちょっと申し訳なくなった。
「ごめん、ペネロペ。忠誠心がないやつとは友達になれないんだ。私と友達になりたいなら、一番必要なことだよ、忠誠心って。なんで私と仲直りしようとするの? あの夜、あいつらと何があったか見たでしょ…」 言い終わる前に遮られて、返事にマジで言葉を失った。
「そう、まさにそれ! あの夜、あなたに助けられたの。命の恩人なのよ、ケース。あなたがいてくれなかったら、私はここにいなかった。あなたが先に行って、自分の命を危険にさらさなかったら、何が起きてたか…」 あいつは感謝してて、目にはどれだけ私の行動を尊敬してるかが現れてて、私の心の一部が欠けていくのを感じた。
でも、あの夜の原因を作ったのは私なんだ。あいつとパーティーに行くことに同意した時点で、私が悪いんだ。もし知ってたら、ペネロペ。もし知ってたら、私を嫌うだろう。二度と私を同じ目で見れなくなるだろう。
目を逸らし、罪悪感が押し寄せてきた。自分が恥ずかしくて、あいつに対して少しでも抱いていた疑念のことなんて忘れそうだった。あいつの話を聞いて、私が助けたって思ってるってことが、私が避けるべきだったのに、ものすごく辛いことだった。
感情のバリアが壊れて、私を飲み込みそうになった。何も見せないように、目をぎゅっと閉じた。
「ソニアに、私がケンカできるって言った?言わなかった?」 私はやっとあいつの目を見ることができて、あいつは信じられないって顔をしてた。
「え?」 あいつは困惑した声で聞いてきたから、質問を一言一言伝えるように、体を向けた。先生が入ってきて、嫌々ながら黒板の方を見ざるを得なくなった。
もう1時間待つしかないみたいだな。
チャイムが鳴ったとき、私はカバンを肩にかけて、席から出て、ペネロペの腕を掴んだ。あいつは悲鳴を上げてよろけたけど、私に付いて教室から出て、混み合った廊下に出た。やっと人がいない隅っこを見つけて、立ち止まって、あいつの方を向き、腕を離した。
「ソニアに、私がケンカできるって言った?」 小さな声で、誰にも聞こえないように、でも騒音に負けないように、ペネロペに質問を投げかけた。あいつは驚いた顔をした。
「私がそんなことするって、本気で思ってるの?」 私はあいつをじっと見て、あいつは苛立って唸った。
「もう、やめてよ!」
何を? お前が二股かけてたってこと? うーん、なるほど… 却下。
私が無表情で見ただけで、あいつはフラストレーションと苛立ちでいっぱいになった。分かってる、私がいかにも子供っぽいってこと。でも、恨みは持ってるんだよ。
「その些細なこと、忘れられないの?」
うーん、でも、忘れたくもないから…
ただ一瞥しただけで、あいつはもうダメだってわかったみたい。
「さっさと答えなさいよ!」 私は苛立ちで両手を挙げ、あいつのくだらない問いに答えた。
「言ってないわよ、ケース。誰も言ってないの、いい? 一度だけよ。人間は変わるんだから」 あいつは言い切って、何か隠してるように見えた。
私は首を小さく縦に振って、もうあいつのゲームには付き合いたくなかった。私はもうあいつに背を向けて、歩きだそうとした時、あいつの手が伸びて、私の腕を掴んだ。
「状況が変わったみたいだ」 心の中でそう思いながら、腕を掴まれたままで、振り払おうとしなかった。
あいつの手を見て、いつまでも離しそうにないから、顔を上げて、あいつの悲しそうな目に私の冷たい目を合わせた。
「なんで? なんで離してくれないの? 一度だけだったでしょ。二股かけたのは一度だけだったでしょ。もっとひどいことだってできたはずよ」 あいつはそう言って、声が震えて、涙がこぼれそうになった。
私は平静を保ち、冷たい口調で、あいつを見つめたまま、動揺することなく立っていた。
「だって、私は何度も傷ついてきたんだから。もっとひどいことだって言わないで。あなたの目には一度かもしれないけど、裏切られることなんて、もう何回も経験してる。もう一度、自分を傷つけたやつにナイフを渡すほど、私はバカじゃない。目が見えない人だって、同じ穴に二度落ちたりはしない」
そう言って、私はあいつの腕を振り払い、次の授業に向かった。同じ疑問が頭の中でグルグル回っていた。
一体誰がソニアにチクったんだ?